2005年3月下旬


3/31(木)……トラッ!トリァ!トリャ!

▼漫画感想追加しました。あとアニメ「舞-HiME」最終回感想と、3月29日の日記のコミックパピポの項で、RIKIの新連載が始まったことを書き忘れてたのでこちらも追記。

OHP月極アンケートテーマ入れ替え。安直ですが、4月ということで「4コマ漫画 200504版」で行きます。4コマについてのアンケートは2001年8月にやって以来、実に3年半ぶり。その間に萌え系4コマ誌が台頭してくるなどの動きもありました。そんな今、面白いと思う4コマ漫画をいろいろ教えていただければと思います。

▼それに伴い3月分「オトメチックな漫画」は締め切らせていただきました。2月が「男らしい漫画」で、そこそこ活発に票が動いていたのでやってみましたが、こっちは意外と難しいテーマだったみたいです。よく考えてみたらオトメだと少女限定になっちゃうので、大人の女性っぽい色気のある漫画みたいなのは入ってこず、「男らしい」よりもターゲットが狭いというのもありましたな。

▼アニメ「舞-HiME」[Amzn:(1)/(2)/(3)/(4)/(5)]最終回。最後は気合いの入った作画でそれっぽく締めくくったが、全体を通して見ると「もったいない」という思いが先に立つ。カワイイ女の子がいっぱいでキャラクターはすこぶる魅力的。さまざまなタイプの美少女が揃っていて、誰でも好みなキャラが一人はいるのでは、といった華やかさ。そして学園生活ありバトルありメカあり恋愛ありと面白くなりそうな要素はてんこ盛りだったのだが、途中の展開がどうも首を傾げることの連続。前半の悪役であったシアーズ財団の存在とか、そもそも全体の物語にもあまり意味がなかったように思えてしまった。また、キャラクターが最大の魅力の作品であったのに、その扱いが意外とぞんざいだった点はおおいに不満。視聴者が思い入れのあるキャラを退場するときは、やはりそれなりの納得行く幕引きをするべきだと思うのだが、この作品の場合そこでいちいち失敗してたような気がする。とくに男キャラの扱いは悪い。HiMEたちの戦いに巻き込まれた彼女たちの想い人(主に男)にはなんの選択権もなく、能動的に事件に関わることができないまま消えていく。ショッキングな消し方をするのが悪いとはいわないけど、そこに至る盛り上げが不足しており、なんかみんな「物語の必然」ではなく「制作者の都合により」消されたような印象になってしまい「えー、そりゃねえよー」という気持ちが募っていった。ちょっとしたエピソードの積み重ねで、ずいぶん違った印象になりそうな作品だっただけに、隔靴掻痒なもどかしさを感じた。それなりに楽しめはしたし、キャラは好き、全体的には好ましい雰囲気はあるんだけど……うーん、やっぱもったいない。

▼えーとこれであとアニメ最終回は3日の「まほらば」で一区切り。その1か月後くらいに「学園アリス」「SAMURAI7」「GIRLSブラボー」の衛星組って感じ。
(訂正:「まほらば」は2クールもので、もう1クール続くとのことです)

▼未読物
【単行本】「エマ」5巻 森薫 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「竜宮殿」3巻 松永豊和 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「鉄子の旅」3巻 菊池直恵(監修:横見浩彦) 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「黄金のラフ 草太のスタンス」14巻 なかいま強 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ルサンチマン」4巻 花沢健吾 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「π」8巻 古谷兎丸 小学館 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】モーニング 4/14 No.18 講談社 B5中

 山崎さやか「はるか17」。はるかに恋する男アイドルの翼くんが、意外といい男っぷりを発揮。なんだかいいムードですが……。仕事方面も恋愛方面も好調で、しっかり読ます。手堅く面白い。作:五木寛之+画:いわしげ孝「青春の門」。信介の幼なじみの織江ちゃんがけっこうかわいくなってるなあと思った。

【雑誌】ヤングサンデー 4/14 No.18 小学館 B5中

 浅野いにおの読切「ソラニン」が掲載。彼女は大学を卒業して就職、自分はフリーターでバンド青年。そんな状況で不安定な心理状態にある青年の青春物語。青臭い青春物語を、スカした絵柄で描いていく作風は、ヤングサンデーにもピシッと合う。最終ページの柱によれば、浅野いにおは新連載に向けて鋭意準備中とのこと。このままヤングサンデーでやるのかな? 楽しみなところではあります。原秀則「電車男」。うーん、さすがうまい。デートの帰り道の電車で、エルメスが離れたくなくて手を引くシーンとか、かなり印象的に描けてます。ベテランならではの練れた演出力が光る。山田玲司「ONE ON ONE 絶望に効く薬」。今回は超大物、堤清二を取材。これはさすがに面白いです。今回は前編で、次号に後編が掲載。

【雑誌】ヤングジャンプ 4/14 No.18 集英社 B5中

 高野洋「国境を駆ける医師イコマ」は大地震に襲われた国での救助活動。極限状況の中、政府は非情な決断をしようとしていて。今回のシリーズも重い内容となってて読みごたえあります。こばやしひよこ「おくさまは女子高生」はカラー袋とじの回。もうちょっと淫靡に責めて欲しかったかな……。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 4/14 No.18 秋田書店 B5平

 漫画:佐藤健悦+シナリオ:キムラノボル「舞-HiME」。詩帆vs.舞衣+祐一の戦いが決着。こちらはわりと後味が良くまとめている。佐渡川準「無敵看板娘」は、えーともうすぐ連載3周年なのかな。それを記念してキャラクター人気投票をやるとか。ずっと変わらず面白くやってて良い作品です。この作品はアニメ化しても面白いかもしらんですな。

【単行本】「巨乳ドラゴン」 三家本礼 ぶんか社 A5 [bk1][Amzn]

 ヤングマガジンUppersの末期に連載され、単行本化の告知も出されたがすったもんだの末、出版社を変えて刊行されることになった。後書きによれば3話の首切りシーンが、どこだかの団体から文句つけられたのだとか。で、お話のほうはある日突然人々がゾンビ化するという事件が起こり、ゾンビ軍団とストリッパーの女性たちが戦いを繰り広げるというもの。ストリッパーたちは露出癖の持ち主だったら、SM女王だったりキャラがたいへん濃く、お話のほうも刺激的に進んでいく。ただラストのほうのタメはちょっと足りなめな感じがあるし、毒々しさも個人的にはもうちょっと欲しかったかなあという気はした。基本的なテイストはおどろおどろしいけど馬鹿馬鹿しくて好き。

【単行本】「団地ともお」4巻 小田扉 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 相変わらず面白いなあ。この巻では、ともおが依然主役ではあるけれど、団地に住むその他の人たちの物語がそれぞれに関わり合いながら、並行して動いている。点と点が完全につながって、面になってるなあって感じがいたします。団地外の、ともおの父や祖父もときどき登場しては、良い味を付け加えていってくれる。あ、あと犬とかカラスとかもいいです。エピソードのほうも多彩で、ギャグもあれば淡々とした日常もあり、ときどき不意にジーンとするしみじみした話もある。キャラが作品世界の中で生きてるから、そこからいろんなエピソードが生まれてきてます。あー、面白い。この巻ではともおたちが読んでいる漫画内漫画「スポーツ大佐」のお話も、わりと長めなのがあってうれしかった。「スポーツ大佐」読みて〜。

【単行本】「バンビ〜ノ!」1巻 せきやてつじ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 福岡は中洲のイタリア料理店でブイブイ言わせていた才能もあるし鼻っ柱も強いイタリア料理人の伴省吾が、東京・六本木の人気トラットリアに修行に出され、そこで悪戦苦闘していく。せきやてつじといえばやたら力強いタッチから繰り出される、ハッタリのバリバリ利いた熱い物語が持ち味。この作品でも、まるで戦場のごとき繁盛店の厨房で省吾は手ひどく鼻っ柱をくじかれ、それに負けじとど根性で食らいついていく。その激しさ、熱さが本作の最大の特徴。作中、料理についてはあまり具体的に描かれる、「料理漫画」というよりは「料理人漫画」といった雰囲気。一本調子ではあるけれど、そこらへんを有無をいわせずハッタリでどこまでノシていけるか。まだ作品としては序の口って感じだけど、熱く激しく痛快な作品になっていくことを期待してます。

【アンソロジー】「だっこ園ジぇる 園ジぇる6」 茜新社 A5 [Amzn]

 極幼女系のアンソロジー本の第6弾。ちょっと前に出ていたのだけど買い忘れてた。内容はいつもどおり、ぷにぷにしたちっちゃい子とのエッチ。まあここまで幼いと自分的にはそそらないんだけど、大山田満月「えっちないもうと」の描写の生々しさはやっぱりさすがだなあと思う。あとはカラーも描いている緋鍵龍彦「ゆびきりのじかん」は女の子の楽しげなハツラツとした表情がわりとええ感じでした。

【執筆陣】mizu、徳田しんのすけ、横山葱、MASSIRO、SINK、緋鍵龍彦、大山田満月、あわじひめじ、まさよししの、芹沢ゆーじ、じょん同介、天祥輝


3/30(水)……特別区

▼アニメ最終回。「BECK」[Amzn:(1)/(2)/(3)/(4)/(5)/(6)/(7)/(8)/(9) DVD-BOX(1)/(2)/(3)/(4)/(5)]。アニメ版は原作の10巻くらいにあたる、グレイトフル・サウンド編を最後のクライマックスに置いて、最終話にBECK解散→再結成・アメリカツアーのくだりを詰め込んでおしまい。原作が途中ということもあるが、BECKのアメリカツアーの模様を映した写真を見ていく……という止め絵の連続で終わらせる構成は賛否両論あると思う。最後の2話くらいは原作に乗っ取らず、「いかにも駆け足です」って感じが出ないような展開にしちゃっても良かったかも。ただ全体で見ると上々のアニメ化だったと思う。原作の評価が非常に高いというプレッシャーがあるうえ、音楽モノはアニメ化しにくいジャンルでもある。実際の演奏シーンを動画&音声で見せなくてはならず、そこが下手だと説得力がなくなってしまうので。アニメ版「BECK」における演奏シーンもその点は完全にクリアしていたとはいえない。とくに最大の見せ場であるコユキが歌うシーンについては、頑張ってはいたけれど「度肝を抜くうまさ」として納得できたかといえばそうとはいいがたい。しかし演出で健闘し、ライブのシーンはけっこう盛り上がった。また全編を通じて、音楽少年の青春モノとして楽しく描けていた点は好感が持てる。26話分、きっちり楽しめました。

▼2005年3月の購入スケジュール。データはbk1まんが王倶楽部の新刊予定を参考に作成。リンク先はAmazonのワード検索。リンク先URLはスクリプトによる自動生成なので、まだAmazonのデータベースに登録されておらず、該当物件が表示されないリンクもありますのでご了承ください。

▼2005年4月購入予定
4/4 「武装錬金」7巻 和月伸宏 集英社
4/4 「いちご100%」15巻 河下水希 集英社
4/4 「デスノート」6巻 作:大場つぐみ+画:小畑健 集英社
4/6 「バカ姉弟」4巻 安達哲 講談社
4/6 「押切蓮介劇場 マサシ!!うしろだ!!」 押切蓮介 講談社
4/6 「ガタピシ車でいこう!!迷走編」4巻 山本マサユキ 講談社
4/6 「赤灯えれじい」3巻 きらたかし 講談社
4/6 「アゴなしゲンとオレ物語」18巻 平本アキラ 講談社
4/8 「無敵看板娘」12巻 佐渡川準 秋田書店
4/8 「フェイスガード虜」6巻 おおひなたごう 秋田書店
4/8 「ロボこみ」3巻 やぎさわ景一 秋田書店
4/8 「かりんと。」5巻 作:氷幻嵩人+画:THE SEIJI 秋田書店
4/8 「イケてる2人」20巻 佐野タカシ 少年画報社
4/8 「ぴんくいろ・あそーと」 ポン貴花田 少年画報社
4/9 「フェアリーアイドルかのん」2巻 袴田めら ポプラ社
4/9 「Canvas2 〜Extra Season〜」 作:F&C・FC01+画:児玉樹 角川書店
4/中 「御用金」 平田弘史 マガジンファイブ
4/11 「霊能探偵ミコ」12巻 井荻寿一 ワニマガジン
4/14 「新装版 ピアノの森」1〜3巻 一色まこと 講談社
4/15 「BECK」22巻 ハロルド作石 講談社
4/15 「乳欲児姦」 目高健一 茜新社
4/16 「砂の下の夢」1巻 TONO 秋田書店
4/16 「いもうとぱんつ」 犬星 メディアックス
4/18 「SISTER WORK」 飛龍乱 フロム出版
4/19 「CLOTH ROAD」2巻 作:倉田英之+画:okama 集英社
4/19 「てるてる×少年」11巻 高尾滋 白泉社
4/19 「咲裸児童」 Clone人間 コアマガジン
4/19 「REC」3巻 花見沢Q太郎 小学館
4/下 「はたらくカッパ」 逆柱いみり 青林工藝舎
4/22 「ラブロマ」4巻 とよ田みのる 講談社
4/22 「S60チルドレン」3巻 川畑聡一郎 講談社
4/22 「もやしもん」1巻 石川雅之 講談社
4/22 「ブラックジャックによろしく」11巻 佐藤秀峰 講談社
4/25 「針とオレンジ」 きづきあきら ぺんぎん書房
4/25 「PLUTO」2巻 浦沢直樹 小学館
4/25 「岳 みんなの山」1巻 石塚真一 小学館
4/25 「モモ色クリニック」2巻 ジェームスほたて 少年画報社
4/25 「極幼女」 あわじひめじ 茜新社
4/25 「RADICALてんぷてーしょん」 巻田佳春 茜新社
4/26 「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」9巻 安彦良和 角川書店
4/26 「魔幻戦記 サイバー桃太郎」 山口貴由 リイド社
4/28 「コドモのコドモ」2巻 さそうあきら 双葉社
4/28 「ホーリーランド」10巻 森恒ニ 白泉社
4/28 「みたむらくん」3巻 えりちん 白泉社
4/28 「まじかるストロベリィ」 まつもと剛志 白泉社
4/28 「どいつもこいつも ワイド版」3巻 雁須磨子 白泉社
4/30 「犯罪交渉人 峰岸英太郎」4巻 記伊孝 講談社
4/30 「かみちゃまかりん」6巻 コゲどんぼ 講談社

【雑誌】コミックバーズ 5月号 幻冬舎コミックス B5平 [定期購読:出版社

 新連載、ハラヤヒロ「ハカセのセカイ」は、のび太的な感じの少年と科学部のマッドサイエンティスト少女が繰り広げるドタバタ劇って感じのショートコメディ。萌え系4コマ的に息抜き作品としてコンスタントに行きそう。赤名平「ひこぼしの姫」も新連載。平凡で気弱な少年の家に居候にやってきた女の子は、実は異能力の持ち主であり、彼女を連れ戻そうとする怪物たちがその前に現れて……という感じ。品が良くスッキリとした絵柄は多少地味だが好印象。物語的にはもう一押しインパクトが欲しい感じも。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 5月号 少年画報社 B5中

 コミックフラッパーで「アガペ」を描いている石黒正数が登場。新連載「それでも町は廻っている」。予告カットでスタンダードなメイドものかと思ったら、メイド喫茶ものでした。しかもアキバにあるようなのじゃなくて、町の喫茶店の娘さんがメイド服着てて、あんまりメイドメイドした感じはないか。内容も意外とドタバタギャグ調。石黒正数の絵はとてもいいと思うのだけど、ギャグはどうだろう、ちょっと上滑りしているような気はしないでもない。石黒正数の絵柄って端整でうまいんだけど、意外と低温なところがあるからなあ。六道神士「エクセル・サーガ」。秋田書店&白泉社方面にちとヤバめなネタ。ちょっと笑った。あと井上博和「みのりの日々」は最終回でした。

【雑誌】週刊少年サンデー 4/13 No.18 小学館 B5平

 満田拓也「MAJOR」。なんか吾郎くんと清水さんがあっさり元サヤ……。そんなあっさりご機嫌とられてええんか清水さん。ほっとくとまた連載1年分くらい音信普通になるぞ。そういえば吾郎って、改めて考えると無礼だし自己中だしけっこういけすかない野郎だよねー。

【雑誌】週刊少年マガジン 4/13 No.18 講談社 B5平

 赤松健「魔法先生ネギま!」。珍しくいいんちょさんが報われているような感じ。騒々しくてわりと好きなキャラ。そういえばアニメ版のほうも毎回見てますが、ここ2回くらい作画レベルが上がってたなー。気楽に肩凝らずに見れるのでアニメ版のほうもけっこう楽しんでます。

【雑誌】エンジェル倶楽部 5月号 エンジェル出版 B5平 [定期購読:Fujisan

 草津てるにょ「いけないマリア先生」。今回もシスターのマリア先生は大して活躍しないが、しっかりエロい。つやつやしていつつ吸いつくような肌の質感がたまらんです。奴隷ジャッキーの新連載「へたれ魔女っ娘クウちゃんく〜〜♥。(>_<)。」。ドジっ娘な魔女が、天使の女の子たちにさんざんイジメられちゃうというドタバタギャグ系H。奴隷ジャッキーらしい妙にホップステップしたノリの作品で、独特の味。なお魔女っ娘のクウちゃんは、読者コーナー娘もやってます。


3/29(火)……珊瑚駆使

▼アニメ「巌窟王」[Amzn:(1)/(2)/(3)/(4)/(5)]最終回。ブラボー。素晴らしく気持ちの良い幕引きでした。「モンテ・クリスト伯」を下敷きに未来世界を舞台にした壮絶な復讐劇を展開しつつ、その渦中に巻き込まれた少年アルベール、そして彼を取り巻く友たちの青春群像劇を実に鮮やかに描ききった。最終話は1話たっぷり使って、登場人物一人一人の物語に、丁寧な幕引きを与えており、感動を深いものとしてくれた。序盤は緩やかに青春の甘ったるさを味付けにゆったりと物語を進めていき、中盤終盤にかけて一気に加速。復讐劇はどんどん苛烈になっていき、ときに見る者の魂を削るかのような刺激的なストーリーを作り出す。その物語のダイナミズムには心奪われた。

▼映像表現的にも革新的。いかにもCG、CGしすぎてるということで嫌われがちだったテクスチャ表現を逆手にとって、貴族階級にあるキャラたちの豪奢な衣服を印象的に再現。下手に使うと安っぽくなるテクスチャで、高級感を出すという逆転の発想は斬新だった。アダルトな雰囲気作りも素晴らしく、確固たる美学に貫かれた作品作りにうならされた。作画のクオリティも安定して高く、本年度を代表する傑作といって、なんら恥じることのない出来。ときに甘く、ときに苦く、絢爛豪華で刺激的。そして何より美しい。アルコール度の強い、上質なブランデーのような作品でした。制作スタッフには素直に拍手を送りたい。

▼未読物
【単行本】「どいつもこいつも ワイド版」2巻 雁須磨子 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「鬼虫」5巻 柏木ハルコ 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「妄想戦士ヤマモト」4巻 小野寺浩二 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

【単行本】「シートン」1巻 谷口ジロー(原案:今泉吉晴) 双葉社 A5 [bk1][Amzn]

 「シートン動物記」の作者であるアーネスト・トンプソン・シートンの生涯を描いていくというシリーズなのだけど、とても良かった。まず題材がそもそも谷口ジローの作風にばっちりマッチしている。あの精密な自然描写が冴え渡り、シートンの生きた世界を身近に、ありありと感じさせてくれる。そしてストーリーもさすがに素晴らしい。この巻では「狼王ロボ」編をやっているのだが、「シートン動物記」のほうも名作だけど、それを実に見事に漫画化している。人間をあざ笑うかのごとき行動を繰り返すロボと、執拗に彼を追いかけていくシートンとの駆け引きは、グッと息を飲む緊張感に満ちている。そしてロボの連れ合いであるメス狼・ブランカの悲劇、ロボの悲嘆……と続いていく終盤は、胸がしめつけられるような想いだった。ロボは狼ではあるが彼の悲しみは突き刺さるようだし、そしてロボを捕らえてしまったことでシートンが抱いた後悔と哀惜入り混じる感情の描写も胸に迫る。谷口ジローはやっぱり凄い。これが第1章ではあるけれど、物語的には「狼王ロボ」編が頂点になるんじゃないかと思います。

【単行本】「Pocket」1巻 しおやてるこ 芳文社 A5 [bk1][Amzn]

 これはなかなかよかったです。まんがタイムきららで連載されている非4コマ系の作品で、ダイスケくんという明朗快活な小学生男子を中心としたほのぼのこども漫画。なのだけど、さすがに萌え系4コマ誌連載だけあってかなりトキめくんですよ。このダイスケくんという男子、ごく普通の少年なんだけどいかにも少年らしくてかわいいせいか、やけにモテる。クラスメイトのアキちゃん、二つ上の幼ななじみなケイコちゃん、それからおねえちゃんの友達のエミちんとも悪くなさげな雰囲気だし。ダイスケとその姉のお友達であるあこがれのおねえさん・ショーコちゃんもいて、みんなそれぞれかわいい。絵も露骨な美少女絵とかじゃなくって、いかにもこども漫画にありそうなほんわかした感じで、それがまた居心地の良い作品世界を作っていたりする。かわいくて微笑ましくて、ちょっぴりドキドキ。基本的にはほのぼのしてるので口当たりも良し。ええ感じであります。

【単行本】「ホーリーランド」9巻 森恒ニ 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 ショウゴとやりあって勝利したユウだが、それによって友を失う結果になる。その後は伊沢妹との接近などなど。これまではストリートの相手が多かったが、今後は競技格闘者との戦いが続いていく模様。ストリート色は多少薄くなるかもしれないけど、安定してしっかり面白いです。

【雑誌】漫画サンデー 4/12 No.14 実業之日本社 B5中

 作:西ゆうじ+画:北見けんいちのコンビで「日本一短い母への手紙」が4集中連載に。さすがにベテラン作家だけあって手堅く、ちょっと良いお話を展開してます。また作:横山秀夫+画:高岩ヨシヒロの警察モノ「深追い」もスタート。こちらも小説を漫画化した作品。

【雑誌】コミック三国志マガジン 天下三分計号 B5平

 2号めだけど、今回もまた微妙な出来。今号の目玉は巻頭の島崎譲「関羽、出陣!」という漫画なのだが、うーん、いまいち「三国志」的な面白さじゃないんだよね。もう少し正統派な三国志漫画があったほうが普通に面白いと思うんだけど……。

【雑誌】快楽天 5月号 ワニマガジン B5中

 鳴子ハナハルは、表紙と巻末のイラスト、それから巻中カラー4P「ふたり」が掲載。そのいずれも、表紙に出てくるそばかす顔の、タンクトップ姿な金髪娘さんが主役。乳がたいへんボリューム感があって表情も色っぽい。この人は本当に端整かつエロい絵を描くようになりましたなあ。ただページ数が少なめなのは惜しい。ポン貴花田「人でなしの恋」。Sな教え子の男子に肉奴隷にされてしまった家庭教師のおねえさんのお話。安定感のある作風でエロもきっちりこなしている。けっこう好き。

 かるま龍狼「駅前巨系教室」はくだらなくて楽しい。巨乳、巨尻、巨唇など、いろいろな巨な部分を持つ講師たちがエロエロ英会話授業をしてくれるというお話。ギャグとエロをきっちり両立していてうまい。島本晴海「はれ☆ゆき」は、主人公・岡島と、晴・雪姉妹の三角関係がさらに強まり中。桃姫でやってる「ちゅ〜ぺっと」もいいけど、こっちもなかなか。北河トウタ「Honey Darling」は、好きだった子にフラれて女性不信になっていた男が、初彼女になってくれた娘にツラくアタってしまうが、紆余曲折ののちに自分の本当の気持ちに気づく。彼女サンはちょっと都合が良すぎではあるけれど、かわいいしエロくもある。「都合の良い人」って素晴らしいよね。理想です。

【雑誌】COMICパピポ 5月号 フランス書院 B5中

 後藤晶「お嬢様とボク」が最終回。借金のカタに売られた小太郎が、幼なじみのお嬢さまに買われて下僕として仕えることになるが、彼女を自分のぺースに巻き込んでラブラブ状態に。ツンデレという奴ですなあ。甘ったるいお話に仕上がってて良かったです。赤銅茉莉「彼女と彼の共通点」もツンデレ路線。めがねっ娘委員長の女の子と、その手下的男子のラブラブH話。委員長さんがぷにぷにした感じでかわいうございました。うろたん「Newmanoid CAM」は珍しく2号連続で掲載。萌え系の絵柄ながら、けっこう密度の濃い多人数エロを描く人でけっこう気に入ってます。このシリーズは実用性も高い。連載ぺースがすごく遅いのが難だけど、6月下旬についに単行本化。D.P「ポコしっかりしなさい」。たぬき娘のポコちゃんがプリチー。美少女形態と子供形態の2種類があるが子供形態がやっぱいいですな。子供形態時はエロくはないけど。

(20050401追記)RIKIの新連載「ラブ♥ラブポンチ」は、女の子がウーパールーパーみたいな謎の生き物を拾ってきて飼い始める……という4コマ。4コマだとコマが小さいからRIKIらしい味が出るかな?と最初は思ったが、4コマでやっぱりRIKIのハジけるバカっぽい作風は健在でした。期待大。

【雑誌】キャンドール 5/12 Vol.16 実業之日本社 B5中

 中田ゆみの新連載「女神さまの言うとおり[女神さまがいっぱい]」がスタート。ド田舎の村にやってきた新任教師の男性が、村の女性たちみんなにエロいことをされるという風変わりな風習によって迎えられるが……というでだし。エッチ系の和風ファンタジーって感じでしょうか。中田ゆみの作画は相変わらず柔らかくて甘味たっぷり。


3/28(月)……虚無僧屋の冒険

▼アニメ最終回をいろいろ。

▼まずは「ファンタジックチルドレン」[Amzn:(1)/(2)/(3)]。いやー面白かったです。序盤はゆったりしたペースでお話を進めて、中盤から後半にかけてスケールの大きな物語の全貌が見えてくるにつれて、加速度的にグングン盛り上がっていった。もともと期待していた作品だったがこれほどまで面白くなるとは。とくに物語のすべての謎が解き明かされるクライマックス、第24話「トーマの真実」のテンションの高さは必見。しっかりと構築された壮大な物語の力で真剣勝負してきた良作だった。作画やアクションも安定したクオリティを維持。何か小手先の技でごまかそうでするでなしに、物語をガチンコで見せてやろうという意気込みを感じさせてくれて、とても見応えがあったし見終わったあとも清々しい気分になれた。2004年4月〜2005年3月の通年で見ても、5本の指に入ってくるであろう逸品。

▼「月詠−Moon Phase−」[Amzn:初回限定版(1)/(2)/(3) 通常版(1)/(2)/(3)/(4)]。こちらも予想外の大健闘。目にも耳にも楽しいOP「Neko Mimi Mode」だけでなく、本編のほうもとても気の利いた作り。とくに映像作りのセンスは特筆モノ。家屋をドリフ的に横断面図で描く独特の構成や、毎回ちょこっとずつパターンが変わるOP映像、タイトルバック、アイキャッチ、「つづく」画面など、さまざまなところに小粋な工夫を利かせて目を楽しませてくれた。作画に関しては、アクションシーンに入ると途端にマンパワー不足を感じさせる状態になってしまったのは残念なところだけど、絵作りである程度はカバー。好調時の作画は素晴らしかった。とても愛敬のあるユニークな作品だったと思います。

▼「UG☆アルティメットガール」[Amzn:(1)/(2)]最終回。これもなかなか楽しめた。キャラのキュートさとお気楽なノリ、ちょいとHな演出も物語にハマっていたし。あと良かったのが、オタネタを各所にまぶしながらも、それが押しつけがましくならなかった点。「ほら反応しろ」って感じで出されると、オタク的には引きますからなあ。自分がチェックした2005年1月スタート作品の中では、実はこれが一番良かった。ていうかほかが不作だったんだけど……。あ、あと30分のBパートとしてセット放映されていた、同じくm.o.e.の変身三部作も何気にけっこう楽しく見てました。全話放映されたのは「LOVE♥LOVE?」だけだったけど、「ヒットをねらえ!」は続きもちょっと見てみようかなと思った。

▼「ケロロ軍曹」[Amzn:(1)/(2)/(3)/(4)/(5)/(6)/(7)/(8)/(9)/(10)]。1年め分のラストはケロロたちが地球とお別れ……というエピソード。2年めがあるということは分かっていたのにホロッとさせられた。放映開始当初こそ、アニメ版はギャグの見せ方が野暮かなあという気はしたのだけど、登場キャラが増えるに従ってテンポが良くなり、高値安定状態に突入。隙のない作りで1年間すいすい乗り切り、2年めに突入した。商業的にも好調なようで何より。ただ個人的にアニメ版でちょっと気になっているのが、ギロロとドロロをいじりすぎかなあという点。とくにドロロの「存在感がなく忘れられがち」という特徴はも少しサラッと流したほうが良いかも。いや、別にそれが面白くないというわけじゃないんだけど、おこさまがああいうのをマネして「あいつは存在感ないからシカト〜」みたいなことやりだしたらイヤだなあとか思って。考えすぎですかね。

【雑誌】ヤングキング 4/18 No.8 少年画報社 B5中

 佐野タカシ「イケてる2人」。今回もしっかりラブコメしてて良かった。最近のラブコメ展開の主役は瀬波真。意地らしくて良いキャラです。一色登希彦「モーティヴ −原動機−」は安定して面白い。今回は坪井の職場の後輩女子・綿貫さんが良かった。けっこうカワイイ。

【雑誌】ヤングマガジン 4/11 No.17 講談社 B5中

 平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」。今回はケンヂのサイテーっぷりが冴え渡る。というか最近ではゲンさんよりもケンヂのほうがヒドいよなあ。押切蓮介「でろでろ」。耳雄のクラスメートの相原さんが良い。この人の描く女の子はなんだか萌える。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 4/11 No.17 小学館 B5中

 作:雁屋哲+画:花咲アキラ「美味しんぼ」。周囲の人間がケンカして面倒を持ち込んで来て、山岡がついにブチ切れ。というか今までキレなかったのが不思議だと思う。相当ムチャいわれてるもんなあ。まあどうせ食べ物で機嫌は直るでしょうが。小田扉「団地ともお」。作中に出てきた、台所内の無機物たちが主役の童話、「仲間に入れて」が面白かった。無機物なのに妙にドラマチック。モノ扱いされるモノたちの哀しみを描いたビターな作品です。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 4/11 No.17 集英社 B5平

 作:ほったゆみ+画:河野慶「ユート」。ユートと吾川がスピードスケートの練習場探しで奔走。スケートができるかもしれないと思ってワクワクするユートは、まるで散歩に連れてってやるといわれた子犬のようでカワイイ。天野明「家庭教師ヒットマンREBORN!」。ツナと京子ちゃんの動物園デート(本当はデートってわけじゃないけど)。いいねえ青春してて。郷田こうやの読切「ふるさとさん」は、故郷を出て東京の学校へ転校することになった少年が、実はかつて博士だったじいちゃんに、「ふるさとを思い出させるため生み出されしロボット」を押しつけられて迷惑するというドタバタギャグ。大笑いするというほどではないけど、作画的にもギャグ的にもそれなりのレベル。もう一つ過剰なものがあると良いんだけど。

【雑誌】フラワーズ 5月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon

 日下直子の読切「花咲く時まで」。バドミントン部の仲良し女の子3人組のうち、一人だけスポーツ推薦の声がかかり、それがきっかけで友情にヒビが入りかけるが……というお話。女の子同士の友情物語を爽やかに描いていて悪くない感触。お話的にはちょっと終わり方が中途半端な気もしますが。コダマユキ「白い花の刺繍」は、アジア方面の下町を舞台にした恋物語。宇仁田ゆみっぽいタッチで爽やかな恋愛モノを仕上げている。きっちりした作りでなかなか読ませます。江平洋巳「バウンド」後編。この人がサッカー漫画を描くというのはちょっと意外だったけど、まとまってて良かった。作者はけっこうサッカー好きそう。もっと鳥瞰的な視点もあるとプレーが分かりやすかっただろうなとは思うけど、少年的なスポーツ漫画ってわけでもないし、そこは仕方ないところか。

【雑誌】コーラス 5月号 集英社 B5平

 松田奈緒子「レタスバーガープリーズ,OK,OK!」が最終回。ありゃ? 稲造の初恋の回想で終わっちゃった……。それはそれでいいのかもしれないけど、やっぱり現在の話をじっくり見せて終わらせてほしかったと思う。よしまさこ「うてなの結婚+」は軽妙で面白い。あのんさんってマトモそうに見えるけど、意外に天然のヘンな人なんだなあ。なんか能天気で楽しかった。甘夏堂の読切「桜びーだまチョコレート」はゆったりした雰囲気で読後感良好。小さな温泉街の和菓子屋に居候にやってきた美術講師のにいちゃんが、いきなりその家の娘(高校生)の婚約者になれといわれて……というところから物語は始まる。娘さんのほうは彼を慕うものの、急展開ににいちゃんはとまどうばかり。勝田文によく似た、のほほんとしたノリが楽しくてラブコメとしても上々の出来だと思います。

【雑誌】メロディ 5月号 白泉社 B5平

 なんか困った状態になっているな……。まず巻頭でやまざき貴子「ZERO・XI」の最終話が掲載。なのだが、これが150ページくらいある。ボリューム感があるのは良いのだが、さすがに単行本1冊分くらいの量が一挙に掲載されると、雑誌っぽさが薄れちゃってなんだかなという気がする。それから作:岡野玲子+画:夢枕獏「陰陽師」もついに完結。こちらは雑誌読みで内容を追えなくなって久しいので、単行本になったときにまとめ読み。そして今号には、高橋しん「トムソーヤ」の2話めが掲載されている。前回の掲載は1月号。これがどうにも読めない。絵の一つ一つはいいんだけど、画面がゴチャゴチャしているし、お話のほうも軸をどこに置いているのかつかみづらい。「きみのカケラ」もそうだったけど、最近の高橋しんはどうもうまくない状態。

 なんか疲れる作品が多いので、読みやすくて手堅い魔夜峰央「パタリロ源氏物語!」のうまさが際立ちます。それにしても「パタリロ西遊記!」のアニメ化が決定したのに、表紙での扱いは小さいなあ。6月からキッズステーションで放映とのこと。

【雑誌】阿ウン 5月号 ヒット出版社 B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 前号はお休みだった師走の翁「シャイニング娘。 IV来襲」は連載再開で、今回は46ページ。今回もしっかりエロやってエンターテインメントしている。そろそろ最終局面な感じになってきました。高岡基文「BABY-SHIT」。幼稚園だか保育所の子供が巨乳の美佳先生をエロエロ調教しているというお話。巨乳っぷりは相変わらず好ましい。まあ個人的には子供がここまでエロ鬼畜化するのって、やっぱちょっとなさげな気がするので、この手のジャンルはピンと来なかったりするところもあるんだけど。


3/27(日)……猿ちん蛮行

24日の日記で触れた東北楽天ゴールデンイーグルスのインターネットライブ中継視聴権だけど、ミスタイプによりちゃんとリンク張れてませんでした。これだからタグ手打ち野郎は。あ、あの後5件めが売れてる……。

OHP月極アンケート3月分「オトメチックな漫画」の締切は31日一杯です。けっこう難しいテーマだったんだなあなどと思ったりはしましたが、まあ気が向いて思いついたりしたらぜひボコッと投票しちゃってくださいませ。

【単行本】「死んだ目をした少年」 古泉智浩 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]

 面白いです。クラスの中でもちょっとイジメられ気味な位置にいるやる気のない男子中学生・犬田、そしてなんとなく彼と一緒にいることの多いデブの数宮らの平凡な日々を、つぶさに描いていく中学生マンガ。古泉智浩は童貞の生臭さを描くのが抜群にうまいが、この作品ではその臭いがぷんぷん漂っている。犬田と数宮はクラスのイキがったヤツらにイジメられていたが、公園にいたお姉さんにボクシングを教えてもらって、ちょっとだけ強くなる。でもだからといって勇ましい感じは全然しなくて、単純にイジメっ子のほうも実は情けなかったという感じしかしないあたりがいい。犬田たちが強くなっているようには全然見えないし。なんか出てくるキャラのやってることがみんなレベル低めでホッと安心できる。かといって別にネガティヴというわけでもなく、いやったらしさはない。淡々と生ぬるい日常を生ぬるく描き続けているのが、しみじみ良いなあと思うのです。

【単行本】「DearS」7巻 PEACH-PIT メディアワークス B6 [bk1][Amzn]

 ミウが武哉に対する自分の想いを強く意識するようになってからのラブコメ展開がなかなか楽しい。あとお話的には、レンが飼い始めた子兎のエピソードを通じて、人間とDearSの死生観やら、別の生命体との共同生活する難しさみたいなのを浮き彫りにしていくエピソードもなかなか。個人的なお気に入りキャラはミウとねね子。世話焼き娘なねね子ちゃんがもっと報われると良いなあと思います。

【雑誌】BJ魂 5/1 No.22 集英社 B5中

 尾玉なみえの新作「サルっ子ペペ」が掲載。南海の孤島に住んでいるためあまり人には知られていないが実は高い知能を持つサルのペペと、サルの研究のために島にやってきた母子の三者による掛け合いギャグ。とくにあくまでペペの高い知能を認めず、サルはサルなんだよ大人しくしてなー、って感じで扱う研究者の母の歪みっぷりが見てて面白い。他愛ないけどけっこう面白かった。作:森枝卓士+画:七瀬あゆみ「食べたいのはキミ」。大学生のころ好きだった友達の元カノが主人公の部屋を訪ねてきて、主人公は彼女のために一生懸命料理を作る。わりと普通に料理+ラブコメだが、ラストで本当に「今夜は私を食べて」と、あまりにもベタすぎることをやってて脱力した。こういう下らなさは嫌いじゃないけどね……。

【雑誌】クッキー 5月号 集英社 B5平

 何号か続けて買っているが、看板の矢沢あい「NANA」はまだぺースをつかめていない感じなので、ちょっと単行本まとめ読みしてみようかなー。東村アキコ「きせかえユカちゃん」は毎度楽しく読めています。それまでのいきさつは知らなくてもなんとかなる。絵的にもすんなり入っていきやすいタイプだし。志村志保子のショート2本立て「女の子の食卓」はきれいに作ってあるけど、もう少しボリューム感は欲しかったかな。


3/26(土)……桜色新芽取り

▼日曜朝放送分の話ですが、アニメ「レジェンズ〜甦る竜王伝説〜」[Amzn:(1)/(2)/(3)/(4)/(5)/(6)/(7)]が最終回。終盤ちょっとよじれた展開になってどうなるかと思ったけど、ラストはきれいに物語を畳んでくれて良い終わり方でした。序盤のお気楽ギャグテイストから中盤終盤は一気にシリアス展開に突入、しかし作品の端々に埋め込まれたユーモアは最後まで健在で、1年間面白く見ることができた。

▼この作品で絶品だったのがキャラクターメイキング。主人公のシュウとメグ、マック、ディーノの4人組、シロンをはじめとしたレジェンズたち、ハルカ先生やBBとその子分二人、G・W・ニコル、炎のサーガ・エドなどなど……あー、どんどん名前が出てくるな。みな愛敬があって見てて本当に楽しかった。この1年で見たアニメの中で、キャラクターは一番のお気に入り。それだけに愛着があって、これでお別れかと思うと名残り惜しくて泣けてきた。印象深い話は多いけど、中でも11話「寿司食って究極ってイェイイェイ!」、24話「ウヒョホできたよタリスダム」、終盤では第43話「もう、どーにも止まらない!」あたりが良かった。またギャグについては、第3話「カニに襲われアワくった」、第44話「一方その頃 俺たちの旅」がツボ。1話、最終話もしみじみ良かった。あ、あと口ずさむのが非常に難しい「レジェンズクラブの歌」(→歌詞)もインパクトあり。いろいろ一切合切含めて大好きな作品だった。お疲れさまでした!

【雑誌】少年エース 5月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社

 まりお金田「GIRLSブラボー」が最終回。ドタバタとこの作品らしい締めくくりでめでたしめでたし。あと海瀬壮祐「グレネーダー」も連載終了。こちらもラストは爽やか。読切、清原紘「桜色シンメトリー」は描線の細い丁寧な華のある画風がパッと目を惹く。お話は死んだはずのお姉ちゃんの霊が妹の前に出没し、実は妹LOVEだったお姉ちゃんが憑依能力を使ってとんでもないことをしでかしていく……というドタバタコメディ。絵が達者だし楽しく描けていて、ルーキーとしてはなかなかの実力。そのうち連載とかもあるんじゃないでしょうか。作:滝本竜彦+画:大岩ケンヂ「NHKにようこそ!」が巻頭カラーでなかなか好調。煮詰まった佐藤と山崎がヤケクソで思いきった行動に。とくに山崎の蛮行はもったいないおばけが100匹くらい湧いてきそう。作:F&C・FC01+画:児玉樹「Canvas2」。主人公・浩樹の同級生だった霧が、教師として赴任してくる。いやはやラブコメしてて良いですな。

【雑誌】ガンダムエース 5月号 角川書店 B5 [定期購読:出版社

 安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」は、ダイクン家の兄弟がテキサスへ移住したあたりのお話。なるほどシャア・アズナブルっていうのはそういうとこから来たのか〜というエピソード。あとガンダムエース系の出版物で、「安彦良和対談集」「教えて下さい。富野です」と、対談集2冊が5月26日に発売予定とのこと。

【雑誌】コミックガム 5月号 ワニブックス B5平 B5平 [定期購読:7andyicon

 宗我部としのり「あまえないでよっ!!」はみんなで合気道編。いつもながらしっかりお色気サービス満載。むちむちですなあ。塩野干支郎次「EXSTRA EXISTENCE」は読切の前編が掲載。平凡な少年が腕になんだか超兵器を埋め込まれ、ある日出会った少女とともに人類の敵と戦う……という内容。前後編にしては設定が大きすぎな気もしないではないけど、きれいな絵柄がパッと目を惹く。イマイヒヅル「ぱりあんの園」。「ちょっぴりH?なガールズラブ連載」というキャッチどおりの展開。今回は新任のシスターが柔道娘ぼたんんいメロメロになってしまうというお話。華やかかつ賑やかな煩悩モリモリのドタバタコメディに仕上がってて見てて楽しいです。見田竜介「改造少女 柚」と永井朋裕「天使なんてッ!?」は最終回でした。

【雑誌】電撃コミックガオ! 5月号 メディアワークス/角川書店 B5平

 今号はアキバ特集があり。むっく、Q-Gakuほかが漫画を描いたりしている。まあ職場がアキバのすぐそばにあってちょくちょく通っている人間からすると、最近アキバは普通の飲食店が増えたし、PCパーツ屋もどんどんつぶれ、オタクショップ系のアイテムもネット通販でたいてい買えるようになり、「アキバアキバ」いわれるわりに街全体の濃度は薄まり気味かなあという気はしてるんですが。

 濱元隆輔「アルティメットガール」。アニメのほうはもうすぐおしまいだけど、漫画のほうはまだヴィヴィアン初出撃のあたり。こちらはこちらで騒々しくてかわいくて楽しい。かんの糖子「奥さまは魔法少女」(原作:J.C.STAFF・錦織博・池口和彦)は4話め。普段から人妻人妻いうてる私だけに、やっぱり良いなあと思ってしまいます。夏からのアニメもわりと楽しみ。

【雑誌】COMIC夢雅 5月号 オークラ出版 B5平

 舞登志郎「妹ティッシュ」。やっぱりこの人は妹モノが良いですねえ。今回はお兄ちゃんのおなにーティッシュを見て悶々としていた妹ちゃんが、我慢できなくなってお兄ちゃんのお部屋におじゃまするというお話。ぶかぶかパジャマなど、さすがツボを押さえている。最新単行本が5月下旬に発売されるとのこと。


3/25(金)……適温な敵おんな

▼未読物
【単行本】「真夜中の水戸黄門」1巻 しりあがり寿 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「ウルトラヘヴン」2巻 小池桂一 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]
▼26日売り
【単行本】「DearS」7巻 PEACH-PIT メディアワークス B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「探偵儀式」2巻 作:清涼院流水+原案・脚本:大塚英志+画:箸井地図 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
【雑誌】コミックガム 5月号 ワニブックス B5平 B5平 [定期購読:7andyicon
【雑誌】電撃コミックガオ! 5月号 メディアワークス/角川書店 B5平
【雑誌】COMIC夢雅 5月号 オークラ出版 B5平
▼30日売り
【雑誌】コミックバーズ 5月号 幻冬舎コミックス B5平 [定期購読:出版社

【雑誌】アフタヌーン 5月号 講談社 B5平

 前田真宏による漫画版「巌窟王」がスタート。アニメ版[Amzn:(1)/(2)/(3)/(4)/(5)]の監督である前田真宏じきじきの漫画化だけあって期待度は高い。アニメ版とはまたちょっと違った柔らかいタッチの作画は雰囲気があっていい。アルベールくんはやはり萌えキャラですな。そしてモンテ・クリスト伯はアダルトな魅力を湛えていて、抱かれたいキャラNo.1という感じ。また今号からふくしま政美の新連載も開始。タイトルは「超市民F」(原作:坂本六有)。「F」は鏡映しとなっていて「ヨ」の一番下の線をとったような字。内容としては筋骨隆々とした全身劇画家の川口市民F先生の、ムチャクチャな活躍を描いていくというもの。登場シーンからして上半身裸で爆走してるしやたらと濃い。相変わらず凄い迫力です。でも思ったよりお話としては、破天荒ながらまとまってる気も。なおふくしま政美と坂本六有のコンビは4月28日発売の週刊漫画TIMESでも新連載「エド☆デカ」をおっ始めるとのこと。

 とよ田みのる「ラブロマ」。新キャラ佐伯さん登場。委員長ヅラをしてて、いつもは目立たないけど、実は美人なクラスメート。なかなか良い感じの女の子ではないですか。沙村広明「無限の住人」。延々と続く人体実験で生み出されたものが凜たちの眼前にさらされて凄惨な展開。こういうの描かせると沙村広明はやっぱ大したもんですなあ。なんかすごく嬉しそうに描いている感じがする。高橋ツトム「爆音列島」。タカシがけっこう暴走族らしくなってる。わりとヘタレキャラなのかと思っていたんだけど。

【雑誌】月刊IKKI 5月号 小学館 B5平

 東澄子「ドラマの神様」が連載開始。テレビドラマが大好きな女の子が、脚本家目指して頑張るという感じのお話。佐々木倫子のお弟子さんか何かかな。表情のつけ方とか感情表現に影響が見られる。カサハラテツロー「ライドバック」はお話がかなり盛り上がってきてテンションが高い。カサハラテツローの絵の迫力も際立つ。続きも気になります。

【雑誌】ヤングアニマル 4/8 No.7 白泉社 B5中

 甘詰留太「もてね!?」が最終回。わりとあっさり、でもベタベタに甘く締めくくり。もう1話くらい余韻が欲しかったような気もするけどめでたしめでたしでまあ良かった。えりちん「みたむらくん」。編集部にめがねっ娘のバイトが。男臭がちょっとだけ軽減されるか。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 4/8 No.8 小学館 B5中

 もりやまつる「笑門−WARAKADO−」は最終回。最後までぎゅぎゅっと暑苦しかった。暑苦しいといえば作:秋月戸市+画:吉本浩二「こまねずみ出世道」の、常次朗の部下・奥野くんも毎度すごい。すぐ調子に乗る図々しさが良いです。ところでこの雑誌で吉田戦車がやってる映画評連載は面白いと思う。文章も挿絵も一人で味のあるものを出してこれるところが強い。今回は「鉄人28号」をレビュー。川原亜矢子のことを「理想の敵おんな」と書いていたけど「敵おんな」ってなかなかいい言葉だなと思った。「おんな」がひらがななのが良いです。

【雑誌】ビッグコミック 4/10 No.7 小学館 B5中

 作:鍋島雅治+画:はしもとみつお「築地魚河岸三代目」。幻のカレイ、マツカワの養殖をやっているのはチョウザメやってるところと同じなんだなあ。マツカワは美味しそうなのでぜひ一度食ってみたいところ。この漫画がきっかけで知名度が上がるといいですな。柴門ふみ「小早川信木の恋」。嫉妬深くヒステリックな小早川の妻・妙子が浮気をしてドロドロに。でもカナに心惹かれている小早川にとっては、やっと都合の良い展開になってきた。やっぱしっかり読ませますなあ。うまい。

【雑誌】コミックバンチ 4/8 No.17 新潮社 B5中

 坂本タクマ「屈辱er大河原上」。大河原上が、酔っ払ったマネージャーの女性を介抱しているところを写真に撮られ、なんかそこからトントン拍子でお話が。案外お似合いのような気もいたしますが。

【単行本】「あまえないでよっ!!」3巻 宗我部としのり(原作協力:ボヘミアンK) ワニブックス A5 [bk1][Amzn]

 相変わらず宗我部としのりの描く女の子はかわいいなあ。むちむちぷりぷりしているのに、明るくフレッシュな絵柄なので全体的には色っぽいのに爽やかな印象を残してくれる。なんというかお得感みたいなものがある絵柄だと思う。パンチラや胸とかがポロリするシーンを見ても、ホクホクした感じになるし。ストーリー面は若干弱いような気はするけどまあいいや、という気になる。それだけ目に美味しいというか。なお7月からAT-Xでアニメ化されるらしいけど、これはも少し原作がたまってからでも良かったのでは。

【単行本】「ガールフレンド」2巻 作:外薗昌也+画:別天荒人 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 セックスはしても恋人同士ではないという微妙な関係を、甘くちょっと切なく描いていくオムニバスシリーズ。まあまれに恋人同士な場合もありますが。自分は恋愛モノにはわりと点が甘いほうだというのもあるけど、これは毎回おおむね面白く読んでいる。ちょっぴりエッチっぽく、甘いトキメキもあっていいんじゃないですかね。ちょっと微妙な関係なので、イチャイチャ一辺倒にならず、かといって片想い状態で焦らされまくるというわけでもなく、ほどよく獲得感がある。その力加減がいい塩梅。


3/24(木)……喪、お粗末記

▼未読物
【単行本】「死んだ目をした少年」 古泉智浩 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「アガペ 〜犯罪交渉人 一乗はるか〜」2巻 作:鹿島潤+画:石黒正数 メディファクトリー B6 [bk1][Amzn]
▼25日売り
【雑誌】月刊IKKI 5月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon
【雑誌】アフタヌーン 5月号 講談社 B5平
【雑誌】ヤングアニマル 4/8 No.7 白泉社 B5中
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 4/8 No.8 小学館 B5中
【雑誌】ビッグコミック 4/10 No.7 小学館 B5中
【雑誌】コミックバンチ 4/8 No.17 新潮社 B5中
▼26日売り
【雑誌】少年エース 5月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社
【雑誌】ガンダムエース 5月号 角川書店 B5 [定期購読:出版社

【雑誌】モーニング 4/7 No.17 講談社 B5中

 惣領冬実「チェーザレ」の新連載は、タイトルどおり15世紀のイタリアを舞台に、チェーザレ・ボルジアの生涯を描いていくという内容。物語はまずアンジェロ・ダ・カノッサという、ピサのサピエンツァ大学に入ったばかりの青年の視点で語られていく。ルネッサンス期のイタリアに興味のある人にとってはけっこう面白そう。小林きぬえの読切「とべない金魚」は、2/17 No.10以来の登場(感想:20050203日記)。スポーツクラブで水泳のインストラクターをやっている元気いっぱいなおねえちゃんの奮戦記。キャラクターの表情がイキイキしてて、爽やかな印象。

【雑誌】ヤングサンデー 4/7 No.17 小学館 B5中

 うめざわしゅんの集中新連載「妄想末期少女」がスタート。ヤングジャンプで村上龍原作の「69」とかを描いてた梅沢俊一が改名したのかな? 引っ込み思案だった少女が、大好きな先生とのつながりをたもつべくついた嘘が一人歩きして、世間を騒がす大変な事態になり彼女はそれに押しつぶされていく……といったお話。作画は佐藤秀峰+奥浩哉みたいな雰囲気でなかなか達者だが、息苦しいお話ということもあり、パッと引きつけられるかというと微妙なとこか。

【雑誌】ヤングジャンプ 4/7 No.17 集英社 B5中

 プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの実録漫画連載、作:会津泰成+画:飯星シンヤ「ルーキー野球団 東北楽天ゴールデンイーグルス物語」が開始。ちなみに東北楽天のインターネットライブ中継の視聴権は楽天フリマにて10万円でゲットできるぞ! 3月3日から募集が開始され(500名限定)、現在4個も売れた話題の商品だ。作:外薗昌也+画:別天荒人「ガールフレンド」は、姉弟モノの後編。切ない味付けでラブストーリー色濃厚でええんじゃないですかね。お姉ちゃんけっこうかわいいし。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 4/7 No.17 秋田書店 B5平

 水島新司「ドカベンスーパースターズ編」。スーパースターズが楽天と対戦し、一球さんが登場。でもお話のほうは「岩鬼がど真ん中を打てるようになったか」という、もうどうでもいいじゃんな問題で終始した。やぎさわ景一「ロボこみ」。委員長が福引きで温泉ペア宿泊券を当てて、石上くんを誘おうとするも……というお話。委員長意外と大胆なことを考えますなあ。委員長がらみの話はラブコメしててけっこう好き。

【雑誌】LaLa 5月号 白泉社 B5平

 津田雅美「彼氏彼女の事情」がいよいよ最終回、の1話前。結局カウントダウンが始まってから大きな波乱はありませんでしたな。あと森生まさみ「おまけの小林クン」も最終章に突入してます。時計野はり「お兄ちゃんと一緒」。桜の中学校卒業式と、お父さん話の決着。今回も桜はちっちゃくてかわいかった。高校生編は7月号からスタート。なお今号にはひかわきょうこ「お伽もよう綾にしき」の60ページ別冊漫画が付属。このまま小冊子形式のシリーズになっていくんすかね。

【単行本】「もっけ」4巻 熊倉隆敏 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 丁寧な作品作りでこの巻も面白い。妖怪や化物をただ奇異として描くのではなく、しっかり日常に根付いた形で描いているのが良い。女の子ももちろんカワイイけど、それだけじゃない実力派な作品だと思います。

【単行本】「ジャイアント」9巻 山田芳裕 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。ワールド・シリーズにおいて、ジャイvs.三島の最終決戦が実現。重さ1.8kgの特注バットをひっさげたジャイと、メジャー記録を塗り替えるような激投を続ける三島の対決はまさに迫力満点。最後までガッツンガッツンの力と力のぶつかり合いを描いた豪快な野球漫画となっていて面白かった。またボールが爆発してぶっとんでいったり、画面の端から端までを使ってバットを描いたり、大胆すぎるほど大胆な構図どりにも興奮させられた。漫画だからこそできる誇張がバリバリ。正統派でありながら、ぶっとんでもいた。良い作品でした。


3/23(水)……古代事務機

▼アニメ「ジンキ・エクステンド」[Amzn:(1)]最終回。うおー、これはすげえ。あまりのダメダメっぷりに感動さえした。二つの時系列をごちゃごちゃにした構成がまずむちゃくちゃ分かりにくく、途中までどっちが今の話なんだか昔の話なんだかよく分からなかった。というか原作漫画を読んでなかったので、そもそも時系列が二つであることさえ最初は理解できず、別の場所で起きている二つの出来事を並行して描いているのかと思ってしまった。さらに一つ一つのエピソードにタメがなく、悲劇的っぽいことを描いても全然説得力がない。そのため出てくるキャラクターに一人として感情移入できずじまい。まったく迫力のない戦闘シーン、脈絡もなく出てくる最終兵器、うやむやのうちにつく決着、不明瞭な人間関係など、アラばかりが目立つ結果となった。意味深で思わせぶりなセリフを並べて、肝腎なことをぼやかしておけば高級感が出るとでも思ってるのかなあ……などと感じた。でも最後の2話はダメダメっぷりが突き抜けていて、爆笑しながら見た。しかし作画は良かった。キャラクターデザインはキュートだし、クオリティも安定していた。そのおかげでつい最後まで切らずに見てしまったが、もう少しなんとかならなかったものか。作画が良かっただけに惜しい。

【雑誌】近代麻雀ゴールド 5月号 竹書房 B5中

 うひょー、今号もクレイジー。まず巻頭の新連載、作:海斗勇輝+画:松橋犬輔「狂い咲き麻雀道」は、最初はよくある「ちょっと麻雀の強い兄ちゃんが鼻っ柱を折られ、麻雀道を極めるべく邁進していく」ってな作品かと思ったら、実は雀鬼流のお話でした……。恐るべし。そしてもう一つの新連載、作:黒木真生+画:武喜仁「Dの限界」は、IQ180を誇るクールな男のデジタル麻雀道を描いていくという感じのお話。なんか主人公がかなり「デスノート」のライトっぽいんですけど……。この人がパチスロをやり終わった後、1ページぶち抜きのコマで「永遠に疲れない視神経と眼筋が俺にあればな……」とか考えているシーンはつい噴き出してしまった。そんなものより巨万の富とかのほうがなんぼか手に入れやすいぞ、たぶん。

 そして、ちばゆうこ「鬼ごっこ」だ。今回はちばゆうこ&村瀬さんの新婚旅行with雀鬼とゆかいな仲間たちの回。ごく当り前のようにちばゆうこが「飛行機怖いから一緒に来て〜」と、雀鬼龍というドラゴンに電話かけてるシーンとかあって頭がクラクラしました。そんなヘンな動物を国外に持ち出しちゃいけませんよ。作:安田潤司+画:中村毅士「牌の音」は、雀鬼サマの一番弟子である山田さんの最後のコマにおける表情が素敵。たまったものを出したかのようなスッキリした表情に、いつもながらなんともいえないマイルドな気持ちになりました。あと桑沢アツオ「手相雀王ミスター大吉」。今回は大吉が麻雀王決定戦に出場している雀士たちの闘牌っぷりを見ながら、手相と雀風の関連性について想いを馳せているだけ! どうでも良い対局内容やまったく歯ごたえの展開にあ然。桑沢先生の大ざっぱぶりはやっぱり突き抜けている。素晴らしい。

【雑誌】スーパージャンプ 4/13 No.8 集英社 B5中

 作:愛英史+画:里見桂「ゼロ」。今回はけっこう笑っちゃった。「太陽王ルイ14世のバゲット」というサブタイトルで、凄腕のフランスパン職人でもある副社長を、社長さんが殺しちゃうんだけど、現場にあったバゲットがあまりにうまそうだったんで社長さんはそれをもりもり食ってしまう。「うまいうまい」と長さ68cmもあるバゲットを1本まるまる食ったり、バゲットの味を思い出してよだれを垂らしている社長さんがかなり間抜けている。「ゼロ」はときどきヘンな話があるので油断がならない。あと小谷憲一「DESIRE」もヘンだった。今回は主人公の人が、ペットショップで身長20センチくらいの妖精少女を買ってくるなんて話をやっている。えんえん寿司を握り続けている早川光+橋本狐蔵「江戸前鮨職人 きららの仕事」とか、何気にスーパージャンプはヘンな漫画が多いと思う。

【雑誌】週刊少年サンデー 4/6 No.17 小学館 B5平

 藤田和日郎「からくりサーカス」はナルミが大人げない攻撃。雑魚っぽい敵相手に見開き三連発の大盤振る舞いを見せる。ダイナミックな画面の使い方がカッコ良いです。もう少しデカい敵用にとっといても良かったような気もするけど、難敵相手だとこんな圧倒的な戦いはできなさそうなんでここらで一発ぶちかましておくのも悪くはないか。畑健二郎「ハヤテのごとく!」は「ムシキング」の話がそのものズバリで出てきた。セガの賛同を得てとのこと。なんか最近のサンデーは「焼きたて!!ジャぱん」で桃屋と組んだり、「MAJOR」でミズノと契約したり(→朝日新聞記事)、タイアップづいてる感じ。

【雑誌】週刊少年マガジン 4/6 No.17 講談社 B5平

 森川ジョージ「はじめの一歩」は引き続き間柴vs.沢村の闘い。逆転また逆転という感じになっていきそうですな。赤松健「魔法先生ネギま!」もなんか格闘をやってるけど、こちらはお気楽。ごちゃごちゃ楽しくて良いんじゃないでしょうか。ラブではないけどちゃんとドタバタコメディしてるし。

【雑誌】純愛果実 5月号 光彩書房 A5中

 今号はゼロの者がお休み。上乃龍也「ぜ〜んぜん、酔ってないって」は、ちょっとカワイイ男子が酒を飲んだ女の先輩にエッチなイタズラをされちゃうというお話。つやつやした絵柄と、女の子のおっとりした感じの表情がけっこういいな。巻頭カラーはつつみあかり「Nearest Dearest」。得意の姉モノをコンスタントに仕上げている。手堅い。


3/22(火)……ビーナスが砂浴び

▼コンビニ売りのエロ漫画雑誌に封印シールが貼られるようになって以来、漫画はしばらく東京都の不健全図書類指定を受けていなかったんだけど、第540回東京都青少年健全育成審議会で久々に指定(→東京都報道発表資料)。しかも雑誌ではなく単行本。指定されたのはともに久保書店ワールドコミックス・ワンダの、ちばぢろう「フラワー・バス・ガーデン」[Amzn]、第25歩兵師団「おませなビーナス」[Amzn]。それぞれ2004年2月、2004年9月に出た本なので、なんで今さら指定を受けたのかちょっと不思議。なんか投書でもあったんかな?

▼アニメ「MONSTER」[Amzn:DVD-BOX (1)/(2)/(3)]。面白いなあ……。1年半という長丁場の作品ながら、この1年間、まったく乱れることなく高いクオリティを維持し続けている。原作が強力でそれに完全に沿った展開ではあるが、作画や演出など、アニメとしての出来も抜群。隙がない。大したもんです。

【雑誌】イブニング 4/12 No.8 講談社 B5中

 安野モヨコ「さくらん」はやっぱり面白い。おいらんの華麗だが儚い生き様を、鮮やかに美しく描き出している。描写がいちいち粋で、「小股の切れ上がった」という言葉が似つかわしい。新連載、作:村迫みつひさ+画:ナガタテツオ「浪速グラディエーター」が巻頭カラー。行政がまったく関わらない、完全民営の特区として事実上日本から独立した大阪が舞台。何をするにも金次第の土地にやってきた元刑事が、何の因果か賭け格闘技に出させられることになり……という第1話。設定はユニークだけど、ちょっと前置きが長くてテンポが良くない感じがする。あと絵もちょっと野暮ったいか。

【雑誌】ヤングチャンピオン 4/12 No.8 秋田書店 B5中

 いろいろな漫画家に「ブラック・ジャック」を描かせる競作シリーズ「ブラック・ジャックALIVE」。今回はかなり凄い。なんと描いているのは「釣りバカ日誌」でおなじみ北見けんいち。なんかもうブラック・ジャックなのに、まんま釣りバカ。あまりのほのぼの感にクラクラしました。本当にいろいろ珍しいものを見せてくれるシリーズであります。

【雑誌】漫画サンデー 4/5 No.13 実業之日本社 B5中

 ロドリゲス井之助「ぴんちら」が最終回。上部組織の親分に見込まれて修行に出たドンブリが、キョロの元に帰ってきてコンビ再結成。やはり二人はコンビが似合う。かけだしヤクザ二人のドタバタ模様をコミカルに描きつつ、見せ場シーンはけっこう盛り上げ、若い衆の成長物語に仕上げていた。コンスタントに楽しめる作品でした。

【雑誌】ドルフィン 5月号 司書房 B5中

 北方国明「盗撮マンション」3話め。若奥様が盗撮で弱みを握られ、卑怯な男どもに嬲られる。ステロタイプなネタであるとはいえ、がっちりコマしててエロい。くどうひさし「ボクパイ」は、口には出さないでいたけど実は好き合っていた兄妹が……というお話ラブラブで甘く、妹さんもかわいくて良いです。


3/21(月)……金戦斧

▼コンビニに行ったらヘルシアシリーズのニューフェイス「ヘルシア烏龍茶[楽天]なるものが売っていたので、さっそく飲んでみた。ヘルシア緑茶に比べるとだいぶ味がサッパリしている、ような気がした。緑茶より飲みやすい。またしてもヒット商品になりそうな感じですな。

▼ようやく2月購入単行本の積み残しを全部読み終わった〜。ここまで積み残したままにしちゃったのは自分としては珍しい。「どいつもこいつも ワイド版」だけまだ読んでないけど、これは全部揃った時点でまとめ読みしようと思ってとってあります。

【雑誌】マガジンSPECIAL 4月号 講談社 B5平

 瀬上あきら「KAGETORA」が連載再開。マガスペでは追っかけていなかったが、この前、週刊少年マガジンのほうで短期出張連載をやっていたのですんなり入っていけた。まあストレートなラブコメなので、もともと間口は広いんだけど。こういういかにもラブコメラブコメした話は好きです。コージィ城倉「おれはキャプテン」高校編は3回め。カズマサは今度はデレック父まで自分のペースに巻き込むことに。もともといた監督はキャラが弱そうだったので、デレック父の加入はいいと思う。

【単行本】「昭和の男」2巻 入江喜和 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。先月下旬に買ってなかなか読めずにいたんだけど、もっと早く読んどきゃよかった。こりゃいいですわ。この作品は、昭和生まれの畳屋で偏屈だけど孫は溺愛している頑固ジジイ・箕浦茂雄の家に、ろくに定職にもつかないグータライケメンが転がりこんできて……という状況で繰り広げられるホームドラマ。

 で、この作品で何がいいって、ジジイのキャラ。昔気質で一度いいだしたら頑として引かない、不器用で短気で情にもろい。古き良き日本のオヤジって感じのカチンコチンぶりが見てて気持ちいいし、チャーミングにさえ映る。ジジイはグータラ男の軟弱ぶりに腹を立て、その根性をたたき直そうとしていくがのれんに腕押し。一向に悔い改めない男の行動に、ジジイは無力感を募らせていくんだけど、その様子にしんみり。他人事だといってクールに切り捨てることのできない、人の良さが心にしみる。あとセリフがいい。コンビニの前で座り込んでダベっている女子高生に対して投げかける言葉なんか熱くて、「こんなオヤジさんを悲しませちゃいけねえなあ」って気分になってくる。後半のほうはしみるシーンの連続でしみじみ泣けた。入江喜和ならではの枯れた絵柄も、地味ながら風情があってとても良い。「しっかり生きねえとなあ」という気分にさせてくれる本です。オススメ。

【単行本】「capeta」7巻 曽田正人 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 カペタがボロボロのカートを操り、自身もカートが暴れるのを押さえつけつつ走行するため負傷し、ギリギリの状況でレースを続けていく。ギチギチ主人公を追い込んで物語を盛り上げていくのは曽田正人のオハコ。レースのクライマックスは次巻以降かな。

【単行本】「ハチミツとクローバー」7巻 羽海野チカ 集英社 新書判 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 竹本くんの自分探しの旅編が終了。4月からはアニメ化(→アニメ版公式サイト)もされるけど、漫画のほうはちと長くしすぎて一番の旬の時期は過ぎちゃった感あり。自分探し編はなんか空回りしているようで個人的にはちょっとつらかった。まあ読者の願望として、この世界のキャラが、本当に恋愛的にくっついてほしいかっていうとそうでもないってところはあるんだよね。例えばはぐと森田、もしくは竹本がくっついてイチャイチャするという構図はちょっと想像しづらい。山田についても、真山にしろ、あとなんつったっけかあのキザっぽい優男、そのどちらか片方と両想い化しちゃってもそれは違うだろとか思っちゃうし。そうなるとなかなか話に区切りがつけづらそう。さてこの後はいったいどんな感じで持っていくのでしょうな〜。

【単行本】「ひろみちゃん奮戦記 高校時代」 MEE フロム出版 B6 [bk1][Amzn]

 何もかもなつかしい……。この作品はキャンディータイムでかつて連載された、新聞屋さんに住み込みしている奨学生の少女・ひろみちゃんを主人公とする青春ラブコメ。えーと正確な時期は分からないんだけど、連載時期は1990年代前半あたり。連載開始当時は、美少女漫画というジャンル自体がまだ現在のような形で成熟しておらず、エロ度は今に比べるとだいぶ低く、絵のレベルもそんなに高くなかった。そんな中で始まったこの作品は、エッチシーンは非常に少なく(1巻の段階ではヒロインのひろみちゃんはセックスさえしない)、当時としては異彩を放つくらいのかわいさで、当時の読者のハートをバクッとわしづかみにした。自分も美少女漫画を読み始めてまだ日が浅かったころだけど、この作品にはかなりやられた。当時はまだそんな言葉はなかったけど、激しく「萌え」だったのだ。

 また、そのころの美少女漫画はファンタジーっぽいものが多かったんだけど、この作品は日常感覚が強かったのも特徴。ひろみちゃんはそもそろ新聞屋さんで住み込みしながら学校に通っているだけあって、経済的には裕福じゃない。後にひろみちゃんの恋人となる山崎さんも、安アパートに住む浪人生。そういう身近な世界を舞台にしていたことも当時としては新鮮で、「こんなコが近くにいたら」なんていう憧れを駆り立ててくれたもんです。そのころの刷り込みがあるせいかもしれないけど、今見てもひろみちゃんはとてもかわいい。キュンと甘酸っぱいものがこみ上げてくる。ちょっと恥ずかしいけど、初恋の人に再会したみたいな感覚がある。自分にとっては青春の書でございます。……とかいいつつ、連載中盤以降はダレ気味だったような印象があったし、キャンディータイムは自分的にはあんまり実用に供するタイプの雑誌ではなかったので、たしか最終巻までは買わなかったと思う。なお最初の単行本は富士美出版から全4巻で出て、その後B6の愛蔵版も発行。というわけで今回のが3度めの単行本化。この巻には1〜10話が収録。続きも出るんかな?

【単行本】「ラブ・スペクタクル」 山本夜羽音 宙出版 B6 [bk1][Amzn]

【単行本】「ナイトフラッパー」 山本夜羽音 大都社 B6 [bk1][Amzn]

 短編集2冊。キャリアのある人だけにそれぞれまとまってるし、巨乳もロリもやるようになってるし、いろいろトライしているのだな〜と思う。あととくに「ナイトフラッパー」のほうは、ヒロインの属性が多彩で、幅広い好みをカバー。ただその分、全体で見ると広く浅くという印象で、薄味に感じてしまう。現在のエロ漫画の中では絵的にものすごく目立つってわけでもないので、何かもっと特徴的なものをガツンと押し出してほしいような気もする……んだけど、あんまり濃くすると掲載誌選んじゃうだろうし難しいかな。


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