2005年8月中旬


8/20(土)……精霊食った

▼AVセレクターを買い換え。これまでおうちではS入力が6系統ある、HORIの「AV SELECTOR 6S」という製品を使っていたのだが、これが最近調子悪く、CATVのセットトップボックスからの映像がどうも安定せず、ときどき映像が白黒になったりする状態が続いていた。叩けば直るんだけど、それも短時間しかもたなくなってきたんで買い換えることに。といっても、安価かつサイズがかさばらない製品で、S入力が5系統以上あるAVセレクターって探してみると意外とない。前出の「AV SELECTOR 6S」はずいぶん前に買ったものだが、安価でかつS入力×6という製品はけっこう珍しいものだった模様。HORIのWebサイトを見たところ、すでに現行商品ではないみたい。Webとかで調べてみても入力が3〜4系統のものはそれなりにあるものの、5系統以上となると3万円以上のものが多かった。

 とまあそんなわけでいろいろ検索とかかけて、結局購入したのがソニーのSB-RX200S[Amzn]。AV機器にはあんまり詳しくないので、かなり適当に選択しました。S入力が5系統(うち1系統は前面/背面をボタンで切り替える方式)。ACアダプタを使用する製品だが、リモコンで切替操作ができ、設置面積もまずまず小さい。将来的なことを考えると、D端子を装備した奴のほうが良いかもという気もしたが、テレビの買い換えはもうちょっと先になりそうなんで、とりあえずはこちらで手を打つことに。

 それにしてもこれでまたリモコンが増えてしまったので、さすがにそろそろ学習型リモコン買ったほうがいいかなあという気になってきた。とくにこのAVセレクターのリモコンはすごく無駄っぽい気がする。学習型リモコンでは、タッチスクリーン式で、PCからボタンの配置などのカスタマイズが行えるEVER GREEN EG-LR320[楽天]が前から気になっていたんだけど、評判を見る限りでは付属ソフトがあんまり使いやすくないのかな? ちょっとそのほかの機種も含めて調べてみたいと思います。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 9/5 No.17 小学館 B5中

 作:やまさき十三+画:北見けんいち「釣りバカ日誌」。浜崎がブラジルの支社に飛ばされて、アマゾン編がスタート。なんかダイナミックな展開ですなあ。福本伸行「最強伝説黒沢」。黒沢が自分を襲う不良たちの首謀者たちをこらしめる。今回は本当に最強っぽい。これを機に路上のカリスマ化していくのか? それにしても黒沢さんはどこへ向かおうとしているのでしょうなあ。まったく予想がつきません。

【雑誌】コミック電撃大王 10月号 メディアワークス/角川書店 B5平

 あずまきよひこ「よつばと!」。みうらが夏休みの自由研究で作った段ボールロボ、名付けて「ダンボー」に出会ったよつばはいろいろ大喜び。今回目立ったのはダンボーのデザイン。シンプルながらも愛敬があってとてもいい。何か作るのも中に入るのも楽しそう。作:アクアプラス+画:御形屋はるか「ToHeart2」。異性が苦手の河野くんと小牧さん、二人が手を組んで異性に慣れるための特訓をしている間に、小牧さんが河野のことをだんだん意識するようになってきて……という展開。名前で呼び合ったり、手が触れたりするだけで、お互い真っ赤になる、すごく初々しいラブコメ模様が楽しかった。

【雑誌】花とゆめ 9/5 No.18 白泉社 B5平

 樋口橘「学園アリス」。クリスマスパーティにおけるキス事件の後、蜜柑・棗・ルカの間がギクシャク。少年少女でかわいらしく三角関係。トキメキたっぷりで良いが、まだ子供だけに、あんまり恋愛部分が強くなりすぎてもなんなので、あとはほのぼのサラリと流すくらいがいいかな。まあ今回の最後のほうを見ると、そこまで引っ張ることもなさそうだけど。

【雑誌】フラミンゴR VOL.04 三和出版 A5平

 フラミンゴに駕籠真太郎が帰ってきた! というわけで今回は「抜首哀歌」という作品が掲載。エクスタシーを感じると、内臓と一緒に首が抜けてしまう「ポンティアナ」の女性のお話。駕籠真太郎としては毒性は弱めかなあという気もするんだけど、何はともあれこの雑誌だったら好き勝手できると思うので、これからもどんどん描いてってほしい。栗田勇午「10sec.」。今回はチンパンジーさんがお相手。ベギラマ「乙女失格Z」。ぶっかけビデオの撮影現場をレポート。面白いけど、汁男優の生態には興味あるので、もう少し突っ込んだレポートをしてほしかったような気が。あと次号予告を見たところ、執筆陣に1ROOの名前が。この人が掲載されるのはいつ以来だろう? 機会があったら北原武志とかも再登場してくれるとうれしいです。あと白井薫範も。

【単行本】「ハチミツとクローバー」8巻 羽海野チカ 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 真山&原田の仲が進展→それを確認した山田が傷心→野宮が山田をフォロー……という図式。いちおうこれでこの4人分については、片想い連鎖に決着がつき気味な感じ。まあドラマチックではあり楽しくはあるけど、この巻についてはわりとお話の流れに沿って淡々と読んじゃった感じ。

【単行本】「学園アリス」8巻 樋口橘 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]

 アリスを盗むアリスの登場から始まり、蜜柑たちが謎の組織「Z」を追跡して学園の外に出る……という筋立ての「Z」編が完結。この作品には珍しく、シリアス展開が長いこと続いたが、その間に蜜柑の母親が登場したり、蜜柑・棗・ルカらの絆が強まったりと、お話的にもいろいろ動いた。もう少し気楽な感じのほうが好みだけど、まあこれはこれで踏んでおかなくてはならないステップだったのでしょう。それにしても樋口橘は絵がどんどん洗練されてきてます。

【単行本】「となりのメガネ君。」2巻 ふじもとゆうき 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]

 完結巻。血のつながらない兄弟である秋山栗子さんと、秋山美波くん(メガネ)の恋愛模様を微笑ましく描いたラブコメ。暖かみがあって清々しい絵柄で健康的にラブコメしてて、好感の持てる作品だった。ただせっかくタイトルが「メガネ君。」なので、メガネ君ならではのフェロモンを、もっと振りまいても良かったかも……とかいう気はします。その点はちょっと大人しかった。

【単行本】「お兄ちゃんと一緒」4巻 時計野はり 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]

 妹1人と兄4人のほのぼの生活。今回は桜と何やら関わりがあるらしき、大人のおっさんも登場。それで兄らはやきもき……ってな展開。この巻でも相変わらず、妹さんの桜がちまちましててかわいい。ただ、個人的には妹萌え〜という感じではなく、ちっこい小動物がわきわき動いているのを愛でるような感覚か。あとこの巻には、読切「ヒミツの扉のくぐり方」も収録。


8/19(金)……タカラブネえ

▼お、セブンアンドワイの雑誌定期購読に、ヤングキングアワーズiconが加わっておりますな。さっそく申し込みました。

▼未読物
【単行本】「ハチミツとクローバー」8巻 羽海野チカ 集英社 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「学園アリス」8巻 樋口橘 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「となりのメガネ君。」2巻 ふじもとゆうき 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「お兄ちゃんと一緒」4巻 時計野はり 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]
▼20日売り
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 9/5 No.17 小学館 B5中
【雑誌】コミック電撃大王 10月号 メディアワークス/角川書店 B5平
【雑誌】花とゆめ 9/5 No.18 白泉社 B5平
【雑誌】フラミンゴR VOL.04 三和出版 A5平
▼22日売り
【雑誌】ドルフィン 10月号 司書房 B5中 [定期購読:7andyicon/Fujisan
【雑誌】美少女的快活力 Vol.5 光彩書房 A5中

【雑誌】ヤングガンガン 9/2 No.17 スクウェア・エニックス B5中

 大高忍「すもももももも」が面白いなあ。今回は犬塚が風邪をひいたとききつけたいろはが、そのお見舞いにかけつける……というお話。いろはがメインのラブコメ回ということで、いろはの登場頻度がとても高くなっててうれしい。ももこ、いろは、委員長と、女性陣のキャラがずいぶん立ってきてることもあり、毎回面白く読めます。金田一蓮十郎「ニコイチ」。女装して仮面ママを演じている男が主人公のホームコメディでを、安定して楽しく読ます。月イチ連載なのが惜しい。

【雑誌】ウルトラジャンプ 9月号 集英社 B5平 [定期購読:出版社

 作:佐藤大輔+画:伊藤悠「皇国の守護者」がやはり良い。今回もセリフ中心なんだけど、キャラの表情がいいんだよね。新城の自信ありげな、いかにもなんか狙ってますよという顔つきについつい引っ張られる。新人の鈴木匡「煙と悪魔とgambler」は、ギャンブル狂の男が、取り返しのつかないギャンブルに引き込まれて、皮肉&悲劇的な結末を迎える……というお話。ラスト自体はちょっと唐突で釈然としないものもあるが、シャープな作画と緊張感のある話運びで読みごたえはなかなかのものがある。雰囲気的には真鍋昌平にちょっと似た感じ。

【雑誌】月刊サンデーGX 9月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon

 CLAMP「こばと(仮)」は今回で第一部・完。こばとは今回も良い娘さんぶりを存分に発揮しててかわいかった。かずといずみ「貧乏姉妹物語」は単行本も出て好調。3本立てでカラーページもあり。イダタツヒコ「美女で野獣」。リリカと茜が幸せそうに頂上決戦。とにかくやたらダイナミックな展開で、ムチャするなぁという感じで楽しい。この対決はだいたいリリカが勝つので、たまには茜にも勝ってほしいところではあります。あと、花見沢Q太郎「Rec」はアニメ化とのこと。実際の声優さんを立てて実写ドラマにするという手もアリかもしれませんな。どれだけニーズがあるかは分からんけど。

【雑誌】チャンピオンRED 10月号 秋田書店 B5平

 作:南條範夫+画:山口貴由「シグルイ」が相変わらず面白い。今回は比較的静かな展開ながらも、藤木と伊良子のせめぎ合いに緊張感があって良かった。光永康則「妹霊」は半年ぶりに2回目が掲載。兄に抱きついた相手だけが見ることのできる妹の霊をめぐるドタバタコメディ。設定を生かしてコミカルに展開しててわりと楽しい。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 10月号 竹書房 B5中

 いつもどおりなので書くことはあんまりないです。最近ではふじのはるか「オレをもりたてろ」の受付嬢のねーちゃんの片想いっぷりがわりといいかな。外見が派手なわりに、反応が初々しいのが良い。あ、これもツンデレといえばツンデレか。

【雑誌】ネムキ 9月号 朝日ソノラマ A5平

 オガツカヅオの読切「りんたとさじ」が掲載。最初は彼氏にホモ疑惑が発生して、彼女がその様子をストーキングするといったお話をコミカルに展開しててけっこうコミカルだったが、お話が後半に行くにしたがってだんだん薄気味悪いホラー調に変わっていく。この人は作風は地味めだが、お話の編み方、漫画としての見せ方がうまくて好きです。TONOあと「チキタ★GUGU」は今回も堅調に面白い。

【雑誌】コミックメガストア 10月号 コアマガジン B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 今号もレベル高いなあ。エロ面、ストーリー面で見どころのある作品が多く、エロ漫画雑誌の中では圧倒的に層が厚い。

 まず、みた森たつや「小池田さんと遊ぼう!」が最終回。ヒロインの小池田さんと、主人公男子の木村が繰り広げる変態セックスの密度が濃く、さらに後半は愛情表現もそれに負けじと濃くなっていって面白かった。行為を重ねるにつれ、木村にベタボレになっていく小池田さんの様子はとてもかわいかった。ラストの表情もいい。「続き物にしてストーリー性を強くする中で、エロ描写も恋愛描写もともに濃く打ち出していく」というのが、現在のコミックメガストアの基本路線だが、これもその路線の典型例的作品。単行本でまとめて読むのが楽しみ。草津てるにょ「光の家」も最終回。年端もいかない少年が、居候先のおうちで3人の美女とセックス三昧。つやつやした女体描写が相変わらずいやらしく、茶目っ気のあるお話も読んでて楽しかった。

 巻頭カラーは、竹村雪秀「TAKE ON ME」。セックスジャンキーのかわいい双子兄弟に居候された恵は、夜通しエッチされてすっかり寝不足に……という状況。本筋的なストーリーではないものの、脇道に行ったら行ったで楽しい。月野定規「魔法の杖」は、娘のおもちゃである魔法少女スティックのおもちゃで自慰にふけっていた人妻が、それの秘密を知ったオタク男によって凌辱され、その快楽の虜になっていく。熱に浮かされたような人妻の淫らな痴態がたいへんエロい。しっかり濃厚で実用性高し。

 虎向ひゅうら「僕の彼女は奥さま」は、文字通り人妻モノで、かわいい少年が仲良しのクラスメイト女子のおかあさんとエッチするという内容。包容力ありげなお母さんがええ感じです。春風道人「Charm of Espresso」はラブラブで甘甘な恋愛モノ。くっつくまでのやりとりは微笑ましく、エロもちゃんとやってる。ばくちん「ケモノ」は、鬼ノ仁にだいぶよく似た作風。義兄によってセックスの虜にさせられた妹が、激しくエロいことをされまくり。これもみっちり実用的。

 和六里ハル、猫玄、國津武士、池上竜矢あたりはショタっ気たっぷり。和六里ハル「エクスタまりんくん!!」は2話め。今回もかわいい少年のまりんくんにメイド服を着せたりしてエロエロワールドを展開。かわいさとエロさを両立して、すごく楽しげに描いているのがいい。やっぱこの人はエロ系に転身して正解でしたな。猫玄「パニックまっしゅROOM!」は相変わらずの安定感。姉のイタズラで女子校に入学させられてしまった少年が、おねえさん方にかわいがられまくるというお話。主人公はきっちりかわいいし、エロシーンも濃い目。國津武士「看病」は、風邪をひいた主人公と女の子がエッチして伝染ってしまうというエロ漫画の黄金パターン。おそらく何百回も見たネタではあるが、かわいくイタズラっ気のある絵柄のおかげで楽しく読めた。池上竜矢「おねえちゃんといっしょ」。おねえちゃんがなよっちい弟さんにムラムラするお話。この人は本当にメガネが好きですな。姉も弟もどっちもメガネ。

【雑誌】ギガロック VOL.9 幻冬舎コミックス B5中

 今号では、ひねもすのたり「Change ling!」が良かったです。主人公の男の子が、学校の先輩女子によってウエイトレス服を着せられて、そのままエッチに突入という内容。ありがちなネタともいえるけど、主人公の男の子がちゃんとかわいくて良かった。吉田小梅「カモネギ」は、お相手が7つ年上の従姉ということで、広義の姉モノに属する。デビュー2作めとのことだが、お姉さんがかわいくてけっこう楽しめた。

【単行本】「らぶねえ」 BENNY’S 晋遊舎 A5 [bk1][Amzn]

 とても良いですなあ。この人と井ノ本リカ子は、すっかり年上のお姉さん系を自家薬籠中のものとした感がある。近年、妹モノに続いて、姉モノもすっかりポピュラーになった感があるが、妹モノと姉モノの違いとして、姉モノは血縁関係にこだわらない傾向が強いように思う。実姉はもちろんのこと、近所の幼なじみのお姉さんでもよし、学校の先輩でも良し。とにかく主人公をかわいがり、甘やかしてくれる年上の女の人だったら、わりとなんでもいいという感じがある。

 この単行本についても、実姉モノは案外少ない。もちろん実姉はあるものの、お相手はメイドさんだったり、ナースだったり、義母だったり。でもそのいずれもお姉さん感自体はふんだんに出ていて、お姉さんに甘える気持ち良さは伝わってくる。あと年上のお姉さんが、年下のあんちゃんたちにメロメロな様子がとてもかわいかったり。もちろんBENNY’Sならではの、ふよふよとした、たいへん柔らかそうな身体や、やわらかい表情の描き方もとても良いです。甘ったるくてトロトロな、ラブラブH漫画を楽しみたい人にはオススメ。


8/18(木)……へうげ物語

【雑誌】モーニング 9/1 No.38 講談社 B5中

 山田芳裕の新連載「へうげもの」が巻頭カラーで開始。これは面白かった。時代は安土桃山時代。織田信長の配下の武将でありながら、物欲を抑えきれず、ついつい突飛な行動に出てしまう好事家・古田左介(古田織部)の生き様を描いていくという内容。信長と松永弾正が天下を左右するところで丁々発止な駆け引きをしているにも関わらず、左介は土蜘蛛の茶釜に夢中。一人だけ違うベクトルを向いたユニークなキャラ作り、思わず笑いがこみあげてくる表情、ダイナミックな演出などなど、インパクトは十二分。これは面白い作品になりそうです。物欲を抑えられないあたりは、今のオタクに通じるモノもあるかもしれない。ちなみにタイトルの「へうげ」は「剽軽」、つまりおどける、ふざける、どうげるの意。

 王欣太「蒼天航路」。あ〜あ、関羽が麦城に入っちゃったよ。まあそんな重要な展開なあたりで連載は400回到達。作:西村ミツル+画:かわすみひろし「大使閣下の料理人」は、大沢父がなんで「公」という名前を息子につけたのかというエピソード。食べ物の「ハム」から来てたらどうしようかと思っていたが、ちゃんといい意味があったので安心した。

【雑誌】ヤングサンデー 9/1 No.38 小学館 B5中

 高橋のぼるの新連載「土竜の唄」がスタート。町ではエロ警官として知られているけど実は正義の男である主人公が、「日本一凶暴」といわれるヤクザの組に潜入捜査員として入り込むことを命令される。本当は警官な主人公が、仮面ヤクザとして組長を挙げられるところまでのし上がっていく……という展開になるっぽい。高橋のぼるらしい、ムチャな内容を期待したい。原秀則「電車男」は、電車男の告白が成功し、それを2ちゃんねるに報告するというクライマックス部分。そして次号で最終回。

【雑誌】ヤングジャンプ 9/1 No.38 集英社 B5中

 新連載、山口かつみ「72」が巻頭カラーでスタート。「7つの夢のカケラを集める旅」をしている女の子が、その途中で出会ったバイク乗りの男を道連れに旅をしていくという青春バイクストーリー。山口かつみはちょっと意外だったがヤングジャンプ本誌は初登場。この人の作風はこなれているのでいささか軽く映ることもあるけど、漫画的にはけっこううまいし、読める話も描く人だと思う。まあそんなわけでしばらくは期待しつつ様子見。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 9/1 No.38 秋田書店 B5平

 作:堀雅人+画:三三による投稿ハガキ職人漫画「フリオチ」が最終回。調子っパズレなノリなのに荒削りなパワーはあふれまくっていた序盤は、リアクションに困るほどの得もいわれぬ味があって注目していた。後半は作画が若干洗練されてきて大人しくなってしまった感があったのは残念だが、「男はオモロNIGHT!」という言葉はしっかり我が心に刻みつけられたし、強烈な印象を残す妙ちきりんな作品だった。これ単行本出てほしいんだけどどうかなあ。うかつにも掲載号を何冊か捨てちゃったんで、出てくれないと困る、というほどではないものの残念なんですが。馬場民雄「麺屋台ロード ナルトヤ!」。女の子4人が扉絵。アヤカちゃんのスク水縛り姿もあり、なんかまた仕掛けてきた〜という感じ。ラーメン漫画としては正直前作「虹色ラーメン」より弱いと思うんだけど、スパッと煩悩をハジケさせてくるところはさすがです。


8/17(水)……見えろ耳エロ

▼コミックメガストアは家に置いてきちゃったのでまだ読んでないです。

【雑誌】週刊少年マガジン 8/31 No.38 講談社 B5平

 新連載、亜桜まる「090〜えこといっしょ〜」がスタート。壊れた携帯を拾った少年が、それを修理に出して使おうとしたら、なぜかそれが美少女型になって帰ってきて……という萌え系ドタバタコメディ。亜桜まるはこれまでヤングアニマル系でときどき描いてて、かわいい絵柄はちょっと気になっていた。絵の魅力を生かして、まったりほのぼのラブコメ路線で定着していければといったところ。作者あとがきによると、亜桜まるは「クニミツの政」の朝基まさしのアシ出身っぽい。

【雑誌】オースーパージャンプ 9月号 集英社 B5中

 今号には早川光+橋本孤蔵「きららの仕事」の番外編で、寿司の食べ方についてレクチャーする企画が袋とじで掲載。坂巻慶太の店に、きららと高野、アイドルのマヤの3人が訪れるという設定。まあマナーの内容自体は大したことないんだけど、ラストでビッグゲストが登場してて笑ってしまった。坂巻の「押忍!!」という気合いの入った受け答えも面白い。ていうかこのオチをやるために、この企画やったって感じではある。

【単行本】「耳エロ袋」 松本耳子 松文館 A5 [Amzn]

 快楽天、超人ヤングコミック、ヤングコミック、みこすり半劇場、無敵恋愛S-girlと、各所にバラバラと掲載された短編を収録。内容自体もスタンダードなエロマンガから、ショートギャグもの、4コマとバラエティに富む。松本耳子のギャルっちい絵柄は、気安さと暖かみがあって見ていて和む味わい。実用的というわけではないけど、味のある絵柄で好きです。


8/16(火)……ねざけんじゃねぇよ

▼未読物
【雑誌】ネムキ 9月号 朝日ソノラマ A5平

【雑誌】ビッグコミックスピリッツCasual 9/16 小学館 B5中

 今回はホラー特集号。スピリッツ系再登場の石田敦子も「キオクの花」という作品を描いている。社内に大好きな恋人がいるのだけど、一日のうちで最も衝撃を受けた記憶だけ忘れるという病気になってしまったヒロインが、彼との記憶を失わないよう、彼との記憶を上回るだけの衝撃を自らに与えるべく自傷行為に走っていく……というお話。怖いというよりも、切なくてゾッとするというテイストのお話。上品な絵柄でありながら、けっこうエロチックな要素も盛り込んで、お話を仕上げて来ている。そのほかホラー系の作品では、藤堂裕「マーコ」がけっこうインパクトあり。出会い系で知り合った女の子に入れあげた男が、偏執狂的に彼の身体を求めてくる彼女の欲望に呑み込まれていく。作画にむんむんする湿り気があって印象に残った。

【雑誌】近代麻雀 9/15 竹書房 B5中

 青山広美「東風のカバ」が連載再開。ついにドツボ状態を抜け出したカバが快進撃を開始。これまでの最底辺での戦いから、一気に超上級ランキングの戦いに挑むことに……という展開。負け続けでいても面白かったような気もするけど、まあやっぱ上級での決戦のほうが盛り上がることは盛り上がるかな。

【雑誌】漫画サンデー 8/30 No.33 実業之日本社 B5中

 一部で話題沸騰中かどうかは知らないけど、妙なノリがアツい、作:倉科量+画:みね武「艶恋師」が巻頭カラー。今回は器量が悪くて損してばかりいるソープ嬢が依頼人だったのだが、実はそれが竿師・菊之介が求め続けた「幻の女」だったという展開。なんかもう少し焦らすのかと思ったら、意外とあっさり見つかるもんなんだな……。それはともかく、登場したときはあきらかに醜女だった女が、セックスしている最中に、あり得ないほどに美人化していく様子はドリーミングで面白かった。女体盛りになると変身するトモヨさん以上にあり得ない。あと、幻の女に翻弄されている菊之介のヨガリ顔も、すごくマヌケでいい感じ。

【雑誌】漫画アクション 9/6 No.18 双葉社 B5中

 古谷三敏「BARレモン・ハート」。今回はこれまでも何度か出てきた松田の叔父さんであるヘソマガリな人が出てきて、その人に変わり種ビールを供するというお話。甘いビールにはあまり興味はないけど、「日本で手に入る中で一番苦くてコクがある」らしい「フレッドの寝酒ビール」[楽天]はちょっと飲んでみたいと思った。25年間保存できるらしいけど、たぶん買ったら1日で飲んじゃうだろうなあ。

【雑誌】COMIC RIN 9月号 茜新社 B5平

 わりとロリ系な作品が多い雑誌だけど、その中で嶋尾和「LOVE♥フォーカス」がぷりんぷりん。コスプレイヤーの彼女がイベント会場でみんなに見られて発情しちゃって、カエメラ小僧の彼氏とトイレにシケ込み……という内容。肉感的で汁気たっぷりでなかなかエロいです。やすいひろさと「HINANO零」もむちむちで肉感たっぷり。頭身自体は低めながらも、乳はたいへん大きくて、すごく弾力ありそうなのが魅力。

 関谷あさみ「壁の向こう側」。妹にずっと恋をしていた兄が、彼女をいとおしむ気持ちからその一線を守り抜き、妹に彼氏ができてエッチしているのにもグッと耐え忍ぶ……というちょっと切ない兄妹モノ。品の良い絵柄はキュートで、お話のほうも切なさたっぷりで読ませる。最近の兄妹モノはわりと気軽にやっちゃいますが、そこをあえて抑制して、寝取られモノ的な要素を盛り込み、全体的には美しいラブストーリーに仕上げたのも良かった。

 猫玄「恋人以上兄妹未満」は、ずっと好きだった年上のおねえさんが、自分の父親と再婚してしまいイライラしていた男子が、そのおねえさんの妹に誘惑されて籠絡されちゃう……という内容。ロリで妹でツンデレで。この人ももうエロ漫画ではベテランクラスだけどきっちりトレンドは押さえてるし、安定感もあってうまいです。そのほかではツンデレな巻田佳春「スキスキせんせーしょん」、カイシンジ「ぼく達の恋愛確率」あたりもかわいくて良かったです。

【雑誌】失楽天 9/20 ワニマガジン B5中

 今回は鳴子ハナハル特集号。「2/4<4ブンノ2>」「2/4ツヅキ<4ブンノ2ツヅキ>」「ヒタイ」「紅い水」「U.F.O.」「踊る大観覧車」「スクランブルドエッグ」「スーサイドライン」を掲載。このうち「スーサイドライン」は初掲載。あとは再録。最近はめっきりエロさを増した鳴子ハナハルの絵柄だが、今回収録分についてはまだ線が固めで、品の良さのほうが目につく。今のエロさも良いけど、こちらはこちらでまたきれいで良い。まあこんな増刊出してないで、さっさと単行本にまとめやがれという意見も多いだろうけど、とりあえず雑誌初出時に読み逃していた人はチェックしてみるのもよろしいかと。鳴子ハナハルのほかは、みやびつづる、ハマダユタカ、琴吹かづき、蜂矢マコト、野原ひろみの作品も収録。

【単行本】「エロ河童」 景えんじ 司書房 A5 [Amzn]

 2冊めの単行本。この人は、最近のエロ漫画としてはアッサリ系で、いくぶん地味に見えるところもあるんだけど、個人的にはけっこう好き。シンプルながらも暖かみのある線で、何よりキャラの表情がいい。顔を赤らめて恥ずかしがってる表情とか、男を誘うような表情とか、切なさを押し殺して微笑んでいる顔とか。作者自身が後書きでも触れているように、作風については確かにあんまり属性がない。ロリも描けば巨乳も描くし、中乳も描く。お話のほうもラブコメチック、母子もの、異星人ものなどなど、テイストもビターなのからスイートなのまでさまざま。そんなわけで統一感はないっちゃないんだけど、キャラの表情の良さもあって、ストーリーは苦くとも、作品にどこか暖かみがある。現在の濃厚志向なエロ漫画界においては大向こう受けはしにくいかもしれないけど、気になる作家さんの一人です。


8/15(月)……下校者は

▼本日はお盆休みモードで、買ったまま積んでおいた本を何冊か。本当は前回コミティアで買った同人誌も読んでおきたいところなんだけど……。

【アンソロジー】CRAFT Vol.23〜25 大洋図書 A5平 [bk1:23/24/25][Amzn:23/24/25

 CRAFTはつい買い忘れてしまう……というわけで3号一気読み。通して読んだ中では、山本小鉄子「晴れてボクたちは」が面白かった。久しぶりに帰ってきた幼なじみ(男)に告白されて、主人公(男)はどうしたらいいかとまどってしまう……という内容。Vol.25収録の6話めで完結。告白されて最初はとまどってたけど、意識しているうちに相手のことがどんどん大きくなっていって、その気持ちに困惑してしまう主人公の様子が見てて面白かった。主人公は背がちっちゃめで「ラブ★コン」の大谷くんみたい。彼と親友男子の両方が、なんだかもじもじしている様子が微笑ましくて良いです。紺野キタはVol.23と25に登場。「美少年の恋」「日曜日に生まれた子供」の2作。清潔感のある端整な絵柄は好きだが、お話的にはわりと当たり外れがあるような……。

 雁須磨子「ちいちいはしゃぐ、とおくとぶ」はVol.24と25に掲載。この人はいつもながらマイペース。これだけ天然っぽいキャラたちを、嫌味なく描けるというのは凄いことだと思う。しかしこの人は、意外とメジャーなところでは描いてないですな。なんか微妙にマイナーなところを縫うように進んでいるというか。このほかではVol.25から始まった奈良千春「105号室の犬」が良い具合だった。主人公の児島武は、子供のころから親友であるかわいい男の子・土屋マコちゃんを守るヒーロー役をやっていたが、成長して立場が逆転。相変わらず美男子なマコちゃんに、武は手玉にとられ、なんかいろいろ生殺し的な状況に置かれてしまうのでした……という感じ。この二人の関係性および武のドギマギっぷりが見てて楽しい。

【単行本】「悪霊」 高寺彰彦 チクマ秀版社 A5 [bk1][Amzn]

 月刊コミコミ1987年6月号〜1988年1月号にかけて連載され、1988年に白泉社版、1995年に同文書院版が出た後、チクマ秀版社から刊行。初版は2005年7月25日。母親の胎内にいたころから、悪霊と浅からぬ因縁を持っていた少女・茉莉子が、小さな島の斜面を丸々覆い尽くす、呪われた巨大な邸を訪れ、そこで恐ろしい事件に遭遇するというホラーコミック。高寺彰彦の精密な作画が冴え渡り、お話は終始、薄気味悪い雰囲気に満たされたまま進行。建物や暗がりの描写、人物の表情などにとても迫力があって、張り詰めた緊迫感のあるお話となっている。個人的には「怖さ」というよりも、「不吉さ」「怪しさ」みたいなものに惹かれます。

【単行本】「月光シャワー」 坂口尚 チクマ秀版社 A5 [bk1][Amzn]

 こちらも作画の美しさが際立つ。別に自分はアナログ礼賛派ではなく、CGにはCGの良さがあると思っているけれども、坂口尚とかの美しいペンタッチを見ると、うまい手描き絵はしみじみイイもんだなあと思う。独特の艶のある描線は惚れ惚れするほどだし、カケアミやベタ塗り部分の質感も素晴らしい。この単行本には「SF作品集」と銘打たれているが、叙情性たっぷりな世界観はロマンにあふれる。作画力の高さが、ファンタジーをしっかり支えている。やはり坂口尚はカッコイイです。

【単行本】「BARレモン・ハート」21巻 古谷三敏 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻もオサケに関するうんちく話を楽しく。これを読んで、強烈に酒を飲みたくなるというわけではないし(高かったり珍しかったりする酒も多いので)、読み終わった後はけっこうサケの名前も忘れちゃったりするんだけど、マスターのうんちくは読むのは面白いです。知識が嫌味になることもないし、読んでるとすごく落ち着く。


8/14(日)……BUTTONがぶっとんだ

▼今日は珍しく漫画は読んでません。お盆休みだし。コミケにも行ってないです。その代わり、コミケで以下の同人誌を出された、WAIWAIスタジオの打ち上げに行ってきました。

【同人誌】「ぶっとびマンガ大作戦」vol.9 <WAIWAIスタジオ>

 「一般的評価の対象外となっているぶっとんだマンガについて考える本」と題された、マンガ批評系の同人誌。いつもは新田五郎さんの独壇場であるこのシリーズだけど、今回はゲストも登場。メンツは以下のとおり。「……」以降が取り上げた作家および作品名です。

新田五郎@ふぬけ共和国……永井豪「魔神王ガロン」、水兵きき「みかにハラスメント」、松本零士「惑星ロボ ダンガードA」、たがわ靖之「パチンカー血風録II」
小杉あや@小杉のお庭……土山しげる
スズキトモユ@見下げはてな……あきやまひでき+北原雅紀「昆虫鑑識官ファーブル」
ヒライ@赤兜……伊藤潤二「ミミの怪談」
V林田@V林田日記……もとはしまさひで「V8キッド」「宙球戦士アブソルト」
渡辺僚一@半端マニアソフト半端マニアデジタル……みかりん

 で、今回は私も原稿書かせていただきました。ネタは渡辺ヒデユキ「SASEMAN」。最初は漫画喫茶かなんかに行って、国友やすゆきか桑澤篤夫の作品を読める限り読んで感想でも書こうかなあと思ったんですが、時間がなかったのでそれは断念して、手許に切り抜きがいっぱい残ってる「SASEMAN」に方向転換。

 それにしてもこういう原稿を書くときに痛感するのが、「面白い文章書く練習もしといたほうがいいのかも」ということ。基本的に自分は、このホームページでの文章については「別に面白いこと書かなくてもいい」というスタンスで書いてます。無理に面白いことひねり出そうとすると疲れるし、ハズすと痛いし。インターネットにはほかにもホームページは山ほどあるんだから、面白い文章読みたいんなら、ほかを探してもらえばいいと思うんですよね。自分一人でなんでもかんでもやろうとする必要なんかないわけで。ただ、ずっとそれでやってることもあって、「いざ」というときに面白い文章が出てこなくて困ります。まあ練習しといても面白い文章書けるかどうかつったら、自信はないんですが……。

 えーと、でもほかの人の原稿は面白いと思います。土山しげる作品はそろそろ読んどかなきゃなあとか、みかりんは今どうしてるんだろう、とかいろいろありました。あと自分の原稿がらみでは、新田さんが「SASEMAN」のイラストを描いてくれてたのがうれしかった。コミケは終わっちゃいましたが、たぶん8/28(日)のコミティアでも販売されると思うので、欲しいという方はG24b「WAIWAIスタジオ」を訪れてみてはいかがでしょうか。一夏の思い出にぜひどうぞ。


8/13(土)……大人しくすとれー

【雑誌】コミックビーム 9月号 エンターブレイン B5平 [定期購読:7andyicon

 羽生生純の新連載「アワヤケ」がスタート。いわくありげな格安の一軒家に引っ越したものの、家族はそれぞれなんだか心に病を抱えており、各人の心はバラバラ……という淡谷一家の生活を描いていく物語。まだ最初の段階なんで、お話がどう転んでいくかは予想もつかない。とりあえず描写は羽生生純らしく濃く、今後の展開に期待したいところ。安永知澄「やさしいからだ」は最終回。最後は羊水で満たされた袋の中で生きている、未来世界の人々の触れ合いを描いた物語で締めくくり。上品で端整な絵柄ながら、毎回思いもよらぬユニークなお話を展開した本作だったが、最後まで意表を衝いてきた。美しいだけでなく、優しさ、苦み、痛み、妖しさなど、さまざまな要素を内包した独特な味のある作品。楽しませてもらいました。

 中島あつき「ドデカボルケ」も最終回。世界観は面白かったものの、中盤でググッと読者を惹きつけるような盛り上がりが欲しかったかな。面白げではあるものの、押しがいまいち足らなかったような気はする。志村貴子「放浪息子」は中学編突入。修一たちが入学した学校には、女の子なのにツメエリを着て堂々と登校したりする、なんだか不思議な雰囲気を持った女の子さんがいた……ってなわけで、面白そうな新キャラが登場。見た目はとても美人さん、でも性格はナチュラルにヘンでかわいげもある。これから彼女が修一たちとどういうふうにからんでいくか、かなり楽しみ。

【雑誌】comic天魔 9月号 茜新社 B5平

 今号からリニューアル。表紙イラストもうるし原智志から変わって、今号は川原誠、次号は市川小紗。毎号変わっていくことになるんかな? 今号の執筆陣は以下に示すとおり。リニューアル前の数号と比べると、執筆陣は半分くらい変わってるかな……。まあこのところの天魔は、エロは濃い目にやっているもののいまいちヌケなかったり、お話面での旨みが少ない感じはしてたので、リニューアルして面白くなってくると良いのだけど。

 今号の掲載陣では、まずエレクトさわる「淫欲の夕暮れ」が目立つ。キャラの顔が縦方向に長めの、ちょっとクセのある絵柄だが、色惚けでトロけたような表情や、肉感的な女体の描写とかは艶めかしい。父サイズは超巨乳系。デッサンがときどき崩れて、身体のバランスがヘンなことになってたりするシーンもあるものの、エロはみっちり濃い目で実用性は高め。TANA「らぶ♥フレグランス」は、精液を求める病気を持った姉と、その弟の濃いラブラブHを描く。エロシーンの画面密度がたいへん高く、汁の飛び方や構図取りなどがたいへん派手。エロに勢いがあってインパクト十分。

 岸里さとし「スリーピース♥」は、学校の男友達の家でたむろっていた二人の女子が、その男子も交えて3Pに突入……という内容。いかにもギャルギャルしい二人の女の子がかわいい。表情にイタズラっけがあるのが良いです。神楽雄隆丸「ぶらこんフラグ」は、タイトルから察せられるとおり妹モノ。兄ラバーな妹がけっこうかわいく、ボリューム感もある。そのほかではTHE SEIJI、きらら萌といった安定組は、載ってるとなんか安心感があっていいです。

【執筆陣】エレクトさわる、黒龍眼、THE SEIJI、神楽雄隆丸、きらら萌、おかだまつおか、岸里さとし、悠宇樹、TANA、八月朔日珈瑠、憧明良、たいらはじめ、あまゆみ、松川郁、田中なぶる、ジャイロ余目

【単行本】「貧乏姉妹物語」1巻 かずといずみ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 母を亡くし、父も蒸発し、たった二人で残された、「山田きょう」と「山田あす」の姉妹が、貧乏ながらも仲睦まじく、健気に暮らしていく様子を描いたほのぼのコメディ。つるんとした触感の暖かみのあるかわいい絵柄は、見ていてとても気持ちが良い。また姉と妹、それぞれがお互いのことを思いやり、とっても仲良く暮らしている様子も心温まるものがある。二人の姉妹愛は、別に恋愛ってわけじゃないんだけど、ほのかに百合風味な感じで爽やかな甘さをもたらしてくれる。とてもチャーミングで、良い具合にまとまった作品であると思います。

【単行本】「陰陽師」12巻 作:夢枕獏+画:岡野玲子 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 晴明にお子様が誕生し、ちょっとのんびりムード。で、次がいよいよ最終巻。ここ数巻は観念的な話も多く、正直なところ何がなんだかよく分からなくなっていたんで、完結巻が出たらそのうち頭っからまとめて読み返してみたいところ。

【単行本】「フェアリー・クリニック」 昆童虫 久保書店 B6 [Amzn]

 昨年の11月に出た「ボンデージ・フェアリーズ」の続編。連載自体は1996〜1997年にヤング・キッス(久保書店)に掲載されたが、雑誌では未完で、この単行本で60ページ描き下ろしを追加して完結した。この作品でも、ヒロインは妖精少女のプフィルとパミラのコンビ。このシリーズでは、パミラの昔の親友だった女医妖精のウルシラが、プフィルに対して嫉妬して、彼女からパミラを奪おうと二人を監禁し、エロ責めするというもの。

 基本的にはこの3人のからみでお話は展開され、「ボンデージ・フェアリーズ」シリーズの大きな特徴である、虫はほとんど出てこない。その点は個人的には残念なんだけど、エロシーン自体はけっこうねちっこい。とくにウルシラが、プフィルを壊すために、薬を使ってじりじりと彼女を快楽の虜へと追い込んでいくさまは、今見てもけっこういやらしい。そういえば美少女系のエロ漫画の場合、レズ系の作品で成功しているものってあんまり見ない。とくに実用性の面では弱い作品が多いのだけど、この作品は何気にレズがメインながら実用面でも十分イケてるように思う。

【単行本】「すとれい・しーぷ」 ベンジャミン マイクロマガジン A5 [Amzn]

 2003年5月発行のベンジャミン初単行本。この人の絵は、誘うような雰囲気のある目と、省略がスッキリ気持ちいい描線が特徴的。この作画と、ほの甘いくすぐりのあるストーリー作りがうまくマッチ。つるりとした身体の描き方も、全体のトーンによくマッチしている。エロさ、実用性という面では弱めかもしれないけど、見てて快楽を感じるタイプの絵柄だと思う。


8/12(金)……君ニート、どけ

▼自宅に帰ってないので定期購読のビームは未読。とかいうことを書くと「忙しそうだな」とか思われてしまいがちなのでイヤなんだけど、実際のところはそれほどではないです。職場がけっこう居心地がいいので、大した必然性もないのについずるずる泊まっちゃったりしてるだけだったりします。

▼未読物
【単行本】「すとれい・しーぷ」 ベンジャミン マイクロマガジン A5 [Amzn]
▼13日売り
【雑誌】comic天魔 9月号 茜新社 B5平
▼16日売り
【雑誌】COMIC RIN 9月号 茜新社 B5平
【雑誌】失楽天 9/20 ワニマガジン B5中
【単行本】「耳エロ袋」 松本耳子 松文館 A5 [Amzn]

【雑誌】別冊ヤングマガジン 9/1 No.11 講談社 B5中

 記伊孝「犯罪交渉人峰岸英太郎」は大詰め。カルト教団への復讐を企てた少年に対する、英太郎の決死の交渉が続く。「そんなにうまく行くもんなのかなあ」みたいなところはあるけど、ギリギリのところで勝負しているという緊迫感はある。単行本最終第5巻は2006年初春に発売予定とのこと。ってことは次号あたりで最終回かな。森繁拓真「ライフジャック島尻」は、携帯電話を利用した人格転移法を会得した少年が、彼をイジめていた不良少年に乗り移るが、不良は不良でハードな人生を送っていることを知る……という内容。森繁拓真は話作りとかはとても面白いモノを持ってるんで、ぜひ単行本を出せるくらいまで定着してほしいんだけど……。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 9月増刊号 9/12 小学館 B5中

 石塚真一「岳 みんなの山」が巻頭カラー。すっかりこの増刊号の主力作品となっている。今回は、三歩がかぶっている帽子と、かつてそれを三歩にくれた外国人クライマーの想い出を語る過去エピソード。人と人の触れ合いと、無常な運命、そして三歩という人間の強さ・優しさを物語るお話は、短くても読みごたえ抜群。今回も面白かった。いい作品です。たくまる圭「アニキ」。ゆずとアニキが、夏休みを利用して二人でキャンプに。アニキとゆず、それぞれの優しさがしみる心温まるお話。

 井浦秀夫「AV烈伝」は、先日急逝したAV女優・林由美香の追悼特別編。巨乳派なもんで、林由美香の出演作品は実はちゃんと見たことがないのだけど、名前はよく聞いてたししみじみするものはある。あと花輪和一「刑務所の前」は今回で最終回。最後まで淡々と、いつものぺースのままおしまい。最終回だからといって特別なことをやらないところはこの作品らしかった。

【雑誌】ヤングアニマル 8/26 No.16 白泉社 B5中

 克・亜樹「ふたりエッチ」。みんなで夫人も同伴で社員旅行に出かけ、真が妙にモテモテな回。それはともかく真の同僚の出っ歯のにーちゃんが、優良さんに「一緒に個室風呂に入りましょー♥」とかセクハラ発言してるのが良いなあと思った。本当にそういう展開になればいいのに。甘詰留太「あ行のプロ!」は、若手声優の女の子が、エロゲーの声優としてデビューして頑張るというお話。直接のエッチシーンはないが、ヒロインの女の子が一生懸命エロ演技にチャレンジしている様子はわりとかわいい。あと文月晃「藍より青し」は次回で最終回。ラス前は薫キス攻め。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 8/26 No.17 小学館 B5中

 乃木坂太郎「医龍」。バチスタ手術の途中で、朝田がいったん木原母の緊急手術のため、一時離脱。すごくアクロバチックなことをやっている。そんなアクシデントにからめて、伊集院の成長ぶりをしっかり描写していて読みごたえもたっぷり。彼もしっかりバチスタチームに欠かせない人材に成長しているのだなあ。作:秋月戸市+画:吉本浩二「こまねずみ出世道」。部下・奥野のせいで、常次朗の会社はピンチに。そんな中、奥野が知り合った女性のおかげで活路が開けるか……という展開。今回も奥野が暑苦しさを発揮しまくってて味がある。奥野のしょうもなさ、ダメっぷりは見てて面白い。

【雑誌】コミックバンチ 8/26+9/2 No.37+38 新潮社 B5中

 石田衣良の小説「アキハバラ@DEEP」をコミカライズした新連載がスタート。作画はアカネマコト。予告カットとかを見て、「柳沢一明の別名義?」とか思っていたけど、なんか微妙に違う。すごく似た絵だけど、キャラの目鼻の配置バランスとかが異なってる。アシスタントの人かなんかかな。

【雑誌】ビジネスジャンプ 9/1 No.18 集英社 B5中

 ちょっと前に読切で掲載された画:真里まさとし+作:真倉翔「吉原のMIRAIさん」が連載化。21世紀の吉原でNo.1だったソープ嬢が江戸時代にタイムスリップ。ソープで培ったテクを武器に、江戸時代でものしあがっていっちゃうよーんというお話。真里まさとしはノリは軽くてお話もしょうもないのが多いけど、あっけらかんとした健康的な作風は嫌いじゃないです。この作品は設定もユニークだと思うし。村上もとか「JIN−仁−」の風俗嬢版ってな感じですな。

【雑誌】別冊マーガレット 9月号 集英社 B5平

 アルコ「ヤスコとケンジ」の番外編を収録した別冊付録つき。今号では椎名軽穂の読切「君に届け」が楽しかった。真っ黒な長い髪と青白い肌と、内気で不器用な性格が相まって、おばけみたいな雰囲気を醸し出し、「貞子」というあだ名をつけられて周囲から恐れられている女の子が主人公。しかしそんな彼女にも分け隔てなく接してくれる爽やかなクラスメートの少年に恋した彼女は、それをきっかけに少しずつ変わっていく……というお話。ユニークな設定のおかげで、「美少女なんだけどモテることはない」という、現実ではあんまりなさそうなキャラを自然に作れているのが面白いし、ヒロインの心根の美しさ、健気な振る舞いにも好感が持てた。

【単行本】「Swing Out Sisters」 東雲太郎 茜新社 A5 [Amzn]

 東雲太郎は絵がとても良いです。質感滑らかでとても華やか。ボリューム感も申し分なく、しっとりと吸いついてくるような肌の描写、おっぱい、おちんちんなどの描き方がたいへんエロい。描線はシャープなんだけど、艶とまろやかさがあってたいへんフレッシュな印象を受ける。表題作「Swing Out Sisters」は、相互にベタボレし合っている、シスコン弟×1と、ブラコン姉×2のラブラブHストーリー。最初弟のほうは上のほうの姉とくっつくが、それにヤキモチを妬いた下のほうの姉とも関係を持つようになる。おっとりとした包容力のある優しい長女、ボーイッシュでツンデレな次女、どっちも美人で魅力的。二人に四六時中ヌカれまくる弟くんが、羨ましいようなかわいそうなような。何はともあれ甘ったるくてエロ度も高く、充実感のある1冊だった。


8/11(木)……スクミズバント

「まんが日本昔ばなし」ゴールデン復活(日刊スポーツ)。これはうれしい。

【雑誌】ヤングジャンプ増刊 漫革 9/20 VOLUME-47 集英社 B5中

 石原まこちん「スクミズ戦隊もえレンジャー」。アキバ系の女子高生3人がスクミズ着用の正義の戦隊に変身して活躍するというギャグ漫画。なんかやる気なさげな萌え絵に味がある。漫★画太郎「エイリアンバスターズ」。携帯メールを通じて送られて来たメッセージを手がかりに、女子高生が宇宙人退治。さすがの画太郎先生も今回は大人しめか。いちおう「画太郎の本当にあったような、なかったような怖い話」シリーズ第1弾とか書いてある。てことは続くのかな。

【雑誌】増刊ヤングサンデー 9/20 小学館 B5中

 一色登希彦の読切「ウィル」が掲載。親の転勤で日本からスペインに引っ越すことになった少年が、その地でバイクレースのトライアルを転戦している日本人ライダーに出会い、自分の殻を破るきっかけを得る……という内容。この日本人ライダーは、ヤングジャンプ連載版の「モーティヴ −原動機−」の第2話に出てきた柘植大吾。少年が初めて未知のバイクの世界に出会うということで、ガシガシバイクを乗りこなすわけではないものの、作品から発せられる熱気、描写のダイナミックさはいかにも一色登希彦らしい。この人は鬱々とした闇と、そこからの一気呵成の爆発の描写がどちらも激しくて、そのコントラストが非常に鮮烈。ラフさをそのまま生かし、内向きにならない描線がすごく好き。最終ページの柱によれば、ヤングサンデーでの新連載も構想中とのこと。ヤングサンデーはこの人も手離しちゃうのかなあと心配していたが、それは杞憂だったようで。

 作:川崎ぶら+画:秋重学「愛と青春の成り立ち」はひさびさの掲載。青臭いバンド少年漫画として楽しめる作品。秋重学と川崎ぶらのコンビはやはりいいです。8月30日にはついに単行本[Amzn]も発売予定。未発表回および描きおろしの最終回も収録されるとのこと。青旗のぼる「オトメダケ」は、とある女子高に、なでると乙女の願いをかなえてくれるという、ちんこそっくりの茸が生えてきて学校に騒動が勃発……というドタバタコメディ。青旗のぼるは連載はまだないものの、スピリッツ系の増刊でけっこう面白い読切を何度か描いている(これまでの名義は「青旗昇」)。絵柄はあっさりめだが独特の味があるし、お話作りも上々で、けっこう楽しみな新鋭。

【単行本】「しまいもん」2巻 IKARING 祥伝社 A5 [bk1][Amzn]

 最終巻。男運の悪い姉妹が、スカを引き続けるというドタバタギャグ。出てくる男たちがみんな匂い立つようなヘンな人ばかりで、見てて楽しかった。姉のやよいのおお騒ぎっぷりも面白いが、フェロモンはけっこう出ているのにゲテモノ趣味で妙な男にばかり入れあげるユーコの肝の太さも良い。天然系なギャグが次々と展開されて笑える作品でした。

【単行本】「TOKYO TRIBE2」11巻 井上三太 祥伝社 変型判 [bk1][Amzn]

 いよいよ物語は大詰め。海、メラ、スカンクらがブッバ邸に乗り込み、最終決戦の様相。なんかもう各地のおにいちゃんたちが集結してドカドカ殴り合ってて壮観。ファッションやライフスタイルは現代風だが、やっていることは昔の番長モノ、「熱笑!花沢高校」とかにほど近い。やはりいつの時代もこの手のケンカ番長モノに対するニーズは根強いなあとか思ったりもする。

【単行本】「鉄子の旅」4巻 菊池直恵 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 基本的にはいつもどおりの鉄ヲタ横見さん観察漫画だが、この巻では、横見さんの全駅下車達成というクライイマックスもあり。まあどちらかというと裏話だけど。鉄道については自分はまったくの門外漢だけど、横見さんは見てて面白いです。

【単行本】「闇金ウシジマくん」2巻 真鍋昌平 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 金に困ったヤンキー兄ちゃんがらみの話が中心となった第2巻。今回はウシジマの活躍はあまり多くなくて、その分1巻よりもパワーは落ちたかなあという印象。もっと闇金ならではのエゲツない手口や、最低な借り手たちをガシガシ描いていってくれるほうが個人的にはうれしいんだけど……。

【単行本】「アカシヤの星」3巻 たくまる圭 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。たくまる圭ならではの透明感、爽快感みたいなものがちょっと弱かったかなあという印象だったけど、ラストは多国籍な下町人情を描いて暖かく締めくくり。読後感は悪くない。この3巻で本編以上にうれしかったのが、巻末に「僕らは長く夢を見る〜めざせ俳句甲子園〜」が収録されたこと。この作品や2003年にヤングアニマルで3話集中連載された作品で、年に一度、松山で行われる高校生による俳句の祭典「俳句甲子園」に出場した3人組を描いた青春ストーリー。俳句甲子園自体は実際に行われていて(→公式サイト)、それがどんなものなのかは見たことないので知らないけど、お話としてはなかなか勢いがあって面白い。ちと展開としては強引っぽさがなくもないが、俳句を読み上げるシーンは響くものがあるし、青臭いストーリー作りも気持ち良い。単行本化は半ば諦めていたのでとてもうれしい。

【単行本】「黄金のラフ 草太のスタンス」15巻 なかいま強 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 アメリカに乗り込んだチームきりたんぽのネイションワイドツアー初戦も最終日に突入。好成績で驀進する草太らは最終組で回ることに。今回の同組メンツは、きりたんぽアメリカ進出のきっかけとなった若手有望株マイク・ハナサンと、陰気で一癖も二癖もあるレイニー・ファクソン。きりたんぽのプレーの一つひとつもいいけど、脇役も見てて楽しい。とくに普通ならトラブルといえる場面を好み、あえてバンカー狙いを続けるファクソンが面白い。陰気な顔つき、ブツブツわけのわからんことをいいながらからんでくる態度、自己流すぎなショットと怪しさ抜群。この巻も安定しまくりで抜かりなく面白い。

【単行本】「万祝」5巻 望月峯太郎 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 女子高生・鮒子らの海の上での冒険が続く。鯨よりも巨大なサメとかも出てきてスペクタクルではあるけど、そのわりには地味な印象という気もする。何気にけっこう本格的な海洋冒険モノになっていたりはします。

【単行本】「赤灯えれじい」4巻 きらたかし 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 チーコとつきあうようになって、じょじょにサトシも成長中。二人旅の後、同棲生活をはじめ、少しずつ「このままガードマン生活を続けてていいのか」という想いも頭をもたげてきた。特別かっこよかったり素敵だったりするわけではないけど、地味ながらも一歩一歩進む恋愛模様は暖かみがあって、この巻も楽しく読めた。


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