2005年9月中旬


9/20(火)……おとなにさんちのツトムくん

【雑誌】チャンピオンRED 11月号 秋田書店 B5平

 作:南條範夫+画:山口貴由「シグルイ」。虎眼流のゴッツい豪傑、牛股権左衛門がピンチに。この人はいい人っぽくてけっこう好きなんだけど。彼がどんな運命をたどるのか、続きがたいへん気になります。

【雑誌】漫画アクション 10/4 No.20 双葉社 B5中

 監修:櫻井寛+画:はやせ淳「駅弁ひとり旅」。鉄オタのおじさんがひとり旅をしながら駅弁を賞味していくという内容で今回は6話め。本日のターゲットは延岡駅の鮎すし。なんか一つひとつのおかずを食べながら、「うほっ」とか「これはうまい!」とかうなっている様子が無性にうまそう。この作品はけっこう好きです。谷口ジロー「シートン」は第2部のオオヤマネコ編が終了。次回の登場は12月6日発売の第25号。今度はどこらへんをやるのかな。楽しみです。湯浅ヒトシ「耳かきお蝶」は、お蝶さんと正吾の恋心が燃え上がり中。コミカルな絵柄で味のある作品を描いてて、地味だけどしみじみした面白みのある作品。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 10/5 No.19 小学館 B5中

 福本伸行「最強伝説黒沢」。悪ガキどもへの制裁を完了して普通な日々を取り戻し、凱歌を挙げる黒沢。それも束の間、またしても絶望へと逆戻り。まあ確かに考えてみりゃそうだよね。悪ガキたちを倒したのって、要するに降りかかる火の粉を払っただけ。つまりマイナスだったところをゼロにしただけで、プラスってわけじゃなく、結局モテない金もない中年独身男性であるという現状にはまったく変化がない。そういうところを、勝利の美酒で紛らわしたりせず容赦なくとえぐり出してくるあたりはさすがです。

【雑誌】漫画サンデー 10/4 No.38 実業之日本社 B5中

 作:東克美+画:倉科遼「不倫白書」は9話め。仲睦まじい姉妹の妹が結婚後まもなく癌を患い、最後の願いとして愛する夫と、愛する姉を結びつけるというストーリー。美談のようなそうでもないような……という微妙な感触がちょっと面白かった。

【雑誌】ヤングキングアワーズ増刊「HELLSING」特集号 少年画報社 B5平

 新作OVAが出るんでしたっけ、ってなわけで平野耕太「HELLSING」を特集した増刊号。執事のウォルターが若かった頃の戦いっぷりを描いた外伝のこれまでのお話を全部収録。増刊全体で見ると男くさい作品がやたら多いんだけど、ヤングウォルターはなんか色気があって萌えられるキャラ。あとアーカードさんもなんだか美少女形態。これまでの増刊で読み逃していた人は、手にとってみられると良いのでは。いつ単行本になるかもよく分からんですし。また、平野耕太以外に、六道神士、長谷川哲也、石田敦子、吉原昌宏、礒本つよし、水上悟志、佐藤ショウジの作品も収録。

【雑誌】花とゆめ 10/5 No.20 白泉社 B5平

 松月滉「幸福喫茶3丁目」が好調で巻頭カラーで登場。今回はヒロインの潤が、バイト先の喫茶店のにーちゃんらを実家に連れてきてしまうという内容。ラブコメムードを漂わせつつ、楽しくほのぼのお話を展開していて微笑ましい。キャラクターもカラッと明るくてサバサバしてるし、けっこう気に入っている作品です。あと好調といえば日高万里「V・B・ローズ」はいいですね。ヒロインのアゲハが一生懸命でかつ美少女で、とてもかわいらしい。嫌味なところがなくて楽しい。

 羅川真里茂「しゃにむにGO」はストレートにヤオってますなあ。この雑誌の中では、今は高尾滋「ゴールデン・デイズ」と並ぶヤオイ度の高さ。ひうら社(ひうら・やしろ)の読切「罠咲く時間」は、ものすごく犬が好きな女子高生が、犬がきっかけでとある小学生男子と知り合い、なんとなくいいムードになるというお話。うーむ、少女漫画でもショタで来ますか。まあそれはともかくスッキリした健康的な絵柄だし、お話のほうもラブコメとしてけっこう楽しくできてると思います。

【単行本】「大人になる呪文」3巻 パニックアタック FOX出版 B6 [とら]

 例の妹漫画の最新刊がフィギュア付きで登場。各所で報じられているとおり、今回のはむしろフィギュアのほうがメインという趣が強く、本のほうは約50ページと薄い。にゅーあきば.こむの記事でも書いたけど、一般書店売りはなく、特定書店のみでの販売となる。FOX出版に問い合わせてみたところ、3巻についてはISBNコードを取っておらず、同人誌と同等の扱いなんだそうな。そんなわけで確実に手に入れたい人はとらのあななどの店舗に行くか、通販とかを利用するのが良いでしょう。

 で、本のほうの内容はいつものとおり。ロリロリな妹・未由たんが大好きな兄が、やたらと甘えてくる未由たんを甘やかしていたずらしてかわいがりまくるという、ドタバタギャグ。今回はページ数自体は少ないけど、未由たんは明るくろりぷにでたいへんかわいいし、お兄ちゃんも相変わらずバカだし、とても楽しいです。もう少し頻繁に描いてくれればなあ……。

【単行本】「CAGE」 すえひろがり コアマガジン A5 [Amzn]

 メガプラス誌上での長期連載がようやく単行本化。ボリューム的にいうと全2巻きくらいになるのかな? お話のほうは、とある学園に赴任してきた姉妹の女教師が、生徒たちの手によってみっちり調教されるというストーリー。いかにもすえひろがりらしいのは、その調教がハードにぶち込んだりしていてこますというわけではなく、あくまで露出がメインである点。ほかの生徒たちに凌辱されていると騙る女生徒を使って、校門の前で裸の写真を撮らせてみたり、野外オナニーをさせてみたり。焦って輪姦とかするわけではなく、遠回しにじりじり追い込んでいくもどかしさがたまらない。真綿でしめるように、露出の程度をだんだんあげていく、そのねっちりとした描き方がとてもエロっちい。セックスシーン自体はあんまり多くないにも関わらず、たいへん淫靡な世界を作り上げている。「他人の目」を常に意識させたうえでお話を進めていく手際も熟練の味。あまりほかにないタイプの、あっさりしているけどエロチックな絵柄も相変わらずいい。やっぱりこの人の作品は好きだなあ。

【単行本】「淫笑う看護婦」 米倉けんご コアマガジン A5 [Amzn]

 コアマガジンからは久しぶりの単行本。初回分は化粧箱入りで、「ピンクスナイパー」の同人誌で発表された2作を収録した小冊子が付属する限定版。単行本本体のほうは表題作「淫笑う看護婦」前後編を含む、読切エロ漫画を収録。一時期はペンネームも変え、ストーリー漫画を目指した米倉けんごだったが、普通のエロ漫画のほうがイキイキとした印象を受ける。出てくる女の子たちはむっちり肉感的で、絵柄にも独自のキレと華がある。ハードなエロシーンはテンションも密度も高くて、しっかりヌケる出来映え。やっぱりうまい人だなあと改めて思います。


9/18(日)9/19(月)……固辞憂鬱

▼未読物
【雑誌】ブラック・ジャックスペシャル(ヤングチャンピオン 10/20増刊) 秋田書店 A5平

【雑誌】ヤングガンガン 10/7 No.19 スクウェア・エニックス B5中

 瀬口たかひろの新連載「あみ〜ご×あみか」が開始。高校サッカーで国立を目指したいという少女が主人公の、サッカー+ラブコメという感じの作品になるんかな。まだなんともいえないけど、けっこう爆発力はある人なんで、頑張っていただきたい。スポーツ関連の漫画で面白いのがあると、雑誌的にも間口が広がるし。金田一蓮十郎「ニコイチ」。堅調に面白いなあ。女装して偽母をやり、気になる女の子に女装姿では好かれ、本来の姿では嫌われているという構図が見てて楽しい。キャラ造形もスッキリしてて好感が持てます。

【雑誌】ヤングマガジン 10/3 No.42 講談社 B5中

 阿部秀司「エリートヤンキー三郎」。ヴィジュアルバンドに引きずりこまれた三郎の、女装ゴスロリぶりが加速。なんか下らなくてちょっと面白い。福本伸行「賭博堕天録カイジ」。今回のカイジはぬかりありまくり。でも下手に小細工するよりいい結果が出そうな感じではありますなあ。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 10/3 No.42 小学館 B5中

 朔ユキ蔵「ハクバノ王子サマ」。最初のうちはどんな話になるのかな〜と思っていたが、意外と普通のラブコメとして面白くなっているような。女教師のタカコサマのトキめきっぷりがやけに初々しくていいです。花沢健吾「ボーイズ・オン・ザ・ラン」、柏木ハルコ「QUOJUZ」もかなりラブコメづいてる。「QUOJUZ」は今回で1stシーズン終了で、しばらくしたらまた再開するとのこと。スピリッツって短期集中で、間を置きつつ連載するシリーズ連載が増えてきましたな。「アグネス仮面」とか「闇金ウシジマくん」とか。「美味しんぼ」もそうか。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 10/3 No.42 集英社 B5平

 久保帯人「BLEACH」。お久しぶりの顔ぶれが人間界にゾロリと姿を現わす、まあ予想された通りの展開。お約束といえばお約束だが、そういうのは嫌いじゃないです。見た目的にも賑やかだし。ただあんまりキャラは増やしすぎないでほしいですな。増えすぎると何がなんだか分からなくなるんで。

【単行本】「コドモのコドモ」3巻 さそうあきら 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。「小学生の妊娠と出産」というテーマに真っ向から取り組み、それをイロモノとしてではなく、真摯に最後まで描ききった。戯れが元で妊娠、最初は全然意識しないでいつもどおり活発な子供らしく振る舞っていた主人公・春菜だが、だんだん子供を生むということの重大さに気づき始め、周囲にそれをどう伝えていくか悩みを募らせていく。また、クラスのみんなに春菜の妊娠が伝わり、大人たちに相談できない状態のまま、子供たちだけでの出産に踏み切るあたりのクライマックスは胸を打つものがある。とくにそれまでバラバラだった子供たちが、一致団結して春菜を守ろうとする様子は頼もしかった。性急にお話を進めることなく、かといって展開を遅らせすぎることもなく、ステップを一つずつ踏みながら着実にお話を進めていくあたりは、さそうあきらの漫画巧者ぶりを感じさせる。全3巻で非常によくまとまった作品に仕上がったと思う。

【単行本】「イナカナかれっじ」6巻 法田恵 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 こちらも最終巻。地方の農大での、開放的なキャンプスライフをエッチシーンもふんだんに楽しく展開したラブコメディ。フリーセックスというわけではないけど、なんか日常的にみんなエッチをしている開けっぴろげな雰囲気に妙な心地よさがあった。ラブコメとしてもけっこうほのぼの。肩の力を抜いて読める作品です。

【単行本】「おとなチャレンジ」1巻 米餅昭彦 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 人妻がむっちゃくちゃ好きな男が、人妻目当てで幼稚園に就職。良いお兄さん役を演じながらも、虎視眈々と人妻とのエッチの機会を探っていくというエッチコメディ。別に卑怯な手を使って人妻を籠絡するとかではなく、エッチシーンへの突入はわりと軽いノリ。米餅昭彦(なめぞう)らしい偏執狂的な濃さみたいなものはあんまりないんだけど、むちむち感たっぷりの人妻たちとのエッチライフを後腐れなく描いてて気楽に読めはします。


9/16(金)9/17(土)……グッドモーNINKU

▼もう20日になっちゃってますが、やっと更新できる状態になりました。いやはや忙しかったなあ。あとで18日〜19日の日記をまとめて書いたら、通常ペースに戻すつもりではあるんですけど、最近何が通常なのやら異常なのやらよく分からん状態なので、どうなるかは分かりませんがねー。

▼白土三平「カムイ伝全集」全38巻(小学館)の刊行が今月末から始まりますが、セブンアンドワイiconで定期購読の申し込みができるのを発見。全部で4万7800円とちと高いものの、月2冊全38巻をいちいち注文していくのも面倒なんで、えいやっとばかりに頼んでみた。第1巻からの申し込みはもう終わってて、今からだと3巻から購入可能。「全巻揃えたるんじゃー」という人は申し込んでみるのもよろしいのではないかと。

【雑誌】ウルトラジャンプ 10月号 集英社 B5平 [定期購読:出版社

 桐山光侍「NINKU −忍空−」が復活。10年ぶりとのことだけど、この人の絵ってこんなんだったっけか……? 風助の表情はコミカルだけど、ほかのキャラの絵柄がずいぶん枯れた感じでなんか妙な味わい。単行本2巻が出たばかり(感想はこの下のほうにあります)の作:佐藤大輔+画:伊藤悠「皇国の守護者」は今号も申し分なく面白い。焦土作戦で念入りに帝国軍を追い込んで来た新城ら皇国軍だが、その作戦に綻びが……。次回あたりはさらに苛烈な展開になりそう。かっこよくて読みごたえもバッチリ。

【雑誌】月刊サンデーGX 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon

 花見沢Q太郎「Rec」。赤とその妹の青がご対面。松丸をめぐる三角関係が表面化することに。なんか松丸はアニメ業界の手伝いをやることになって便利に使われてるけど、このままそっちにいついちゃったほうがお話としては動かしやすいかもしれませんなー。かずといずみ「貧乏姉妹物語」センターカラーあり。ここのところ好調ということでページ数も多く、姉妹の暖かい絆を丁寧に描いている。最初のころはページ数少なかったけど、雑誌内でのポジションもだいぶ向上してきた感じ。

 いけだたかしの新連載は、落語協会が送る萌えアニメとして、新聞などでも記事になっていた「落語天女おゆい」の漫画版。いけだたかしとしては久々の連載だと思ったら、まさかこれをやるとはちょっと意表を衝かれた。イタダツヒコ「美女で野獣」はもうムチャクチャですなあ。前号で格闘の盛り上がり→大地震→日本崩壊とかいう凄い展開を見せたと思ったら、今号は「北斗の拳」ですか……。これだけ下らないと清々しくさえある。

【雑誌】ビッグコミック 10/17増刊号 小学館 B5中

 作:西ゆうじ+画:ひきの真二「華中華」。毎回おいしそうなチャーハンを作る漫画だけど、今回は松茸チャーハン。うーむ、うまそうですのう。いがらしみきお「日々のわざをなし終えて」は、ニートの息子と、ちょっとおかしな書家の父が織り成すホームコメディといった感じの作品。飄々としててけっこう味のある作品。

【雑誌】コミックバンチ 9/30 No.42 新潮社 B5中

 うーん、いまいち面白くないな……。いしぜきひでゆき+藤栄道彦「コンシェルジュ」あたりは手堅くて良いと思うけど。「屈辱er大河原上」も消えちゃったし、なんかイキの連載が欲しい。

【雑誌】コミックメガストア 11月号 コアマガジン B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 ぐはー、今回もぶ厚い。ページ数だけでなく層も厚いので、ものすごい満腹感あります。たいていの人なら、エロ漫画雑誌はこれ1冊で1週間くらいは戦えるとか思うんじゃないでしょうか。それほどに充実した誌面を作ってると思う。

 今月の巻頭カラー漫画はED「スキ・キライ・夏・終わり」。女の子の肌が白そうに見えるスッキリした作画が印象的な作家さんで、最近好調。男一人+女二人の幼なじみ3人組がエッチするという内容。からみも濃厚。ゴージャス宝田「クラッシュ!」は新連載。先生一人と少女5人が、地震で建物が崩れて地下に閉じ込められ、そこでエッチな時間が繰り広げられる……という第一話。最近すごくノリノリなゴージャス宝田だけに、まずはインパクトあり。少女たちの恋模様も甘さと切なさがあってなかなか。期待しています。

 鬼ノ仁「ドッペルゲンガ」前編は、卑劣な男が顔を整形して憧れの少女に近づき彼女を犯す。いつもながらエロが濃くてパワフル。やはりパンチ力あります。マイノリティ「お嬢さまとキツスク。」。絵が「うまい」という感じではないのだけど、なんかゴチャゴチャした独自の味があって印象に残るシリーズ。エロも恋愛も濃い口で、ヒロインたちのツンデレさんぶりが毎回見ていて楽しい。

 猫玄「パニックまっしゅROOM!」は3話め。相変わらず安定した良い仕事。女装して女子寮に入れられることになった少年が女の子たちにエロいことされまくる様子がかわいい。男の子なのにスク水を着せられ、股間の開口部からちんこを出した状態でエッチというプレイがなかなか新鮮。かねことしあき「気を遣わないですむから」。妹が兄にその友達を紹介してエッチさせるも、なんか自分も巻き込まれちゃって3Pに……という漫画。かねことしあきってこれがコミックメガストア初登場だったのか。ちょっと意外な感じ。

【雑誌】COMIC RIN 10月号 茜新社 B5平

 今号もかわいい作品が多い。関谷あさみ「放課後恋愛」は、引っ込み思案な女の子と、その彼氏である先輩が学校でエッチするというお話。女の子がなんかすごく妹っぽさにあふれてて可憐で良いと思います。瑞井鹿央「夏の果〜サマーラリー〜」は、おにいちゃんを誘惑しようとする従妹の女の子のいたずらっぽい顔つきがいい感じ。東雲太郎「弐妖姫」は相変わらずうまい絵だなあ。スッキリしたなめらかな描線、むっちり実った身体の描き方など眺めていて気持ちがいい。

 國津武士「おしごと」は、母性本能の強い女の子が、おにいちゃんに甘えてもらいたがるという内容。今回もドタバタコメディが楽しいし、ちっちゃい女の子のちょっとスネた表情とかたいへんいい。LEE「ねこみみクリニック」は、猫耳少女看護婦さんが、本当に仔猫っぽい顔つきをしてたのが良かった。ちっちゃいお口とつぶらな瞳がなんとも。このほか猫玄、メラメラジェラシー、たまちゆきなどなど、安定した人が多くて捨てどころのあまりない良い雑誌だと思います。

【単行本】「皇国の守護者」2巻 作:佐藤大輔+画:伊藤悠 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 いやー、面白い。すごくノッてる作品だと思う。「帝国」と呼ばれるロシアっぽい国の侵攻から国を守るため、日本っぽい「皇国」の軍人たちが必死の防戦を繰り広げていくという物語。主人公は新城直衛という、若いけど底光りのするような凄みを感じさせる一人の指揮官。彼の冷酷で手段を選ばない戦闘の模様が、とても丁寧に描かれていて読みごたえがある。

 この作品でなんといってもいいのが、伊藤悠のシャープな絵。雰囲気作りの面で良いだけでなく、キャラ一人一人の表情がカッコ良い。とくに新城が浮かべるイヤ〜な底意地の悪い表情、突撃を前にガタガタ震えそうになるのを押さえ込んでいる表情なんかはたまらない。あと脇のキャラたちもなかなか味がある。新城たちが連れている軍用のサーベルタイガー、通称「猫」たちもときに猛々しく、ときにかわいらしく、お話の中でいいアクセントとなっている。セリフのハッタリの利かせ方、繰り出すテンポとかも良い。伊藤悠は前から絵はうまかった人だけど、この作品でそのほかの面でも大化けした感があります。

【単行本】「モーティヴ−原動機−」2巻 一色登希彦 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 とてもアツいバイク漫画。ヤングキングで連載された分はこの2巻でとりあえず一区切り。かつて事故がきっかけで、一度はバイクレースの世界から逃げた男が、再び心のエンジンに火を入れて仲間たちとともに情熱をぶつけていくという物語。最後のほうが急ぎ気味な展開になっちゃったけど、何かを失った男がそれを取り戻すために這い上がろうともがいていくストーリーは、とてもアツく、読んでてゾクゾクさせられるものがあった。雑誌掲載時は毎回すごく熱狂しながら読んでいたのだが、この作品の場合、単行本よりも雑誌で読むほうが面白いタイプだったような気もする。ダイナミックな画面構成は判型が大きいほうが映えるし、一色登希彦の、あえてラフな荒々しさを残した絵柄は雑誌のざらざらした紙質によくマッチする。パッと見にはものすごくうまいタイプには見えない作家さんかもしれないけれども、この人の爆発力、激しさ、アツさは個人的にはすごく高く評価している。作者後書きによれば、今回の坪井が主人公のGP-MONO編はこれで終わりだけど、「モーティヴ」自体はまだまだ続くとのこと。高いポテンシャルを持った人だと思うので、次の作品も期待してます。

【単行本】「ドピュッて」 うさぎのたまご 司書房 A5 [Amzn]

 わりとヘンなエロ漫画を描く、けっこう好きな作家さん。美麗って感じの絵柄ではないのだが、くにゃくにゃした柔らかい絵柄には独自の味と愛敬があって、見てるとなんとなく楽しい。今回の単行本で一番うさぎのたまごらしいなと思ったのは「ボクの彼女♥」という作品。スケベで自分勝手な男子が、何でも自分の思い通りになりそうな女の子を見初めて彼女に告白。彼女を強引に自分のぺースに巻き込んで、肉奴隷ちゃんに仕立てあげるという内容。とか書くとものすごい鬼畜っぽいんだけど、この人の作品だとその過程によい案配なテキトー感があって、全体的にたいへんくだらないノリになっているのが味。


9/15(木)……吹っ飛ぶ留守

▼あー、忙しかった。ここしばらく慌ただしくしてたので、更新とかしてらんない状態でした。てなわけで日曜(18日)の朝っぱらだというのに15日の日記なんぞを書いてます。えーとこの日は何してたんだっけなあ。もう忘れたー。

▼未読物
【雑誌】ビッグコミック 10/17増刊号 小学館 B5中
【雑誌】コミックバンチ 9/30 No.42 新潮社 B5中
【雑誌】ウルトラジャンプ 10月号 集英社 B5平 [定期購読:出版社
【雑誌】月刊サンデーGX 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon
【雑誌】COMIC RIN 10月号 茜新社 B5平
【雑誌】コミックメガストア 11月号 コアマガジン B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan
【単行本】「モーティヴ−原動機−」2巻 一色登希彦 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「皇国の守護者」2巻 作:佐藤大輔+画:伊藤悠 集英社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「イナカナかれっじ」6巻 法田恵 双葉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「おとなチャレンジ」1巻 米餅昭彦 双葉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「竜屠玩偶」1巻 吉川博尉 マッグガーデン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ドピュッて」 うさぎのたまご 司書房 A5 [Amzn]

【雑誌】近代麻雀 10/15 竹書房 B5中

 青山広美「東風のカバ」。河馬山が裏プロ軍団を集めて、東風荘に殴り込み。「バード」に出ていた裏プロたちが出てきててなんか懐かしかった。不破は「バード」のころから全然進歩してなくて安心した。富田亜紀良の前後編読切「どんまいプログラム」は、麻雀で借金こさえて逃げ回ってるあんちゃんが、街でアンドロイド少女を拾って一緒に暮らし始めるというお話。アンドロイドのメイはけっこうかわいい。ちゃんと萌え路線を狙ってきてるあたり、器用ですな。

【雑誌】ビジネスジャンプ 10/1 No.20 集英社 B5中

 山花典之「オレンジ屋根の小さな家」。新キャラ登場。電車の中でチカンと間違われたことがきっかけとなって、主人公のニノ宮とコギャルっぽい女の子・メグが知り合うといった感じ。パッチリした目が印象的でわりとかわいい。

【雑誌】モーニング 9/29 No.42 講談社 B5中

 なんか本が歪んでるなあと思ったら、表紙自体が二つ折りになってて「バガボンド」の絵の見開きピンナップ状になってた。で、井上雄彦「バガボンド」は第2章第2幕が開始。今後は吉岡道場とのいざこざが続いていく感じになるのかな。山下和美「不思議な少年」は、皆殺しにされた民族の生き残りであるベラの復讐物語の後編。面白く読めたけど、「人間の復讐の念」というテーマについてはちょっとぼやけた印象になっちゃった気もする。

【雑誌】ヤングサンデー 9/29 No.42 小学館 B5中

 浅野いにお「ソラニン」。掲載順は後ろのほうだが巻中カラー。これまでウジウジしていた種田が仕事をやめて、再びバンド活動開始。青臭くアツい展開になってきて今後が楽しみ。

【雑誌】ヤングジャンプ 9/29 No.42 集英社 B5中

 読切、塩塚誠「LINE」は、目的のためには手段を選ばない刑事が、己の欲望のために悪を裁くという感じのお話。絵は大暮維人っぽくてけっこううまいが、お話のほうはちょっと唐突。主人公のキャラの掘り下げがもう少し欲しいのと、悪役が食い足りない感じ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 9/29 No.42 秋田書店 B5平

 能田達規の新連載「フットブルース」が開始。野球が盛んな伊豆諸島の外れにある島に住む双子兄弟が、サッカーと出会ってショックを受けて、誰もサッカーなんかやっていない島からサッカー選手を目指して奮闘していくというお話。前作「ORANGE」に続くサッカー漫画だが、今回もアツい内容になりそう。期待してます。水島新司「ドカベンスーパースターズ編」は、10月6日発売のNo.45から日本シリーズに合わせて「奇跡の大プロジェクト」とやらを予定しているらしい。ただでさえぶっ飛んでるこの漫画で、今度はいったい何をしでかしてくれるのやら……。ちょっと予想しがたい。


9/14(水)……ハナークィー・イン・ザ・UK

【雑誌】スーパージャンプ 9/28 No.19 集英社 B5中

 作:矢島正雄+画:若狭たけし「どんまい!」が、11月7日からNHK総合にて連続テレビドラマ化されるとのことで、漫画のほうも連載復活。この作品は、人間が大好きで、そのあふれんばかりのバイタリティをもって真心こもった老人介護をしている女の子・里見優を主人公とするヒューマンドラマ。若狭たけしの瑞々しい絵柄と、矢島正雄の手堅い原作がいい具合にマッチした良作で、しみじみ泣ける話も多かった。それだけに連載再開は喜ばしい。期待してます。

 作:早川光+画:橋本孤蔵「江戸前鮨職人 きららの仕事」。永田に対してその親分が「KILL」とかいってサインを送ってるシーンが良かった。鮨勝負に負けたくらいじゃ死にませんて……。でもそういう仰々しい演出がいいんです。分かりやすくて。

【雑誌】週刊少年サンデー 9/28 No.42 小学館 B5平

 満田拓也「MAJOR」。アメリカくんだりまで追いかけていったのに、またしても置いてけぼりにされる清水さん。不憫すぎる。扉絵ではちゃんとかわいく描かれているのに、本編での扱いは踏んだり蹴ったり。もしかしてそういうギャグのつもりでやってるのかもしれませんな。井上和郎「あいこら」。主人公のハチベエがいいところを見せてモテ因子発動。やっぱ井上和郎はラブコメがうまいですね。

【雑誌】週刊少年マガジン 9/28 No.42 講談社 B5平

 咲香里が前後編読切「ラブオールプレー」で登場。お得意のバドミントンに恋愛ストーリーをからめるという、いかにもこの人らしいお話。幼なじみなんだけど、女の子のほうがバドミントンで全国2位。そこに引け目を感じていた男の子のほうが、病で倒れた彼女のためにバドミントンで頑張るという内容。絵柄は相変わらず爽やかで華があり、女の子もかわいく上々の出来。マガジンは合ってるんじゃないかと思うけど、週刊ぺースでクオリティを維持できるかどうかが問題かな? でもまあとりあえずは週刊連載もいっぺん試してみてほしい人ではあります。

【雑誌】快楽天BEAST 10/15 Vol.4 ワニマガジン B5中

 快楽天系で、わりとベタなエロをやるタイプの増刊。雑誌の性格からすると、深田拓士あたりは象徴的な存在かなと思う。今回の「共有」は人妻モノ。真っ昼間だというのに突如帰ってきた夫がいつもと雰囲気が違う。そして夫にエロ責めされてメロメロになったと思ったら、それは実は夫の双子の兄貴だった……という内容。深田拓士という人はたしかに「面白い」「新しい」というタイプの作品を描いてくるわけではないが、創作に色気のある人は手を出さない、そしていつの時代も確実に需要のあるベタなエロ漫画を描き続けている。オーソドックスである分、完成度は高いし、実用度も常に一定水準をクリア。こういう職人的なスタンスの人はなかなか貴重だと思う。

 Cuvie「コスプレは好きですか」。この人も手堅い。彼女がコスチュームがちょっとエッチっぽいファミレスでバイトし始めたと聞き、そんな姿をほかの男に見せたくないと思った彼氏が暴走し、バイト先で彼女に迫っちゃうという内容。あっさり系の絵柄でしっかりエッチなことしてるし、ラブコメとしてもきちんとまとめている。麻生我等「生破女神事」は、地方の奇祭を取材しにきた二人が、エロエロな祭に巻き込まれてタイヘンなことに……という内容。以前も書いたけど、こういう土着の性風俗のネタは好きです。麻生我等の端整でむっちりした絵柄も良い具合。

【単行本】「歯ぎしり球団」 吉田戦車 太田出版 B6 [bk1][Amzn]

 以前スコラから出ていた「歯ぎしり球団」の復刻。生まれてから一度もストライクを投げたことのない投手・後藤手術が主人公の「歯ぎしり球団」、中学校の弱小野球チームが部への昇格を目指して豆腐や納豆、マッシュルームなどで構成される珍チームと次々に対戦していく「新歯ぎしり球団」を収録。そして今回は、吉田戦車による書き下ろしの「小説歯ぎしり球団」が新たに追加された。漫画版「歯ぎしり球団」で展開された珍妙な野球シーンは、昔はそんなに面白くないかなと思ったが、今見てみるとけっこう味があってこれはこれで良いなと思った。あと小説版が何気にいい。吉田戦車の独特の飄々とした、独特の柔らかみのある文体はすごく好きなんだけど、その味わいが十分に楽しめる内容。読むと絵がパッと頭に浮かんで来るってのも大きい。

【単行本】「花喰幻灯機」 三浦靖冬 ワニマガジン A5 [bk1][Amzn]

 しっかり描き込まれた繊細な画風がとても美しく、切ないストーリーと相まって胸をキュウと締め上げるような雰囲気を醸し出している。ただお話自体のフックは正直なところあんまり強くないかなという印象を受けた。これで三浦靖冬も3冊めの単行本となるが、似通ったトーンの話が多いので、ありていにいえばちょっと飽きてきた感はある。三浦靖冬は、無理にエロで勝負をする必要はなさげな作風に思えはするのだが、一般誌だとエロがない分、ストーリーやキャラで読者を引き付けなければならない。今まで読んだ三浦靖冬作品に関していえば、ストーリーもキャラもあんまり強くなかった。とくにキャラは弱く、全体の画風は覚えているものの、個々のキャラの顔、名前があんまり印象に残っていない。とても良い絵の持ち主だけにその動向は気にしているのだが、この先伸びていくためには、そろそろ踏んばりどころかなという気もする。


9/13(火)……微妖精系

【雑誌】イブニング 9/27 No.19 講談社 B5中

 石川雅之「もやしもん」が巻頭カラー。でもその4ページで出てくるのは菌ばっか。4色カラー無駄遣い。単行本もまたしても地味な装丁になるようで。このスタンスは味はあるけど、せっかく面白い作品なんでも少しガツガツ売りに走ってもいいんじゃねえかなあという気はしないでもない。本編の内容のほうは良かった。納豆菌の話を掘り下げてて楽しく、勉強になった気もする。まあこの手のウンチクネタはしばらく経ったら細かいことは忘れちゃいがちではあるけど、とりあえず納豆菌というのはすごくて、環境浄化にも役に立ったりするんだよということは分かった。それはそうと、納豆を手作りするのは面白そう。前からちょっとやってみたいとは思っていたのだけど。

 寺沢大介「喰いタン」。いつもながら事件と食い物の話を結びつける強引さがお見事。ところで高野の秘書である京子は、高野のぺースに引きずられて、いつの間にかけっこう食い物にうるさくなってますな。今回も真っ先にコロッケの味の変化について指摘してるし。そういえば自分も今号の感想は食い物系の漫画の話しかしてないな。

【雑誌】ヤングチャンピオン 9/27 No.19 秋田書店 B5中

 作:谷津弘幸+画:佐藤マコトの新連載「ロダン」がスタート。凄腕の美容整形師がその腕を振るい、人間のさまざまなドラマを見つめていくという「ブラック・ジャック」系のお話。原作付きだけに、佐藤マコトならではって感じはあんまりしないかな。でも複雑な事情を抱えた女性が、整形後にようやく見せた笑顔は良かったです。

【雑誌】漫画サンデー 9/27 No.37 実業之日本社 B5中

 作:松田康志+画:桧垣憲朗「闇の馨師 香」は2回め。期待どおり、ヘンな漫画になりつつありますな。今回はいかにも悪そうなヤクザの親分が「ヘビの生き血だ 精がつくぞ」「お前もどうだ?」と問い掛けたのに対し、ヤサ男系の悪役あんちゃんが「い…いえ 私は女の生き血をすするのが性に合ってますんで」と返すシーンがなんかマヌケてて面白かった。作:倉科遼+画:みね武「艶恋師」は、性の不一致で悩む夫婦のために、菊之介が一肌脱ぐというお話。またしても「私の最も得意とする後向女性仰臥男性座位”きぬた”だぁっ!!」が1ページぶちぬきで炸裂していて笑ってしまった。このポーズ、神々しすぎる。

【雑誌】まんがタイムきらら 10月号 芳文社 B5平

 しおやてるこ「Pocket」。ひさびさにエミちんが登場したと思ったら、彼女は何やら寂しげな顔を見せる。その原因はズバリとは分からないけど、良いキャラだっただけにしんみしりた気分に。そいて次号はいよいよ最終回。

【雑誌】別冊マーガレット 10月号 集英社 B5平

 河原和音「高校デビュー」がとても面白かった。ケンカしてしまったけど、お互いに自分からはゴメンといえないでいた晴菜とヨウ。そのケンカの一因ともなったヨウの友人・朝岡が、「ヨウにヤキモチをやかせ、向こうから謝らせる」方向に持っていくという名目で晴菜をデートに連れ出すが……。最後の最後まで朝岡が何をたくらんでるか底が見えないようになって読者をハラハラさせる。天然系な晴菜だけでなく、そのほかのキャラ作りも面白いし、とても楽しく読めた。いやーこの作品は絶好調ですな。

 アルコ「ヤスコとケンジ」が新連載に。ドタバタラブ&ギャグといった感じの作品ではあるけど、個人的にはそんなにヒットするタイプのギャグじゃないかなー。読切の柴田しずか「Stop&Go」は、とにかく考えなしになんでもやっちゃう行動派の女子と、やたら慎重でつい考え込んでしまう慎重派男子という、凸凹コンビな二人のラブコメ話。行動派の女子が、恋愛となると意外なくらいウブな振る舞いを見せる様子がちょっと楽しい。ほのぼのしてて読後感はさわやか。あまりベタベタしすぎないのも良い案配。

【雑誌】comic天魔 10月号 茜新社 B5平

 山田タヒチ「隅田さん」は、学校の女子先輩と一緒に行動して後輩のおにいちゃんがドキドキさせられる……というラブコメ。背景とかあんまりなく、すごい淡々としたタッチで描いてるけどこれはあえてやってるのかな。なんか妙にほのぼのした感じをかもしだしてますが。エレクトさわる「ドキドキ★パイレーツ」は、スク水・童顔・ネコミミだけど三十路の女宇宙海賊が、かわいい密航者の男に欲情してエロエロトランス状態に……という内容。エロシーンはみさくらなんこつとかRIKIみたいな系統のテンションの高いものとなっていて、セリフも「んにゃああぁん♥ すっごぉぉい♥♥」「びゅるびゅるっ♥♥ たくさぁぁんん♥♥」とか、脳味噌トロけた系のものを連発。絵柄も派手めで押しが強い。こういう割り切ったバカ系の作品は好きですね。


9/11(日)9/12(月)……あ、追加いい?

▼さて、今回の更新も2日分まとめてです。弱まっててすみませーん。

▼最近AV機器のリモコン事情が煩雑になってきたので、学習リモコンを購入。機種はビクターのRM-A1500[Amzn]。ITmediaの記事(→こちら)で、ウチで使ってるCATVのセットトップボックス、松下電器産業TZ-DCH300に対応してると書かれていたのでそれが決め手に。これにTV、CATV、AVセレクター、DVDプレーヤー、ビデオ再生用パソコン(カノープス VideoGate1000を使用)の五つを割り当ててみた。まだ本格的な運用はしてないんだけど、散乱していたリモコンが減って、机の上がちょっとだけスッキリした。よかよか。

【雑誌】コミックビーム 10月号 エンターブレイン B5平 [定期購読:7andyicon

 おおひなたごうの新連載「銀河宅配便マグロ」が開始。タイトルどおり宇宙を舞台に宅配便業務をやってる人たちを主人公としたギャグ漫画。いつものおおひなたごうペースだが、ここからどういうヒネリを加えてくるかが見もの。岩原裕二「いばらの王」は最終回。アクションシーンはカッコよく、キャラもいい造形をしてたのだが、個人的にはもう一押し欲しかった作品。ただ単行本でまとめ読みするとまた印象が変わるかもしれないので、単行本最終巻が出たらまた改めて感想書きます。

 タイム涼介「あしたの弱音」。最近ちょっといい感じだった女の子と弱音の仲が少しこじれる。なんかだんだんかわいくなってますなあ、この娘さんは。あと山川直人「コーヒーもう一杯」に出てきた女の子も可憐で良かった。深谷陽「今日のお午はバビグリン」は、「踊る島の昼と夜」シリーズの第7弾。バリ島を舞台にしたちょっと不思議で面白い話を安定して展開。いつも変わらぬ味。

 鈴木健也「虫の味がする」は、「虫を食べる」という噂があるけど美人な大学の先輩女子の家に寄った主人公は、虫食のことが気になってドギマギする。なかなか線がしっかりしてて達者な絵柄。ちょっと官能的な雰囲気を漂わせた話作りも悪くない。扉絵のデッカい芋虫の絵は、なんだか違うモノを想像してしまったけどわざとですかね。

【雑誌】ヤングキング 10/3 No.19 少年画報社 B5中

 小池田マヤ「聖★高校生」。今回は2色カラー。聖がかつて一緒に住み愛し合うに至ったが、結局はレズの恋人のほうを選んだ女ジュンが久々の登場。彼女に「子種くれよ」と迫られ聖はあたふた。かつてはいろいろあったけど、二人の間に流れている空気は暖かくて良かった。ほの甘くしたりひどく苦くしたり、アップダウンが激しく、読者をいい感じに振り回してくれる作品です。

【雑誌】ヤングマガジン 9/26 No.41 講談社 B5中

 宮下英樹「センゴク」。浅井朝倉軍に追い詰められるも、信長は英断を下して窮地を乗り切る。信長のしたたかさが強く出ていてカッコイイ。お話にも絵にも強さと爆発力があるし、なおかつ安定感もある良い作品だと思います。福本伸行「賭博堕天録カイジ」。牌を落としてしまってパニクるカイジ。みっともね〜。でもそういうジタバタしたところがいい。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 9/26 No.41 小学館 B5中

 小田扉「団地ともお」。ともおが森の木のうろに隠されていた交換日記を発見したことから思いもよらぬ事態に発展。行われていることはしょーもないけど、実際にそういうことになったら面白いなあと思った。あとともお姉がけっこうカワイイかも。作:雁屋哲+画:花咲アキラ「美味しんぼ」。山岡が小泉局長の息子の大学における研究につき合わされ、餃子の定番でない食べ方探しをするという内容。小泉局長、公私混同しまくり。あと今回は、やたら辛いものを食べて精神を鍛える怪しい集団「熱い会」も登場。よく考えてみるとすげー唐突な展開だなあ。「熱い会」というネーミングはちょっと吉田戦車的だと思った。さりげなくシュールだ。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 9/26 No.41 集英社 B5平

 作:大場つぐみ+画:小畑健「デスノート」。最近ちょっと勢い落ちてきた感じがしてたんだけど、今回のライトとニアのやり取りは腹の探り合いな感じが出てて面白かった。あと今号では、読切で村瀬克俊「ナックモエ」が掲載。萌え漫画ではなくムエタイ漫画。わりとうまいけど、坂本眞一っぽい絵柄でいくぶん新鮮味には欠けるかなー。

【単行本】「リトル・フォレスト」2巻 五十嵐大介 講談社 A5 [bk1][Amzn]

 最終巻。面白かったです。小さな山村・小森に一人で暮らす女性が、自分で作った作物や、山菜、果物などを調理しておいしくいただく。農作物自体は厳密には自然とはいえないかもしれないけど、自然の恵みをふんだんに受けた食物群はやたらとうまそう。都市部では味わえそうにない、地のものだけにどんな味なんだろうと想像が膨らむ膨らむ。もちろん山村ならではの不便さは山のようにあるので、ただ「うらやましい」とは思わないんだけど、大変で面倒だけれど素敵な生活がしっかり描かれている。五十嵐大介ならではの細かく、そして厚みのある自然描写も素晴らしくて、食事シーンの描写に多大な説得力を与えている。眺めているだけでも無性に気持ちが良くなってくる作品です。

【単行本】「はるか17」8巻 山崎さやか 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 手堅く安定しててちゃんと面白い。はるかの所属する事務所が、大手の圧力によってピンチに。しかしそんな中でも、はるかは一生懸命頑張るのでした、という感じ。この巻で印象的だったのは、最初ははるかに遊びのつもりで声をかけたけど、マジボレしてしまったジャニーズJr.的なあんちゃん。最初はいかにもチャラくて、イヤな奴キャラになるのかと思ったら、意外なくらいにイイ人だったので見ててホッとするものがあった。

【単行本】「ホムンクルス」6巻 山本英夫 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 砂の女子高生編終了、その後は名越の過去に迫っていくエピソードが開始という第6巻。砂の女子高生とのセックスシーンは緊迫感があって、フェティッシュでもあり。なんだかだんだんお話が観念的になってきて、よく分からんちんな感じになってもいるんだけど(あえて分からんちんのままにしている部分もあります。適当な解釈で分かったような気になっちゃうのも何かなーと思うんで……)、女子高生との話に一区切りついたんで、そこらへんはなんとかなるかな。


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