2005年5月上旬


5/10(火)……微飽和蓋

▼なんかいろいろできてないです。オスマンの4月分は辛うじて更新したものの、忙しかったりやる気がなかったりで各所でサボリ気味。ビームとバーズの収録作品リストも半年くらいためちゃってるし……。えーといちおうまだ更新するつもりはあるんですよ。作家別単行本リストのページについても。でもなんかいざやろうとするとおっくうでしてねえ。OHPトップページも掲示板で「重い」との指摘があったので、段組みをスタイルシート化しちゃろうかなと思ってるんだけど、あれもやり始めるとけっこう時間かかるしなあ。たまった雑誌の整理もGW中にやろうと思ってたんだけど、結局手をつけずじまい。昨年度のアニメ感想のまとめは、ベスト10まで書いたところで中断中。いずれなんとかしたいと思います。いずれ。明日という日はまた明日〜。

【雑誌】イブニング 5/24 No.11 講談社 B5中

 寺沢大介「喰いタン」。高野が山菜とりに行くが、そこで事件に遭遇してしまうというお話。今回も山菜を食ってるといえば食ってるけど、むちゃくちゃな量って感じではないのでちょっと物足りないかも。あとオチというか、高野の仕掛けたトリックもちょっと弱い感じが。

【雑誌】ヤングチャンピオン 5/24 No.11 秋田書店 B5中

 葉月京「恋愛ジャンキー」。思わぬところから友達になったミホと姿子だが、姿子はミホがエイタローの元カノであると気づいてしまい……という内容。三角関係が核心部分に迫ってきていて、だいぶ盛り上がってきた。まあ今さらミホという線はないと思いますがー。「ブラックジャックALIVE」は今回やまだないとが執筆。これはけっこう良かった。実にやまだないとらしく、オシャレな感じにブラックジャックを仕上げている。お話がどうのこうのいうよりは、雰囲気を楽しむのが吉でしょう。

【雑誌】ビッグコミック 5/25 No.10 小学館 B5中

 作:鍋島雅治+画:はしもとみつお「築地魚河岸三代目」は、カツオブシのだしの話の後編。まあ旨味調味料がダメだーというお話ではあるんだけど、それだけじゃなくてカツオブシの正しい削り方とか、カツオブシの種類とかについて解説もしてていつものごとくなんとなく勉強になった気分にさせられる。まあ実際カツオブシ自分で削るかといえば……という感じではあるのだけど。

【雑誌】漫画サンデー 5/24 No.19 実業之日本社 B5中

 作:本庄敬+画:末田雄一郎「蒼太の包丁」。富み久の娘さんであるさつきが、ついに蒼太を意識するようになって……ってな展開。意外とラブコメチックですなあ。日本料理モノとしてもしっかりしているし安定して面白い。作:ひじかた憂峰+画:松森正「湯けむりスナイパー」。温泉連合の会長のお達しで、従業員がみんな携帯電話を持たされることに。携帯電話一つでこの世の終わりかってなシリアスな表情をしている源さんの様子がなんだか笑える。あと番頭さんは携帯にずっぽしハマりそうな気配。

【雑誌】メガプラス Vol.20 コアマガジン B5平

 初登場の深田拓士「ビフォーアフター」が巻頭カラー。高飛車だけど欲求不満な奥様とその娘が、家をリフォームにやってきた業者の男どもにぐちゃぐちゃに犯されるというお話。この人の作品はいつ見てもベタベタだなあ。だけどそれがいい。ほかの人がベタすぎてやらない隙間をきっちり埋めていく、職人気質な作風は目立つわけではないけど手堅い。峠比呂「ブリーフな乙女心」。男として育てられ男子校に通ってるけど中身は女の子な主人公が、その秘密を知る男子にいいようにいじられちゃうという内容。男装モノでかつツンデレ。女の子なのにブリーフはいてるあたりが肝かな。彼女が恥じらっている様子はなかなかカワイイ。

 尾崎未来「The Great Escape」は5回め。尻軽いんらん女子高生のあいちゃんが、今回は身体測定に来たお医者さんとエッチしちゃうという内容。いつもながら軽いノリだが、あいちゃんはたいへんムチムチしててしっかり実用的。ゆきやなぎ「えろつま」も第5話。これまで順調に義理の息子に肉奴隷調教されてきた若奥様だが、今度は町でチンピラにからまれて輪姦されてしまう。お話的にはどうってこないんだけど、多人数ネタは待望の展開でもあり、ぬかりなくエロし。ゆきやなぎの女体描写は、つややかで色気があっていいです。

【雑誌】ヤングコミック 6月号 少年画報社 B5中

 中田ゆみ「下町マドンナ食堂」。毎回お色気シーンは乳が出る程度なのだが、その乳がやたらとうれしく感じる作品。それにしてもいつも思うけど、この未亡人様はなぜいつもこんなエロい服装しているのだろう。北河トウタ「虹色探偵小春チェンジ」は、探偵をやらされることになった女の子が、毎回コスプレして潜入捜査をやるという内容。今回は和風女中喫茶。しっかりかわいく、エッチもちゃんとやってて良いです。


5/9(月)……肥やし人

▼踏台昇降をやりつつ、握力を鍛え始めてけっこうな時間が過ぎた。日記によると2004年1月あたりからやり始めたらしい。そのおかげで最近はだいぶ強化されてきて、50kgのハンドグリップもまあまあこなせるようになった。こうなると、今自分の握力は実際のところどんなもんなんじゃろーと知りたくなるのが人の性、なのかどうかは知らないが、先日Amazonをぼえーっと見てたら握力計[Amzn]が販売されているのを目撃してしまい、ふらふらと買い物かごに入れそうになってしまった。ノートパソコン買ったときに返ってきたポイントも余ってるし。

 でも結局は「これって持ってても1回使ったらそれで満足ってアイテムだよなー」と思いとどまった。どうせいっぺん計ってみたいだけなんだから、スポーツ用品店とかに見本で置いてあったりすればそれで十分なんだけど、あんまり使える状態では置いてないんだよね。たぶん同じようなことを考える人は多そうなんで、使える状態にしておくと売れなくなってしまうためだと思う。大して高くない、だけど買っても使う機会はすごく少なそう、そして使わないときはじゃま、持ってるとなんとなく恥ずかしいなどなど、いろいろ悩ましいアイテム。誰か持ってる人いたらちょっと試させてください……なんていっても、フツーいねえよなあ、こんなもん家に常備してる奴は。ちなみにリンゴを握りつぶせるかどうかは、チャレンジしてみたいという気持ちはあるものの、リンゴがもったいないので試したことありません。

【雑誌】ヤングキング 6/6 No.11 少年画報社 B5中

 毎度書いているけど、一色登希彦「モーティブ−原動機−」がすごく面白い。今一番楽しみにしている漫画といってもいいかもしれない。押さえつけていた情熱が今にも爆発せんとする、その直前の瞬間のうずうずした熱気を、画面にうつし出していく表現力が素晴らしい。この人は「ダービージョッキー」の後半も凄かったけど、この作品はのっけから飛ばしに飛ばしている。単行本1巻は6月27日発売。オススメします。「ダービージョッキー」も買おうかなあ。それにしてもこの人はもうヤングサンデーには描かないのだろうか。だとしたら、ヤンサンはまた一人、惜しい作家を逃すことになるな……。

 宮尾岳「並木橋通りアオバ自転車店」は、町と人のことを考えた、こだわりのおりたたみ自転車を営業して回っている職人さんのお話。「プロジェクトX」的なところがあって、ちょっとグッときた。佐野タカシ「イケてる2人」は、なんだかんだで佐次と小泉がアツアツ。微笑ましいです。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 6月号 竹書房 B5中

 次号から新連載を9本投入するということで、本そういち「麻雀無限会社39」以外のほとんどの連載を第一部・完でぶったぎり。目次ページ4コマの坂本タクマ「シンケン君」はさすがに残るかな。それにしても竹書房はときどき凄いことしますね。個人的には作:朽葉狂介+画:清水洋三「雀蜂」は、このまま終わるのはちと惜しいかなと思う。渋谷の町を麻雀で支配せんとするチーマーたちによる戦国図巻という、たいへん馬鹿馬鹿しいことをやっていたので。城埜ヨシロウ「ウラセン」も、このままフォローなかったらかなりかわいそう。

 あと今号には読切で、原田重光「麻雀お嬢なつみ」が掲載。今回も激しく下らない。相手の3人がSMの女王様とその奴隷という設定。主役のなつみによる逆転のイカサマ(といっていいのか……)が、ムチャクチャ馬鹿らしくて笑った。当然単行本にはまとまらないんだろうなあ。作:大西孝之+画:小西紀行「スライバンド」もかなりなものだ。とある男がギャル3人に麻雀に誘われるのだが、その3人が麻雀やりつつ携帯メール打ちまくり。イカサマの種明かしは最後にされるけど、そもそも3人で同時に携帯使ってる時点でイサマも何も……。さすがにこんな証拠の残るやり方するのは阿呆だと思う。

【雑誌】ヤングマガジン 5/23 No.23 講談社 B5中

 宮下英樹「センゴク」は今回も力強くて面白い。戦国武者の荒々しさを、激しさをとてもカッコよく描けていると思う。押切蓮介「でろでろ」。今回は耳雄妹の留渦が多めに出ていてうれしいな。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 5/23 No.23 小学館 B5中

 業田良家の読切「荒野詩人」は、すさんだ町で虚無を払うような詩を作り続けている詩人と、彼との出会いをきっかけに変わっていく少女のお話。まああざといっちゃあざといんだけれども、メッセージ性はあるし、お話としても手堅くまとまっている。せきやてつじ「バンビ〜ノ!」。省吾がついに火の七日間を乗り切って一段落。そういえば彼は大学3年生だったのだなあ。まあ学校はやめちゃう線が濃厚か。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 5/23 No.23 集英社 B5平

 田村隆平の読切「大宮ジェット」は、学園に通いつつ正義のヒーローをやってる少年少女が、悪を倒すために奮闘するというお話。基本はドタバタコメディテイストながら、クライマックスは熱血。絵は整っててなかなかうまいと。たださほど複雑なお話でないわりにセリフが多すぎて、ちょっと読みにくいと思った。そこらへん整理してメリハリつけてくれれば、という感じ。画面はもうちょっと大胆に使っちゃっても良いと思う。作:ほったゆみ+画:河野慶「ユート」。ショートトラックスケートの話をやっているが、ロングに比べるとカタルシスの面で弱い。まだ12話の段階なので、もうちょっとストレートにスケートの面白さ、気持ち良さを見せる展開にしても良かったかもしらんですなあ。


5/8(日)……Do it 相撲

▼今日は復刻系の作品を中心に。

【単行本】「どいつもこいつも ワイド版」1〜3巻 雁須磨子 白泉社 B6 [bk1][Amzn:1巻/2巻/3巻

 ついに全部揃いました。思えば最初のバージョンの最終巻となった4巻が出たのが、2000年の10月。その後、普通に全部出るだろうと思って気を抜いてたら5巻以降が出なくて悔しい思いをさせられた「どいつもこいつも」。今回ワイド版になって最終話まで収録され、ようやく積年の大怨が解消。

 お話のほうは、陸上自衛隊に所属する朱野という女の子と、彼女を心憎からず思う同僚男子の乙犬、そして彼らの周囲の面々による自衛隊内ドタバタコメディ。自衛隊を舞台にしていながら、訓練とかの描写はかなりテキトー感が強く、まるで学園ラブコメみたいな感じでお話は推移する。その独特のゆるゆる感がとても楽しい作品だった。キャラクターもちょっと変わった人ばかりで、やたらめったら天然な朱野、犬みたいにキョロキョロした乙犬、美男だけど不器用なイジラレキャラの立花、立花にやたらちょっかいをかけてくる上官カップルの岡二曹と綾瀬三曹……と、みんな個性的。彼らの行動は思わず笑ってしまうほどのオマヌケぶりで、肩の力が抜けまくり。でも一番天然なのは、作者の雁須磨子だと思う。せっかく自衛隊に取材に行っているのに、そういうディティールは全部すっとばして、みんなで遊びに行く話とかバレンタインの話とか、旅行話とかに終始する。そのボケっぷりに最後までやられっぱなしだった。本当に面白いと思います。

【単行本】「猿王」 仲能健児 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]

 1994年にモーニングKCで発売され、絶版となっていた「猿王」が復活。宇宙と自然のひずみから生まれた強大で邪悪な、猿の姿をした悪魔にとりつかれた一人の日本人旅行者が、インド各地を逃げ回るという物語。仲能健児の作風はいつ見ても独特で、ヘンな形の頭をしたキャラ造形、コミカルながら細かい描き込み、いかにもインドインドした雰囲気などなど、怪しさ満点。物語もスペクタクルなんだけど、ユーモラスでもあり、混沌としたイメージに満ちている。絵も話もみんな怪しい。講談社版の刷り部数が少なかったので、手に入れられないでいたマニア筋の人もけっこういたと思うので、こうやって出し直されたのは喜ばしい。

【単行本】「犯罪交渉人 峰岸英太郎」4巻 記伊孝 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 カルト教団による立てこもり事件が起き、そこに英太郎ら交渉班も出動する……という一連のカルト教団編がスタート。こういったケースで交渉人のできることがどれだけあるかと考えると、オウム事件を見る限りあんまりなさそうにも思えてしまうし、なんとなく浮ついた展開という印象も受ける。それだけにここからどう事件を解決まで持ち込んでいくかは腕の見せ所。来年初頭発売予定の5巻で完結するとのこと。とりあえず楽しみに待ちます。

【単行本】「魔幻戦記 サイバー桃太郎」 山口貴由 リイド社 B6 [bk1][Amzn]

 JACKPOTで連載された作品で、最初のバージョンの単行本が1992年発売。というわけで作品としてはかなり古め。いったん鬼にやぶれてサイボーグ化した、パンクな外見の桃太郎が、まざまな悪と戦っていくという冒険活劇。桃太郎の戦いぶり、強さの源についてはとくに説明がなく、とにかく気合い一本槍。バトル的には激しくパワフルで、桃太郎が敵をやっつける様子は痛快。ただ一話完結で、悪役側も異形ながらやられキャラ風味がビシバシ漂っているため、豪快にやっつけてはいてもちょっと物足りなさは感じる。今「シグルイ」とかを読んでいる人があえて読んでみて、面白いと思うかというと難しいかもしれない。

【単行本】「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」9巻 安彦良和 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 この巻から、シャアとセイラの生い立ちを描きつつ、ファーストガンダムまでの時代の流れを追っていく「シャア・セイラ編」がスタート。お話的にものすごく面白いというほどではないものの、子供のころの二人や、若き日のザビ家の面々らの姿を観察するのはそれなりに楽しい。幼女セイラのネコミミモードとか、昔から人が良いドズルさんとか、若々しいランバ・ラルとか。キャラ萌え充足作品といっても過言ではないかも。


5/7(土)……週休ふつつか

【雑誌】FEEL YOUNG 6月号 祥伝社 B5平 [定期購読:7andyicon

 宇仁田ゆみ「ゆくゆく」。「トリバコハウス」シリーズの番外編の最終章。というか事実上、本編の最終回といってもいいかな。ラストはミキ+鎌谷のメインカップルのお話をやって、きれいに締めくくり。最初は自己中な男のせいで不幸オーラを発揮、頼りなかったミキだけど、鎌谷と出会ったことをきっかけに成長。恋愛模様も微笑ましかった。前向きな物語に仕上がってて、きっちり楽しめた。読切のコナリミサト「うさぎ2005」は、ページ数は少ないけれどもキュートでオシャレな絵柄がパッと目をひく。比古地朔弥「ライジングガール!」は最終回。最後まで力強くスポ根だった。ちゃんと単行本になるか気がかりだったが、夏発売予定との告知があったので安心した。

【雑誌】YOUNG YOU 6月号 集英社 B5平

 今回も読切が多く、上野愛、清原なつの、山田ユギ、勝田文、北河悦吏子+松苗あけみが登場。読切が多いこと自体はうれしいが、前にも書いたとおり連載の本数が少ないので号によって出来不出来がハッキリしてしまうのは難。今号では連載のうち、谷地恵美子「すぐりの季節」が終わったので終了。強い連載ももっと出てきてほしいところだけど……。

 読切組の中では、山田ユギ「ふつつかな兄ですが」が読みやすかった。オタクで偏屈だった兄が突如49歳の女性と結婚したと聞き、その妹さんが様子を見に行くというお話。兄のちょっと丸くなった様子を描きつつ、妹のほうの恋愛話もさりげなく進めているところが良い具合だった。勝田文「シンガポールの月」。すごい豪邸を持った男と結婚した美人さんが、その家に引っ越したけど、そこにはヘンな間借り人が複数いてドタバタした共同生活状態に突入……という内容。ラストはきれいにまとまってたと思うけど、ネームを詰め込みすぎた感があって、勝田文にしては読みづらかった。もう少しゆるゆるなほうが好みです。

【雑誌】MUJIN 6月号 ティーアイネット B5平 [定期購読:7andyicon

 瀬菜モナコ「搾りたてをど〜ぞ♥」は、Hな気分になると母乳が出てしまう体質の女の子が、好きな男子とのデート中に乳が止まらなくなって困っちゃう、という内容。乳のボリューム感やおんんあの子のかわいさなど、なかなか良い感じ。ただエッチシーンになだれ込むまでの前置きが12ページもあるのはちょっと長いかな。あんまり即エッチとなりすぎるのもなんだけど、お話自体はシンプルなんで、もう少し展開は早くしても良かったかも。小暮マリコ「マイモーニングコール」は兄妹話。毎度のことながら華やかな絵柄。ピチピチでボリューム感たっぷり。黒龍眼「疼き妻」は巻中カラー。欲求不満の人妻さんを、男たち数人でねっちりというお話。つやつやした肌の描き方がいやらしくて良いです。しなま「告白ハイキック」。空手少女と主人公男子が結ばれるというお話。胴着少女ネタはわりと好き。お話もオーソドックスな青春恋愛Hモノとしてまとまってる。

【単行本】「コドモのコドモ」2巻 さそうあきら 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 小学生の少女が出産するというテーマで、一見地味ながらも読みごたえのある作品を作っている。最初は軽い気持ちだったがだんだん事態を重大なこととして受け止めるようになっていく春菜や、周囲の子供たちの心の揺れの描き方は丁寧で見事。また春菜を中心として子供たちが貴重な経験をしていく様子を前向きにとらえ、しっかり成長物語として描いているのも好感が持てる。センセーショナルに事件性ばかりを強調するようなアプローチとは一線を画している。子供の無力・無知さと、たくましさを同時に描いていく、さそうあきらのバランス感覚が光る。

【単行本】「ホーリーランド」10巻 森恒ニ 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 ショウゴの通っていた道場の空手野郎と戦ったことをきっかけに、今度は路上の喧嘩屋だけでなく、武道や格闘技をやってる競技者たちも相手にしなくてはならなくなってきたユウ。というわけで路上の技術が、競技者に通用するのか、また通用するとしたらそれはどういうケースなのか、といったことがテーマになってきている。格闘ウンチクは相変わらず豊富に盛り込まれており、これまでと変わらず安定したぺースを保持。ちゃんと面白いです。

【単行本】「みたむらくん」3巻 えりちん 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 毎度暑苦しくてくだらない。30台そこそこなのに中年太りでアブラギッシュでムサくて馬鹿なみたむらくんが、この巻も情けなくみっともない行動を繰り返す。でも案外みたむらくんは女人とも縁があるなあ……。馬鹿でも行動力があるので、それなりに強い。意外とちゃんと結婚とかするかも。それにしても、ヤングアニマル連載作品はたいていアニメ化かドラマ化されているけど、さすがにこの作品はないだろうなあ。

【単行本】「ガタピシ車でいこう!!迷走編」4巻 山本マサユキ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 車や改造系のネタを使ったドタバタコメディを、今回も楽しくやっている。安定感ばっちりで、力を抜いて読める。この巻では、巨乳の運送屋のおねえちゃんの話で、彼女が登場するコマすべてで「ブルン」とか「バイン」とか擬音が入ってるのが一番ツボだった。で、迷走編はこの巻で完結。といってもすでに暴走編が始まっているので、ガタピシワールドはまだまだ続く。

【単行本】「かみちゃまかりん」6巻 コゲどんぼ 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

 今回はほとんど神化(変身)シーンはなし。お話の本筋はなんかよく分からん状態になってきているけど、ヒロインの花梨と、和音くんのラブコメ模様はかわいく微笑ましい。まあ全体的には平和な感じです。

【単行本】「しあわせねっ」1巻 ともち 芳文社 A5 [bk1][Amzn]

 ともちの初4コマ単行本。4歳のかわいい娘さんがいる若夫婦の愛情たっぷりな日常を描いていくというもの。ともちらしい人畜無害感充満してて、すごくほのぼのしている。あまりに平和すぎて1冊呼んでるとちょっと飽きてくるところがなきにしもあらず。学校教師である旦那さんのほうに恋している、ちょっとヘンな女子高生が、もっと日常的にからんできてくれると良いかな〜という感じ。


5/6(金)……舐めコイン様

▼吉田戦車のエッセイ集「なめこインサマー」[bk1][Amzn]を読了。といってもすでに読んだ「ニューボンボン」(単行本未収録だった分も含む)が中心なので、初めて読んだ文章は子育てエッセイの「珍ごはん」など、あまり多くはなかったけど。単行本全体で見ると、わりと古めな文章が多い。最近ではスペリオールで映画評の連載などもやっている吉田戦車だが、文章的には今のほうが自分としては好きかな。「ニューボンボン」のときよりも、文章がまろやかになっていると思う。もちろん「ニューボンボン」当時の勢いも好きだけど。それにしても吉田戦車って文章もうまいんだよなあ。文章も絵も、ほかの人にはない味がある。うらやんでもしょうがないと分かっちゃいるけど、やっぱり羨望を禁じ得ない。

【雑誌】ヤングガンガン 5/20 No.10 スクウェア・エニックス B5中

 大高忍「すもももももも〜地上最強のヨメ〜」が今回も面白かった。前回、置き去りにされて巨大海ヘビに食われかけ、ひねくれてしまった孝士を癒すため、もも子があの手この手を尽す。オチがベタだけどくだらなくて思わず笑ってしまった。テンポが良くてうまいです。あと普通の絵柄もかわいいけど、崩した絵柄がまたいい。もも子が孝士のことを「こうしどの」と呼んでまとわりついてくる姿が見てて楽しい。作:原田宗典+画:井田ヒロト「戦線スパイクヒルズ」。女子高生キクチさんに骨抜きにされる天才スリ少年・ノムラノブオ。キクチさんには何か狙いがありそうだとはいえ、ここまで急速に進展するというのはちょっと驚き。キクチさんはかわいいし、こりゃあ思春期の少年にとってはひとたまりもありませんなあ。いやまあ思春期の少年に限らず、例えば30台の自分が同じ立場だったとしてもひとたまりもありませんが。

【雑誌】ヤングアニマル嵐 6/19 No.1 白泉社 B5中

 今号から月刊化ということで号数もリセットしてNo.1から。とはいっても執筆陣はこれまでと基本的には変わらず。読切で村枝賢一「人魚人」が掲載され、藤島じゅん「ぎゃんぶる太平記」、玉越博幸「ごめんね、マリア様」が新連載になったくらい。従来からの連載陣で良かったのは甘詰留太「年上ノ彼女」。努が同棲している家に、おじゃま虫が転がりこんできたせいで思う存分イチャイチャできずにフラストレーションたまりまくりのアゲハと努。二人が焦らされて鼻血噴きそうなくらいにたまっていく様子が、アツアツぶりをより強く印象づけてくれる。いや〜甘ったるいですなあ。甘露甘露。まあお話としてはクライマックスはすでに過ぎているのだけど、今後はこのまま超濃厚甘口路線でずっと行くんすかね。

【雑誌】別冊モーニング 6/6 No.5 講談社 B5中

 ありゃ、菅原雅雪「暁星記」が最終回……。お話自体はまったく決着がついてなくて未完の状態なんだけど、もう続きはないんですかー? うーん。壮大なお話だけにこの掲載ぺースではつらいことは確かなんだが、これは残念だなあ。単行本描き下ろしでもいいので、なんとか最後まで持っていってもらいたい。諸星大二郎「私家版魚介図譜 魚の夢を見る男」は、仕事や家庭生活に息苦しさを感じ、趣味である魚や海の生物の観察にのみ心の安らぎを見出していた男の物語。いつもながら風変わりな内容を、落ち着いた筆致で読ませる。さすがの安定感。

【雑誌】ヤングジャンプ漫革 5/6 VOLUME-45 集英社 B5中

 駕籠真太郎「仰ゲバ尊し」。人々が小学校内に隔離され、大人になっても卒業することを許されず、延々小学生として生活することを強制された閉鎖社会を描いた作品。ヤンジャン系列ということで、駕籠真太郎としては大人しめ。なお7月に集英社から駕籠真太郎のSF短編集発売が決定したとの報あり。坂井恵理「Bloody Orange Girl」は、心に傷を負うとそれが現実に肉体の傷となる少女がヒロイン。その傷はほかの人には見えないが、唯一その傷を見ることのできる少年が彼女に恋をして、その存在によって彼女は癒されていく、という青春ラブストーリー。絵柄がキュートで、爽やかに手堅くまとまっている。

【雑誌】ヤングサンデー増刊 6/14 小学館 B5平

 ヤンサンの増刊だがメインはアイドルグラビア。北崎拓「クピドの悪戯」、作:室積光+画:猪熊しのぶ「都立水商!」、大谷じろう「下北GLORY DAYS」、松山元「NUDE」の番外編がそれぞれ掲載されているけど、まあこれは添え物でしょう。別にグラビアが悪いとはいわないけど(というか水着のねーちゃん自体は好きだし)、ヤンジャンやモーニングの別冊が漫画で商売しているだけに、なんだかなあと思ってしまう。ヤングサンデーは漫画でまともに勝負しようっていう気はもうないのかも……とかいう考えが頭をよぎり、昔のヤングサンデーが好きだった人間としてはなんか寂しい気分になる。

【雑誌】桃姫 6月号 富士美出版 B5平

 島本晴海「ちゅ〜♥ぺっと」。現在第17話でそろそろ最終局面。藤川がいよいよ核心に迫り、イチゴちゃんと結ばれる。でももう一波乱二波乱はあるかな。しっかり読ませるストーリーを作ってて毎度続きが気になる作品。Cuvie「SHY SHY GIRL」。普通にラブコメながら、しっかり甘く、エロもきちんとやっててうまい。それにしてもこの人は最近本当にいろんなところで見かける気がする。そう思って作者ホームページを見てみたところ、4月22日の日記によれば、この1か月くらいの掲載誌は美少女的快活力、夢雅、桃姫、快楽天BEAST、それからドラゴンエイジで、ドラゴンエイジが60ページあるからこれだけで132ページいってる。隔月誌も含まれるとはいえ、2か月分としても十分な分量。頑張ってるなあ。絵柄がソフトで口当たりが良くエッチもしっかりやってて、後味が爽やかだからどの雑誌にも合う。どの作品見てもクオリティが安定してて楽しめるし、いい仕事してると思います。

【雑誌】コミックPOT 6月号 メディアックス B5中

 木静謙二「昼下がりの団地妻」。相変わらずエロい絵柄だけど、今回は仕上げ段階まで行ってないままの掲載っぽい。人妻モノということで好きなネタだけにちょっと残念。そういえば木静謙二の単行本は、2003年4月の「かてきょ」以来出てないので、そろそろまたまとめてくんないかな。ひねもすのたりは初登場。女性漫画家がランプの中から出てきた悪魔っ娘ならぬ魔神っ娘とエッチするという内容の「らんぷらんぷ」という作品。相変わらず柔らかい絵柄で安定感あり。


5/5(木)……鉄腕ATM

▼コミティアに行ってきました。会場は熱気ムンムンだった。気温的に。外への扉が最初のうちは開放されてなかったらしく、とにかく暑苦しかった。会場に着くなりYシャツ脱いで、Tシャツ1枚でちょうど良い感じだった。購入本についてはまたそのうち。今回は、前回よりは少なめだったかな〜。

▼コミティアに行くさいに困ったのが、ゴールデン・ウィークだったためATMで軒並み金をおろせなかったこと。自社の奴ならOKだけど他社のはダメってところが多くて、たいへんイライラが募り申した。前もっておろしとけば良かったんだけど、すっかり忘れてた。しょうがないのでクレジットカードを使ってキャッシングしたけど、クレジットカード持ってなかったらヤバいところだった。ライフラインに等しいものなんだから、祝日でもちゃんと使えるようにしといてほしいですな。

▼コミティア後は、知り合いの方数名と一杯ひっかけて帰る。2次会で入ったお店が、おひつで白飯を出してくれるところで、なんかみんなもりもり食ってた。それでお腹が膨れたせいもあってか、そんなに飲まなかったので悪酔いしないで済んだ。でもまあ酒は入ってたので、本日は2冊しか読んでおりません。

2005年5月5日コミティア購入本感想

【雑誌】花とゆめ 5/20 No.11 白泉社 B5平

 樋口橘「学園アリス」は、ようやく普通の生活に戻ってきて、みんなが棗のために誕生日プレゼントを選んであげるというお話。ほのぼの系ではあるのだけど、棗を取り巻く環境自体はさらに厳しくなっていて、今後もシリアス展開は随所に入ってきそう。それにしても樋口橘の絵は、最近さらに線がきれいになって、蜜柑の美少女化が進んでますね。日高万里「V・B・ローズ」は、有坂の同級生という新キャラが登場。めがねっ娘でドジっ娘天然系のちょっとヘンな人。でも美人。ラブコメ的ドタバタ感が増してて面白い。

 高尾滋「ゴールデン・デイズ」は2回め。美少年二人がなんかからんでいる。今回はわりとストレートにやおいな路線でいくんかな。個人的にはそっちのほうが高尾滋の持ち味が出て良いかと思いますが。イチハ「女子妄想症候群」。滸をお姉様と呼びなついていくる後輩女子の出現で、滸をめぐる争奪戦激化。さらに滸も鼻血をぷーぷー噴きまくり、賑やかで楽しい展開。テンション高めで好きです。みなみ佐智「虹色JOKER」も、主人公の姫が、化学部の変人・城島に告るも、姫を狙う有名マジシャンも登場して三角関係状態に。こちらもラブコメ度が高くてけっこう面白い。

【雑誌】少年文芸 Vol.01 新風舎 A5平 [Amzn]

 純然たる漫画誌というわけではなく、「詩とマンガと小説」のハイブリッド誌。公式ページはhttp://www.pub.co.jp/syonenbungei/。漫画については五十嵐大介、クリハラタカシ、古泉智浩、こうの史代、近藤聡乃、さそうあきら、島田虎之介、村田朋泰という、アックスっぽい小賢しげなラインナップ。基本的には好きな作家さんが多いが、ショート中心なので「これがとくに」って感じにはならないかな。まあ各作家さんのファンならいちおう押さえておくのも良いかと思います。


5/3(火)5/4(水)……me for A

▼ゴールデンウィークだらけモードのため、今回も2日分まとめての更新。

▼そうかー、アニメ「Sweet Valerian」のDVD[Amzn]にはやっぱりテレビ未放映話が追加されるんだなあ(詳細)。でも1本につき3.5分×6〜7話で5040円×4は高すぎる。時間でいえば30分アニメ4話分程度だし。全2巻に収めてくれれば買ってたかもしれないのになあ。残念。

▼2月のコミティアの同人誌感想をまとめて。今回のコミティアは5月5日(木)。当日朝まで感想を引っ張ってしまうとは……。もー少し余裕を持って読みたかったところですが。次回は頑張ろう。

2005年2月20日コミティア購入本

▼それから5月の単行本購入予定。データはbk1まんが王倶楽部の新刊予定を参考に作成。リンク先はAmazonのワード検索。リンク先URLはスクリプトによる自動生成なので、まだAmazonのデータベースに登録されておらず、該当物件が表示されないリンクもありますのでご了承ください。

▼2005年5月購入予定
5/6 「しあわせねっ」1巻 ともち 芳文社
5/中 「ファミリーレストラン」 雁須磨子 太田出版
5/中 「ケツのある通路」 砂 太田出版
5/12 「シード・ガール」 矢凪まさし 双葉社
5/14 「迷宮百年の睡魔」 スズキユカ 幻冬舎コミックス
5/14 「スパイシー・カフェガール」 深谷陽 宙出版
5/14 「Life is Peachy?」 鬼束直 茜新社
5/16 「ふわふわ悪魔」 阿部潤 秋田書店
5/17 「よにんぐらし」1巻 宇仁田ゆみ 竹書房
5/18 「からくりサーカス」37巻 藤田和日郎 小学館
5/19 「月のパルス」2巻 くらもちふさこ 集英社
5/下 「それがし乞食にあらず」 平田弘史 青林工藝舎
5/20 「恋愛ジャンキー」15巻 葉月京 秋田書店 
5/20 「ピースオブケイク」2巻 ジョージ朝倉 祥伝社
5/23 「ふたつのスピカ」8巻 柳沼行 メディアファクトリー
5/23 「人斬り竜馬」 石川雅之 リイド社
5/23 「しおんの王」2巻 安藤慈朗 講談社
5/23 「はるか17」6巻 山崎さやか 講談社
5/23 「がんばれみどりちゃん」1巻 唐沢なをき 講談社
5/23 「もやしもん」1巻 石川雅之 講談社
5/25 「いばらの王」6巻 岩原裕二 エンターブレイン
5/25 「コーヒーもう一杯」1巻 山川直人 エンターブレイン
5/25 「すもももももも 〜地上最強のヨメ〜」1巻 大高忍 スクウェア・エニックス
5/25 「一騎当千」9巻 塩崎雄二 ワニブックス
5/25 「快速!FREE NOTE Book!!」2巻 すがわらくにゆき ワニブックス
5/25 「ハツカネズミの時間」1巻 冬目景 講談社
5/25 「おうちでごはん」1巻 スズキユカ 竹書房
5/25 「妹がんばってます!」 舞登志郎 オークス
5/26 「99ハッピーソウル」 大岩ケンヂ 角川書店
5/26 「愛気」1巻 ISUTOSHI 少年画報社
5/30 「ライドバック」4巻 カサハラテツロー 小学館
5/30 「ナツノクモ」4巻 篠原六郎 小学館
5/30 「最強伝説黒沢」6巻 福本伸行 小学館
5/30 「キーチ!!」7巻 新井英樹 小学館
5/30 「アグネス仮面」6巻 ヒラマツ・ミノル 小学館
5/30 「」39巻 村上もとか 小学館
5/30 「ろりえろ」 ねんど。 東京三世社
5/未 「月光シャワー」 坂口尚 チクマ秀版社


5/1(日)5/2(月)……人名伝

▼ぼえーっとしていたら時間がどんどん過ぎていき、更新が遅れました。というわけで2日分まとめて。

▼アニメ「SAMURAI7[Amzn] NHK BS-Hiで最終回。キャラクターデザインがカッコ良く、「七人の侍」をベースに置きロボットやメカありで仕立てた世界観はユニークだったが、途中の展開がずいぶんまったりしてたし、お話としてはちょっと盛り上がりに欠ける部分があった。また、侍たちが生身+剣で巨大ロボットをぶった斬ったり敵の戦艦の主砲をはねかえしたりと、常識外れに強すぎるのも難。例えば侍の剣の特異性を語るエピソードを1話入れるとか、強さの秘密を納得させてくれる仕掛けは欲しかった。作画は途中不安定な部分も見られたがおおむね端整でカッコ良かったし、各登場人物にも愛着は持てた。面白くないわけではなかったものの、もう少し行けたんではないかなあという想いが残る惜しい作品。

▼未読物
【単行本】「コドモのコドモ」2巻 さそうあきら 双葉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ホーリーランド」10巻 森恒ニ 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「みたむらくん」3巻 えりちん 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「どいつもこいつも ワイド版」3巻 雁須磨子 白泉社 B6 [bk1][Amzn:1巻/2巻/3巻
【単行本】「ガタピシ車でいこう!!迷走編」4巻 山本マサユキ 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「犯罪交渉人 峰岸英太郎」4巻 記伊孝 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「かみちゃまかりん」6巻 コゲどんぼ 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

【雑誌】ヤングキングアワーズ 6月号 少年画報社 B5平

 今号から平とじになってページ数も増えた。それにともなって新連載、森山大輔「ワールドエンブリオ」、水上悟志「惑星のさみだれ」がスタート。どちらもアクションもので、とりあえずは導入部。うまく軌道に乗ってくれると良いですな。また新シリーズとして如月戒「校庭少女」も始まった。こちらは擬人化萌え漫画ですか? 初っぱなから、ドッヂ・ボールのボールを萌え少女化してたりしますが。コンセプトはユニークなんで、転がしようによってはなかなか面白いことになるかも。

 石田敦子「アニメがお仕事!」。挫折して引きこもったニ太とは対照的に、イチ乃は一人暮らしを始めてたくましく成長中。しかしそんな中、彼女が所属するプロダクションの経営は窮地に。ここらへんの事情は詳しく描いてくれると興味深いことになりそう。ただ、イチ乃レベルがどうこうできる話ではないだけに、あんまり詳しくやりすぎても本題からは離れることになるかな。小野寺浩二「妄想戦士ヤマモト」。オタクの興をそぎまくる、若手芸人ノリな女の子がヤマモトに告ってきて……というエピソード。たしかにこのノリはオタク的には天敵っぽい。まさに水と油。オシャレ系の人とかではなく、関西弁の芸人的キャラと、オタクの食い合わせの悪さをネタにしてきたところはなかなか鋭いなと思った。

【雑誌】コミックフラッパー 6月号 メディアファクトリー B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 ヤングキングダムで「Monkey Magic」を描いていたアキヨシカズタカが読切で登場。「双月巫女 -gene maiden-」という、巫女さんの生活をファンタジーテイストで描いたお話。「Monkey Magic」や「バランスA子さん!」のころより、線を淡いタッチにして、女の子をカワイイめにしてきている感じ。この絵柄ならフラッパーとかアワーズあたりにもマッチしそうな気はします。竹本泉「さくらの境」は、ささちゃんちにいる10匹のねこの話。その合間合間で、ふたちゃんのあまえんぼさんぶりがアップしている様子が描かれていて、百合っぽいものを観察する楽しさにあふれている。岡本一広「トランスルーセント 彼女は半透明」は今回も良かった。単行本もついに1巻が6月23日に発売する模様。良かった良かった。

【雑誌】コミックバーズ 6月号 幻冬舎コミックス B5平 [定期購読:出版社

 PEACH-PIT「Rozen Maiden」。ジュンがひきこもるきっかけとなった事件につっこんだ回。ジュンの傷つきやすさがググッと身にこたえる。今回の救いは、乙女番長・金糸雀(というローゼンメイデン)がかわいかったことでしょうか。雑誌全体としてはあんまり面白くないです。全般に、きれいにできてるんだけどフックが弱い作品が多くて、読んでいても絵と文字が意識の表面をつるつるすべってっちゃうような感じを受ける。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツCasual 6/2 小学館 B5中

 北崎拓の読切「水のむこう夕焼けの」は、カメラマン志望の青年が、かつて同じクラスだった、ちょっと不思議な少女との甘酸っぱくてステキな思い出に浸るという青春ストーリー。少女の輝きをフレッシュに映し出していて、さすがのうまさを感じさせる。織田昭代「のり男とのり子のラブゲーム」。ガリ勉少年と超頭の悪いガングロ少女の恋愛物語。濃い目の絵柄で恋愛ネタのギャグをやってて、けっこう楽しく読める。ギャグ的には大笑いするってほどではないが、ほのぼのしてるのは良い。尾前雄一郎「白天高校演劇部」。女子校から男女共学になったばかりの高校の演劇部で、たった一人の男子が女子たちを相手に大立ち回り。男子と部長の女子のノリが妙に豪快なのがくだらなくて面白い。絵柄は中山昌亮似。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 5/20 No.10 小学館 B5中

 ビッグコミックオリジナル増刊で「岳 みんなの山」を連載中の俊英・石塚真一がシリーズ連載を開始。「東京チェックイン」。世界中を一人で旅し、現地の人たちの人情味に触れてきた男が、外国人旅行者が集う、東京にある実家の旅館を継ぐ……という内容。今回は2話を一挙掲載。安定した筆致で、人間と人間のドラマをしっかり描き出せる作家さんだけに期待してます。

 弘兼憲史「黄昏流星群」は新章開始。いかにもヒロカネという感じの、脂っこくて生臭いエピソードで来た来た〜とか思った。今回の主人公は年金生活開始とともに家族を離れ、アパートで悠々自適の一人暮らしをはじめた老年男性。その彼に、趣味で絵を描いているスケッチクラブの女性3人組が声をかけてきて、男は裸夫モデルをやることに。最初は和気あいあいと楽しくやっていた4人だったが、男がモデルをやっている最中に男根を屹立させてしまったことをきっかけに、スケッチクラブの人間関係が変化していく。今回はその導入部だが、脂ぎったおじさんおばさんの愛欲模様が生々しく展開されそうで、下賤な興味をそそる。あと弘兼憲史は、やっぱりご年配の方々のたるんだ肉体を描くのがやたらうまいと思う。

 深巳琳子「沈夫人の料理人」は、沈夫人のイジワルっぷりがいつもながら楽しい。料理のほうもおいしそうですなあ。福本伸行「最強伝説黒沢」は、黒沢さんがモテないオーラをさらに増幅中。それにあ然とする若い衆の様子もまた面白い。

【雑誌】漫画アクション 5/17 No.11 双葉社 B5中

 相原コージ「真・異種格闘大戦」。動物同士の格闘大会をずっと描いてて、何気にシュールで面白い。今回からはゴリラvs.アフリカスイギュウという、なんかシブい組み合わせ。展開の予想が全然つかないな。

【雑誌】近代麻雀 6/1 竹書房 B5中

 天獅子悦也「むこうぶち」。モリエモン編最終回。もっとルールの盲点を巧みにつくようなやり方でいってほしかったのだが、意外とアッサリと力技でモリエモン陥落。ちょっと歯ごたえがなかったが、モリエモン百面相は見てて面白かった。あと脇役の人の「おおう ザッツ豪気!」とかヘンなセリフにちょっと笑った。青山広美「東風のカバ」。カバの元恋人・ルミちゃんが、「朝から晩までオ○コ祭り」の人として再登場。そのわりには東風荘はやるのね。いろいろしっかりシカケを施しつつ、くだらなくかつ分かりやすい要素も織り交ぜてくるところはぬかりないなと思った。

【雑誌】ポプリクラブ 6月号 晋遊舎 B5中

 なぎさわゆう「ゴシックプリンセス」前編。ゴスロリなお嬢さまが退屈しのぎに男を拾って、その彼とエッチな遊びに耽るという内容。お嬢さまがちんまりした薔薇乙女っぽいかわいさを発揮しててなかなかええ感じ。いわまよしき「アニタとアルベール」はメイドさんもの。おかっぱ頭と帽子のリボンがかわいいですな。De「万博士の発明ノート」。こちらもメイドだが、仕えている相手はマッドサイエンティスト。めがねっ娘メイドさんのイタズラっぽい表情が見てて楽しい。

 みつや「キバのラーメン」は、ラーメン屋の青年とその看板娘さんのラブラブストーリー。二人の信頼関係が気持ちよく描かれているのが良かった。エロ度というよりは、キャラクターの持つ人情味が個人的には好印象。井ノ本リカ子「教えて!おネエさん」は短期集中連載の最終回。BENNY'S「個人看病♥」は看護婦さんモノ。どちらも年上のお姉さんもので、安定したクオリティ。考えてみればもうこの二人もエロ漫画業界ではベテランだけど、こういう安定した人たちが底支えしているというのは雑誌的には心強いと思う。星逢ひろ「世界の果てまで連れてって」。この人も毎度安定してます。

【雑誌】コミックメガストアH 6月号 コアマガジン B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 RIKI「モテモテ天国」は相変わらずバカっぽいノリが素晴らしい。脳味噌のトロけそうなセリフの数々、乳首浮きまくりのセーラー服など、バカ描写のてんこ盛り。面白いなあ。第2単行本「コケティッチュ」も7月19日に発売するとのこと。初回限定版はドラマCDがつく予定。このバカゼリフを声に出して読むのか〜。コレは面白そうだ。

 長谷円「青い果実」。超お金持ちでたてまきロールなバリバリのお嬢さまが、同級生の男子にメロメロで、エッチなことをさせられてしまう。龍崎麗華みたいにお高めな女子の、激烈なツンデレっぷりが見ていてなかなか楽しい。きのした順市「雪π」。幼なじみのお姉さんモノ。いつもながらすごくボリューム感。デブ専というか太めでぷにぷにした女の人が好き〜というタイプにはかなりいいと思う。ヒロインさんの人の良さそうな表情もグッド。このほかではフクダーダ、ゆきみあたりも良かった。この雑誌は、最初のころはコミックメガストアと比べるとだいぶ落ちるかなと思ってたけど、最近はけっこう人材が揃ってきてますな。


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