2005年11月下旬


11/30(水)……クラックを共にする

▼12月3日お昼。やっと更新できる状態になったので、漫画感想追加。といっても水曜日は2冊しか読んでなかったのですが。

OHP月極アンケートのテーマを入れ替えます。12月のテーマは、毎度おなじみ「単行本収録希望作品2005」です。前回同テーマでやったのが2003年12月。2年経ったので、そろそろたまってきたころなのではないかと。また同テーマは2001年12月2000年3月にもやってますので、その結果も参照していただけるとよろしいと。それではよろしくお願いします。

▼11月分「宇宙モノ」は投票を締め切りました。1位は、たぶん大方の予想どおり幸村誠「プラネテス」。2位には、現在勢いがある太田垣康男「MOON LIGHT MILE」、そして古典的名作である萩尾望都「11人いる!」が入ってきました。実をいえば、11月のテーマをコレにしたのは「11人いる!」からの連想だったり。それはまあ余談ですが、11月分は、新旧織り交ぜつつも出た作品タイトル数は多からず少なからず。投票してくださった方々の思い入れが感じられる作品も多く、個人的にも楽しめた回でした。

【雑誌】週刊少年サンデー 12/14 No.53 小学館 B5平

 畑健二郎「ハヤテのごとく!」。そういえばこの世界内での時間はもう(まだ?)2月なのか……。というわけでバレンタインデーちょっと前で、ハヤテ周辺がいろいろ沸き立っている状況。ハヤテが修行に出されている最中で寂しげなおぜうさまがますますラブコメ生物ぶりを発揮していて良い具合。あと次回からは、ハヤテの元クラスメート、西沢さんが大きく話にからんできそう。しばらく出てないとつい存在を忘れてしまう娘さんだけど、けっこう好きです。

【雑誌】週刊少年マガジン 12/14 No.53 講談社 B5平

 巻頭カラーで本名啓介「クラック!!」が連載開始。なんとなく「焼きたて!ジャぱん」の東くんみたいな奔放な少年が主人公のサッカー漫画。作画的には、その橋口たかしと曽田正人あたりの影響があるかなーといった感じ。赤松健「魔法先生ネギま!」は、武闘会の決勝戦で、ネギとネギパパの短いけど充実した対戦が実現。ネギくんの子供らしさとかが出てて、なかなか爽やかな読後感があった。

 亜桜まる「090〜えこといっしょ〜」。ツンデレな会長さんがメインなお話で、いつにも増してラブコメ度が高い。今回は彼女が、愛するヒロシのために料理を作ろうと奮闘するが……ってな話。なんでもできるように見えて、実はけっこうドジっ娘な会長さんがかわいらしくていいですな。はっとりみつる「ウミショー」では、静岡さんがお休みしててかなめとあむろがお見舞いに行くという内容。いつもながら静岡さんは意味もなくエッチなアイテムとか使ってて面白い人だ。馬鹿馬鹿しくて良い。


11/29(火)……まじスティック12

▼単行本購入予定。データはbk1まんが王倶楽部の新刊予定を参考に作成。リンク先はAmazonのワード検索。リンク先URLはスクリプトによる自動生成なので、まだAmazonのデータベースに登録されておらず、該当物件が表示されないリンクもありますのでご了承ください。

▼2005年12月購入予定
12/上 「おませなプティアンジュ complete」 月野定規 ワニマガジン社
12/2 「太臓もて王サーガ」1巻 大亜門 集英社
12/2 「JIN −仁−」5巻 村上もとか 講談社
12/2 「ピューと吹く!ジャガー」10巻 うすた京介 集英社
12/2 「デスノート」9巻 作:大場つぐみ+画:小畑健 集英社
12/3 「猟奇刑事マルサイ」 大越孝太郎 コアマガジン
12/5 「ソラニン」1巻 浅野いにお 小学館
12/6 「かみちゃまかりん」7巻 コゲどんぼ 講談社
12/6 「赤灯えれじい」5巻 きらたかし 講談社
12/8 「無敵看板娘」15巻 佐渡川準 秋田書店
12/9 「義経ちゃん剣風帖」3巻 小野寺浩二 少年画報社
12/10 「タイル」 大武ユキ 宙出版
12/10 「PET-13」 羽田としのり 司書房
12/12 「こどものじかん」1巻 私屋カヲル 双葉社
12/12 「委員長お手をどうぞ」2巻 山名沢湖 双葉社
12/12 「シートン 第二章 少年とオオヤマネコ」 谷口ジロー  双葉社
12/14 「魔法少女ミルキーベル」2巻 旭 ヒット出版社
12/15 「からくりサーカス」40巻 藤田和日郎 小学館
12/15 「ブリザードアクセル」3巻 鈴木央 小学館
12/15 「青い花」1巻 志村貴子 太田出版
12/15 「艶美」 みやびつづる 司書房
12/中 「特殊能力アビル」 おおひなたごう イースト・プレス
12/16 「怪力の母」1巻 平田弘史 リイド社
12/16 「学園アリス」9巻 樋口橘 白泉社
12/17 「DearS」8巻 PEACH-PIT メディアワークス
12/17 「新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド2nd」4巻 作:GAINAX+画:林ふみの 角川書店
12/17 「見ル野栄司短編集」 見ル野英司 コアマガジン
12/17 「純情痴体 リクエスト版」 ジェームスほたて メディアックス
12/19 「ガールフレンド」3巻 作:外園昌也+画:別天荒人 集英社
12/19 「晴れゆく空」 谷口ジロー 集英社
12/19 「小池田さんと遊ぼう!」 みた森たつや コアマガジン
12/20 「藍より青し」17巻 文月晃 白泉社
12/20 「みたむらくん」4巻 えりちん 白泉社
12/20 「職業・殺し屋。」6巻 西川秀明 白泉社
12/20 「マウス 〜幕末伝〜」 板場広志 白泉社
12/21 「ずーふぃりあしんどろーむ」 栗田勇午 三和出版
12/22 「ふたつのスピカ」9巻 柳沼行 メディアファクトリー
12/22 「トランスルーセント 彼女は半透明」3巻 岡本一広 メディアファクトリー
12/22 「爆音列島」7巻 高橋ツトム 講談社
12/22 「ラブロマ」5巻 とよ田みのる 講談社
12/22 「すずめすずなり」2巻 秋山はる 講談社
12/22 「ロボとうさ吉」1巻 加藤和恵 講談社
12/22 「へうげもの」1巻 山田芳裕 講談社
12/22 「めろめろちゅー」 井ノ本リカ子 晋遊舎
12/22 「おんなのこ×おとこのこ」 星逢ひろ 晋遊舎
12/24 「ニコイチ」1巻 金田一蓮十郎 スクウェア・エニックス
12/24 「一騎当千」10巻 塩崎雄二 ワニブックス
12/24 「Landreaall」7巻 おがきちか 一迅社
12/26 「機動旅団八福神」3巻 福島聡 エンターブレイン
12/26 「ASTRAL PROJECT 月の光」1〜2巻 作:marginal+画:竹谷州史 エンターブレイン
12/26 「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」11巻 安彦良和 角川書店
12/26 「Canvas2 〜虹色のスケッチ〜」2巻 作:FC01・FANDC.CO.JP+画:児玉樹 角川書店
12/26 「ぼくらの」4巻 鬼頭莫宏 小学館
12/26 「ライドバック」5巻 カサハラテツロー 小学館
12/26 「団地ともお」6巻 小田扉 小学館
12/26 「医龍」10巻 乃木坂太郎(原案:永井明) 小学館
12/26 「カムイ伝全集 第一部」7〜8巻 白土三平 小学館
12/26 「殴るぞ」8巻 吉田戦車 小学館
12/26 「ろく式」1巻 市川ヒロシ 双葉社
12/28 「愛気」2巻 ISUTOSHI 少年画報社
12/28 「イケてる2人」22巻 佐野タカシ 少年画報社
12/28 「CAGE」2巻 すえひろがり コアマガジン
12/下 「弓道士魂」 平田弘史 マガジンファイブ
12/下 「異色列伝 無名の人々」 平田弘史 青林工藝舎
12/下 「ブルマー200X」 SABE ワニマガジン社

【雑誌】漫画サンデー 12/13 No.48 実業之日本社 B5中

 作:本庄敬+画:末田雄一郎「蒼太の包丁」。今回花ノ井が参考にするべく親子丼を食いに行った店は、やっぱ人形町の玉ひでがモデルでしょうな。一回行ったことあるけど、たしかにあそこの親子丼はうまかった。なんか読んでたらまた食いに行きたくなってきた。昼時はいつも行列ができてるんで、行くのはちょっとばかし面倒くさいけど。

【雑誌】快楽天 1月号 ワニマガジン B5中

 MGジョー「隣りのみなの先生」が好調を維持。今回は主人公の純平と全員やってる3姉妹のうち、まなもさんに結婚話が持ち上がって、純平の心は騒ぐ……という内容。エロはしっかりやりつつ、ハーレムラブコメとしてもアツアツで濃厚。1本でいろいろオトクな感じのする作品といえましょうか。RaTe「ボクのもの キミのもの」は女装少年モノ。女装してもやたらかわいいけどちんちんはビッグサイズな彼氏と、巨乳な彼女のエロ話。コンビニ売り雑誌なのでRaTeならではのちんちん感はスポイルされてはいるものの、カラッと明るく楽しめる作品。

 島本晴海。「はれ☆ゆき」。妹・雪の公認となってふっきれた姉・晴は、岡島に対して迫りまくり。しかしそれに対して雪はやきもちを抑えることができず……という展開。3人揃ってエッチとかもやってるけど、ラブコメ戦線は混迷の度合いを深めたかな? この後どういうふうに決着をつけるのか、引き続き注目といったところ。ぼっしぃ「放課後」。学校の科学実験室でカップルがエッチという内容。この人は快楽天初登場だけど、かわいい絵柄でなかなか達者。こなれた絵柄で安定感はありそうなタイプ。最近のエロ漫画は新人でもうまい人多いなあ。北河トウタ「奥様は痴女!」は巻中カラーでの登場。カラーページがやけに大人っぽい雰囲気だったけど、モノクロ本編はいつもの絵柄。キュートな絵柄でしっかりエロもこなしてて相変わらずいいですな。人妻さんのいろいろな痴態を見せて、最後できっちりオチもつけてて良いです。

【雑誌】COMICパピポ 1月号 フランス書院 B5中

 逢魔刻壱「風邪と媚薬」が巻頭カラー。年下の彼氏とデートでウキウキ状態、彼をリードしてあげようとか思っていたヒロインだが、風邪でダウン。逆に彼氏にいろいろ面倒みてもらって甘えちゃうのでした、というお話。年上なんだけどちょっと抜けてるところとか、おっぱいがたいへん豊かであるところとか、ラブラブであるところとかが良かった。あとラストシーンで彼氏におかゆを食べさせてもらうお姉さんの表情が妙にエッチっぽいのもグッド。後藤晶「お嬢様とオレ」は最終回。最初はエログッズショップに入ってきたお嬢さまをエロ攻め〜という感じだったが、最後はラブラブな感じでしめくくり。純真なお嬢さまに、次第に骨抜きにされていく主人公の様子も見てて楽しかった。

 大朋めがね「SCHOOL GIRL」。作者の性別は知らないけど女性作家かな? キュートでポップな作風で読んでて楽しかった。内容のほうは、ちょっとバカっぽいけどかわいい女の子が、メガネくんな生徒会所属の頭良さげな先輩につきまとっているうちにエッチに突入、ってな感じ。D.Pは、久しぶりの「ポコといっしょ」シリーズ。たぬき娘のポコが相変わらず丸っちくてかわいい。大人姿に変身したときはムチムチでこちらはこちら良いし。単行本は来年1月下旬に発売予定とのこと。

【雑誌】キャンドール 1/12 実業之日本社 B5中

 中田ゆみ「女神さまの言うとおり」。今回は主人公・久保田の恋人である真鍋先生が、人間の姿に化けてるスケベな竜神にイタズラされてる様子がけっこうエッチで良かった。この竜神はこれからもお話に絡んで来る模様。あと寝取られ系のネタでは、すずきみら「恋来」のほうもグッド。こちらはヒロインである実の元に、AV男優をやってるあんちゃんが料理を習いに通うことになり、主人公の妄想が膨らんで……という内容。実がAV男優のテクにコマされていく様子がエロっちい。むつきつとむ「小あくま天使 桃色系」。心の中でだんだん水穂の存在が大きくなってきちゃって克也は困惑。個人的には本来の恋人である明日香のほうが好みであるけれども、水穂もオトメチックな表情を見せて、かわいくなってるなあ。

【単行本】「年上ノ彼女」3巻 甘詰留太 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 26歳だけど少女にしか見えないアゲハさんと、大学男子な努。二人の甘〜い同棲生活を濃密に描いていく。二人が結ばれるまでのくだりは、すでに2巻の時点でクライマックスを迎えちゃったけれども、その後のエピソードもアツアツ。将来についての不安をにじませたり、お邪魔虫が居候してきたりとごたごたしたことはあるけど、基本的には甘甘。その濃密なラブラブムードにさらされるのは、アテられるけど甘美でいい気持ち。アゲハさんの恥じらいの表情とかもいちいちかわいいし、グッとくるもののある作品だと思います。

【単行本】「まじかるストロベリィ」2巻 まつもと剛志 白泉社 A5 [bk1][Amzn]

 植物マニアなご主人様・日下部と、甘えん坊な植物の妖精・いちこを中心としたほのぼの生活を描いていく4コマ漫画。この巻もかわいくまったりしてて楽しいです。この巻では、日下部に片想いしている後輩女子のひなちゃんのもとに、妖精さん第2号・ニコがやってきて、だいぶお話が賑やかに。「まじかるストロベリィ」といえばいちこのにゃんにゃん攻撃(にゃんにゃんいいながら日下部にまとわりついて甘えまくるという攻撃)だが、実は1巻の時点ではあんまりにゃんにゃんしていなかったりする。それが2巻になるとかなりにゃんにゃんいう度合いが高まっており、楽しさ、かわいらしさが増した。また日下部くんになかなか想いを伝えられず、もじもじしまくるひなちゃんのラブコメ生物ぶりも観察していて楽しい。適度に力の抜けた絵柄もほっとする味わいがあり。おまけ漫画がきちんと収録されてるのも良い。ってなわけでますます好調に推移していていい感じ。


11/28(月)……口述筆記

OHP月極アンケート11月分「宇宙モノ」は30日いっぱいで投票締切です。てなわけでお済みでない方はこの機会に一発いかがでしょうか。よろしくお願いします。

【雑誌】ヤングキング 12/19 No.24 少年画報社 B5中

 前号に引き続き、佐野タカシは「イケてる2人」と「イケてる刑事」の2本立て。小泉とエッチというニンジンをぶら下げられながらも、ごまかしはしない、佐次の正直な行いがすがすがしい。あと今号から、女子サッカー漫画のむろなが供未「ゴールガール」が集中連載開始。

【雑誌】ヤングマガジン 12/12 No.52 講談社 B5中

 村枝賢一のクリスマス読切「ホーリーナイトベースボール」が掲載。とあるのんだくれの「あぶさん」的なプロ野球選手と、その一人息子、そしてサンタ業をやってるお母さんによるちょっとええ話といった感じのホームドラマ。野球関連の小ネタも盛り込みきっちり読ませる短編に仕上げている。12月6日には、本作も収録の村枝賢一クリスマス短編集「聖なる夜に散歩する」が発売予定とのこと[Amzn]

 オジロマコト「女王様が死んじゃった」は4号集中連載の2話め。10年来の女王様役だった幼なじみを失って、Mとしての欲求不満が募る主人公は、肉体をイジメることを求めてラグビー部に入る……という展開。作画が魅力的だし、お話のほうもダイナミックかつ下らなくて良い。山本マサユキ「ガタピシ車でいこう!!」は暴走編50回記念の特別編。「ガタピシ車でいこう!!COOL」と題して、なんかいつもの二人が普通の頭身でやけにイケメンに描かれている。お話のほうも最後はギャグで落とすのかな〜と思ったら、普通に二人をカッコ良く活躍させちゃってるし。たまにはこんなのも悪くないかな。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 12/12 No.52 小学館 B5中

 柏木ハルコ「QUOJUZ」が連載再開。長らく離れていた異母姉3人と同居することになった主人公・ミキオは、彼女としっぽりしたいんだけど、男に餓えた3姉妹によってジャマされ続ける。カラッと明るくドタバタコメディやっててきっちり楽しい。前作「鬼虫」はヘビーな作品だったが、こちらは打って変わったライト路線で攻めている。小田扉「団地ともお」。この前ともおが事故で死んだ犬にかぶせてあげたことで例のいいジャンパーは見納めかと思ったが、今回新たなるいいジャンパーが登場。スキーをしているクマさんのプリント、背中のヒツジさん、共に良いです。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 12/12 No.52 集英社 B5平

 いとうみきおの読切「謎の村雨くん」が掲載。パッと見たところ冴えない普通の高校生だが、実は忍者の子孫であり、秘密諜報部員である父親に忍の技をみっちり仕込まれた少年・村雨くんが主人公。自分がそういう能力の持ち主であることを周囲に悟られないようにしつつも、なんだかんだで大活躍してしまう村雨くんの日常を描くというドタバタコメディ。いとうみきおは連載経験もあって、実績も十分な人だけにさすがにうまいことまとまっている。読みやすいし絵もうまい。ただ読切だし、本編で登場する村雨くんのお友達キャラは女の子にしといたほうが派手で良かったかも……とは思った。大亜門「太臓もて王サーガ」は12月2日に単行本1巻[Amzn]が発売予定だけど、掲載順はずいぶん後ろのほうに来てますな。

【雑誌】フラワーズ 1月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon

 渡辺多恵子「風光る」が連載再開。そろそろ坂本龍馬が話にからんできて、だいぶお話は緊迫してきた。毎度手堅いです。近藤ようこの読切「稀人」は、寺の金の仏像を盗んだ父の罪の償いに、寺の下働きでこき使われるようになった娘のお話。きっちりまとまった人情話といった趣。さいとうちほ「ブロンズの天使」はいつも濃密で官能的。実際にやってるわけじゃないんだけどやけに色っぽいんだよねー。西炯子「First Love」。ここのところかなり盛り上がってきてたが、なんかわりとあっさり最終回。もうちょっと尺があっても良かったかも?

 岩本ナオは今回も良かった。「しだいに明るむ君の暁 〜夜のサイレン〜」。すっきりした絵柄が気持ちいいし、恋愛模様の初々しさも良い。読切、曙はる「かの子のステキなお兄様」。「やさしいお兄様」に憧れている女子が、現実の兄のぶっきらぼうな態度に不満を抱くも、実は兄はそんな態度でいながら彼女のことをすごく大事にしてくれていたのでした……というお話。少女漫画の世界でも兄萌えが。絵柄はかわいくて男子でもわりと読みやすい作品。

【雑誌】コーラス 1月号 集英社 B5平

 YOUNG YOU休刊に伴って作家がこちらに移動。新装刊となってるけど、全体的にはあんまり変わったという印象はないかも。吉住渉、逢坂いめこ、石井まゆみが今号では登場。羽海野チカ「ハチミツとクローバー」は次号から連載再開予定。

 今号ではまずよしまさこ「うてなの結婚+ あのんの結婚」。あのんさんがとうとう結婚式に臨む。うてな娘のうららちゃんがいい具合に場を和ませてるし、しっかり面白い。佐野未央子「君のいない楽園」。八神くん浮気事件が無事解決したと思ったらまたも急展開。そろそろお話も終盤戦になってきたようで。

【雑誌】メロディ 1月号 白泉社 B5

 扉によしながふみの絵があるから「大奥」載ってるのかと思ったら、ドラマCDとかのお話があるだけだった〜。ただ今号から始まった佐原ミズの読切シリーズが面白かったのでまあいいか。「ナナイロセカイ」は、めがね男子とそのクラスメートの女の子、なかなか自分の気持ちを素直にいえない二人のラブストーリーという感じ。両方とも美男美女だけど奥手なところが見てて楽しい作品。魔夜峰央「パタリロ源氏物語!」は連載再開。

 あと今号には、マンガ・エロティクスFで活躍中の中村明日美子が「阿部くんと黒羽さん」という作品を描いていた。第21回メロディまんがチャレンジで銅賞を受賞しての掲載。「衝撃デビュー!!」とか書いてあるけど、この人は2004年8月号にも「父と息子とブリ大根」という作品が、努力賞を受賞して掲載されてたりするんだよね。本作は、担任の女教師と恋愛関係にあったが彼女が結婚するということで身を引いたクラス委員の少年・阿部くんと、彼をなんとなく気に入っていろいろとつっかかってる黒羽さんという女の子のお話。人間関係はごちゃっとしているけど、お話自体はなんだかほのぼの。エロティクスFの作品とは違って明朗快活な作りで、絵柄もあちらよりアッサリめにしてます。

【雑誌】阿ウン 1月号 ヒット出版社 B5平 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 師走の翁「ヌルセン」が巻頭カラー。女子校の先生が病欠からクラスに戻ってみたら、文化祭の出し物として喫茶店をやるはずだった生徒たちが、なんか学校で特殊な銭湯をやるとかいいだしておりまして……というドタバタエロコメディ。結局は生徒たちの奉仕で先生はメロメロ〜という内容。タイトルどおりヌルいっつーかユルい作品だけど、いつもながらのエロサービスの充実ぶりはさすがで、楽しく読める作品。真海「お姉ちゃん警報発令!」。姉と弟とその彼女の3P話。普段は弟を支配しているけど、姉は慣れしていく弟に寂しさを隠せない様子なお姉ちゃんの様子がいい感じだった。弟くんはエウレカセブンのレントン似。あと今号では、篠田参重郎、天海聖一、霧恵マサノブ、はにわはおと、Kima-grayと、新顔の作家を盛んに登用してるのが目についた。


11/26(土)11/27(日)……サライヤーゲーム

【雑誌】アフタヌーン 1月号 講談社 B5平

 木尾士目「げんしけん」。今回は荻上さんをかたくなな女の子にしてしまった、中学時代のトラウマ事件についてがっつり語る回。これはたしかにかわいそう。笹原は愛の力で彼女を救えるのか。大野さんら、外野がうまいこと触媒として作用してくれると良いのですが。柏原麻実「宙のまにまに」。主人公である朔に片想いしているクラスメートのツンデレさん登場。派手ではないけど学園コメディを楽しく展開しててわりと好き。

 芦奈野ひとし「ヨコハマ買い出し紀行」。タカヒロとマッキが成長し、ともに生まれ故郷を離れる。アルファさんはますます置いてけぼりな感じが強まってて、なかなかに切ないです。「次号、さらに時は過ぎ−−。」という今回の最後のページの言葉も気になるところ。読切「瓶の中の蛙」は、コインランドリーの洗濯機の中に入って出られなくなってしまった少年と、そのなじみの少女のお話。ストーリー自体は彼らのやりとりを楽しく描くという感じで、大きな展開はないものの、絵がかなりうまい。全部CGですかね? デッサン力がしっかりしてて、爽やかなテイストもあって美しい。あと今号にはあさりよしとおの漫画家生活25周年を記念した写真漫画「あさりvs.悪魔」も掲載。

【雑誌】月刊IKKI 1月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon

 オノ・ナツメの連載「さらい屋五葉」がスタート。ビクビクした態度のせいで、用心棒業をクビになり続けている食い詰め侍が、なんだか怪しい雰囲気を持った男に雇われるが、それが本当にアブない人で……という出だし。シャレた絵柄と読ませるストーリー。両方兼ね備えている人だけに、この連載でどんなものを見せてくれるかとても楽しみ。岩岡ヒサエも新連載「土星マンション」を開始。土星の輪っか状に地球の周囲を回る、地上3万5000メートルの空に浮かぶ巨大マンションに住む人々の生活を描いていく物語。地球と宇宙の中間といった感じの舞台設定がユニークで、どこかファンタジーテイストなお話作りも面白い。こちらも気になる作品。

 青山景「SWWEEET」。失踪したツトムのほうが好きといいつつも、さくらはススムのほうにも情が移ってきていて……ってな感じの展開。ラブコメ的にもなってきててわりと堅調に面白い。カサハラテツロー「ライドバック」。やっぱこの作品のアクションシーンはダイナミックでカッコイイなあ。あと気になるのは、すっかり短くなった琳の髪を今後再び伸ばすかどうかだ。この娘さんに関しては、やっぱ長いほうがなじみがあるので。松本藍の読切「ファミリー・アフェア」。数年ぶりに会った姉が突然現れ、姉の娘、主人公にとっては姪にあたる少女を押しつけていき、彼は夕方まで姪に振り回されることに……というお話。トーンを使わずカケアミ処理する絵柄は暖かみがあって、お話としても短いながらまとまっている。きっちり描いてあって悪くない印象。

【雑誌】コミックガム 1月号 ワニブックス B5平 [定期購読:7andyicon

 ぢたま(某)の新連載「ファイト一発!充電ちゃん!!」がスタート。人間の中でとくに「生命深度」が低い(要するに元気がない)状態にいるものに、生気を打ち込む「充電作業」をするのが仕事の女の子・ぷらぐちゃんが主人公のドタバタ活劇といった感じ。人間だけど彼女のことを見ることができる少年との出会いがまず描かれるけど、彼のところに居候して……というパターンかな? Boichi「究極宇宙味帝シーザー」は最終回。アクションに料理をからめて、なんとなくエッチなシーンも盛り込む馬鹿馬鹿しいノリはわりと好きでした。あと今号にはイマイヒヅルの読切「アンティーク・ドルチェ」が掲載。いつもながら美しくてカワイイ絵です。

【雑誌】少年エース 1月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社

 作:GAINAX+画:高橋脩「新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画」。渚カヲル登場。シンジくんをアブない世界に引きずりこもうとするかのごときカヲルの行動に、アスカ&レイはどぎまぎ……ってな展開。青春ラブコメしてますなあ。貞本義行のほうは、薬にぷかぷかレイのクローンが浮かんでて、リツコがそれを破壊するあたり。作:FC01・FANDC.CO.JP+画:児玉樹「Canvas2〜虹色のスケッチか〜」。浩樹・霧の幼なじみもう一人である柳が登場し、ようやく浩樹が絵を諦めた理由が明らかになりそう……という展開。だいぶ物語が動いてきましたな。

【雑誌】ガンダムエース 1月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社

 トニーたけざきのガンプラ漫画「赤い華はジャブローに散った」が載ってたので良かった。今回はプラモをつかってアッガイのかわいさを大胆にフィーチャー。しっかりアッガイのかわいいアクションを追求してて胸がキュンとさせられるものがあった。あと赤鼻さんとドレンさんがええ顔してます。安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」。モビルスーツ戦がいよいよ開始か……ってな展開だけど、今回はなんといってもテム・レイさんでしょう! くたびれた背広の着こなしと、内に秘めた熱さに萌えた。なんかこの人にはインスタントコーヒーがすごく似合う感じがする、とかふと思った。あと唐沢なをき「犬ガンダム」でも「シャア犬・セイラ犬編」をやっている。ザビ犬たちがかわいいな。

【雑誌】電撃コミックガオ! 1月号 メディアワークス/角川書店 B5平

 巻頭カラーはまったくモー助「極上生徒会」。奏会長に強引な求愛を繰り返す岩桜龍平太が押しかけてきて、極上生徒会がそれに対して応戦するというお話。暴走するプッチャンロボがアホくさくて良いです。あと最後をきっちり締めるシンディ真鍋も。

【雑誌】コミック夢雅 1月号 オークス B5平

 休刊号。個人的にはそんなに悪い内容でもなかったとは思うが、一人で客を引っ張れそうな、今バリバリに売れ筋って感じの作家さんはおらず、ちと地味だったか。厚めな雑誌だけにもう少しパンチが欲しかったところ。

 最終号の掲載作品では上乃龍也「LOVE×3」後編が良かった。学校でもしちゃうほどのアツアツカップルだが、彼氏がより濃いエッチを求めて姉との関係を断ち切れずにいることを知った彼女は、思い余って直談判に行くが、結局はなし崩し的に姉を巻き込んだ3Pに突入……という内容。いつもながらのつやつやぷりぷりした作画で、舌の動きとかエロっちく描いている。舌と舌がとろけ合うような、汁気たっぷりのキスシーンとかも印象的だった。四万十曜太「依早ねえさんハードな仕事」は、会社で肉便器役をやっているお姉さんのお話。エロシーンでの理性のぶっとんだ表情の描き方がインパクトあり。山咲梅太郎「バースディパーティ」は、女の子5人にお誕生パーティを開いてもらった男子が、至れり尽せりのサービスを受けてウハウハ〜というお話。たいへん都合のいいお話だけど、ウハウハ感はけっこうあって、個人的にはけっこう楽しく読めた。

【単行本】「サルぽんち」 鈴木マサカズ エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

【単行本】「無頼侍」1巻 鈴木マサカズ エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 ようやく鈴木マサカズの単行本が出ました。しかも2冊同時。「サルぽんち」はコミックビーム1999年12月号〜2001年4月号で連載された作品で、群れから抜け出して行くあてもなく旅を続けている2匹の猿のお話。最初はわりとお気楽なドタバタコメディとして進んでいくのだが、ラストの近辺はかなり深みのある内容に。2匹となんだかんだで行動を共にし続けた情けないおっさん猿が、最終話でもって、生きること・死ぬことのしんどさを見せつける。ラストの静かな展開は泣けるものがあるし、ズンと心に響く作品となった。サルのお話なんだけど、人生というものについて考えさせられる良作です。

 「無頼侍(ぶらざむらい)」は、現在コミックビームで連載中の作品。ぶらぶら何をするでもなくほっつき歩いていたヒマな侍・鈴森岩十郎が、ある日、100両の賞金首の侍・寛壱と出会い、そこから彼をつけ狙う旅を続けていく。けっこうハードボイルドな感じのするお話ではあるが、どこか飄々とトボけた風味もあって、なんだか味がある。タイトルどおり無頼なんだけど、ただぶらぶらしているっぽくもある不思議なテイスト。今後どのように作品が化けていくのかも楽しみにしてます。


11/25(金)……保証がツー

▼桝田道也のホームページによると、「S60チルドレン」を描いた漫画家の川畑聡一郎氏が亡くなられたとのこと(→訃報:川畑聡一郎先生が逝去)。独自の視点から子供世界をとらえた作風は非常に個性的で、次回作も期待されていたところだったのでとても残念。31歳というと自分よりも若い。才能のある人だっただけに惜しまれます。

【雑誌】ヤングアニマル 12/9 No.23 白泉社 B5中

 作:原翔+画:前川かずおの新連載「シュラバカ」がスタート。都会の片隅で、知り合った人たちの保証人を請け負いまくる「保証屋」をやっている男の物語。自ら修羅場に足を踏み入れていく男の生き様を描いていくという感じ。それって商売になるんだろうか?という気もするのだが、まあ何かしらのメリットはあるんでしょう。若杉公徳「デトロイト・メタル・シティ」。毎度くだらなくていいなあ。今回はデスメタルバンドでボーカルをやってる根岸と、ヌルめなバンドをやってる彼の学生時代の後輩のお話。心の中では後輩のことを想いながらも、いざ化粧するとムチャクチャやってしまう主人公の行動が面白い。

 作:雑破業+画:竹内桜「ちょこッとSister」。今回は川越と管理人さんのラブコメ話は一休み。銭湯シーンで乳たっぷり。下から見上げた乳のボリューム感が良かったです。なんか新しいお姉ちゃんも登場した。宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」。今回は黒川さんが突っ走ってるなあ。池田くんともども行動がしょうもなくてかなりお似合い。その点ひだりちゃんは健康的すぎて、池田くんには似合わないかも。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 12/9 No.24 小学館 B5中

 国友やすゆきラヴァーにとって、アクションの「新・幸せの時間」とこの雑誌の「社買い人 岬悟」は欠かせない作品。この前一線を踏み越えた女上司は、社内でも岬に対してフェロモン出しまくりの発情状態。しかしそれに勘づいた男性社員によって二人は追い詰められていく……ってな展開。この男が「前から思ってたんだ…抱きてえ、あの女…!」とか心の中で呟くシーンが、いかにもベタベタで良かったです。

【雑誌】ビッグコミック 12/10 No.23 小学館 B5中

 作:鍋島雅治+画:はしもとみつお「築地魚河岸三代目」。前回に引き続いてアラのお話。アラには標準和名「クエ」のものと標準和名「アラ」のものがあって、そのどっちもうまいよーんというお話。どっちもちゃんと食ったことないので食ってみたい〜という気にさせられた。業田良家「男の操」。前回、操に対してついに告白した万田さんだったが……という買い。この2回はドラマチックで良かったです。

【雑誌】コミックバンチ 12/9 No.52 新潮社 B5中

 作:北芝健+画:渡辺康裕「内閣権力犯罪取締捜査官 財前丈太郎」。原爆事件の解決に強力した青年・堀内章太郎が内取に仲間入り。なんか跡継ぎっぽい人ができて、財前に死亡フラグか?とも思ったけど、むしろこの若いあんちゃんのほうがそういう役割になりそうな気がしないでもなし。仲間入りしたばかりでそういう話をするのもなんですが。あと佐藤良治「100兆の男」が今回で最終回。

【雑誌】BJ魂 1/1 No.26 集英社 B5中

 作:永井豪+画:二宮亮三「新へんちんポコイダー」。わりとまとまってて面白い。ラブコメとしてもまあまあ。永井豪と二宮亮三の対談も掲載されてて、永井豪は「好きなように描いてください」と明言してるけど、そういうとこ本当にこだわりなさそうだよなー、この人。尾玉なみえ「スーパーマグナムまむしレディ」。女子刑務所に入れられた女囚・まむしが、牢名主的な女囚に陰湿な意地悪をするというお話。相変わらず全編しょうもない。個人的には刑務所の名前が「肉どれい女子刑務所」なのがウケた。

【雑誌】フラミンゴR VOL.07 三和出版 A5平

 氏賀Y太「世界の中心に咲く花」。前編は妹を人質にとられた女性がものすごくヒドい目に遭っていたが、後編もヒドかった。しかし胸を抉るような切なさもあって、ただ残虐なだけなのとは微妙に違った読後感がある。天竺浪人「飼い主の責任」。前回クラスメイトの委員長女子をペットにした主人公。今回はプレイをぐっとエスカレートさせている。ご主人様と二人になると従順になる、委員長女子がけっこうかわいい。越智多胎子「ジェリービーン」。地下ボクシングのリング上で恋人同士がガチンコで殴り合い。鼻血とか噴いたりしてやってることは激しいんだけど、二人の間には愛もしっかりある。なかなかユニークな作品。ベギラマ「乙女失格Z」は前回に引き続き老人の性のお話。老いてなお変態プレイに溺れる老人たちの業の深さが興味をソソった。


11/23(水)11/24(木)……烏賊ロース

【雑誌】近代麻雀ゴールド 1月号 竹書房 B5中

 前号で雀鬼色はだいたい消えたが、作:桜井章一+画:神田たけ志「伝説の雀鬼」にはいちおう決着をつける模様。今号にも掲載されており、次号でいよいよ最終回とのこと。また間違った雀鬼流漫画、松橋犬輔「狂い咲き麻雀道!」も次号でおしまいの模様。かなりイカれた作品だったが、まあここらへんが潮時でしょうな。残りの漫画はとくに雀鬼流とは関係なし。巻頭ではあきやま耕輝「浪花のジャンク」が掲載。かつては裏プロをやってたけど現在は会社をリストラされたおっさんが、その雀力を買われて久しぶりに勝負に挑む……という内容。さすがにベテランらしくまとまってるが、ゴールドはずいぶん毒気がなくなりましたなあ。

【雑誌】モーニング 12/8 No.52 講談社 B5中

 塀内夏子がモーニング初登場。新連載「イカロスの山」を開始。今回は大学時代にコンビを組んでいた男たちが主役となる山岳モノ。塀内夏子といえば、初連載が山岳モノの名作「おれたちの頂」だったが、これはまさに原点回帰的な作品。最近の塀内夏子は「覇王の剣」「史上最低のレガッタ」と、ちとハズし気味な作品が続いていたので、こうやって初心に立ち帰るというのは良いことだと思う。

【雑誌】ヤングサンデー 12/8 No.52 小学館 B5中

 北崎拓「クピドの悪戯」が巻頭カラー。睦月の仕事を手伝ううちに、麻美の彼への想いはますます募る。今のところ、睦月は怜子ちゃんとガチだが、彼女の想いが通じる日はくるのか……といった感じで展開中。ちょっとベタだが、やっぱなんだかんだいって読ます。

【雑誌】ヤングジャンプ 12/8 No.52 集英社 B5中

 甲斐谷忍「LIAR GAME」。第二部は最終話で少数決ゲームに決着。タネ明かしされると簡単なことなんだけど、なるほどなあと思わされる。第三部は来春開始予定とのこと。あと遊人「学園天国」は今回で最終回。最初のころはけっこうインパクトあったんだけど、ちょっと後半のほうはパワーダウンしたかな〜という感じか。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 12/8 No.52 秋田書店 B5平

 水島新司の8週連続、モーニングとの2誌同時連載「ドカベンvs.野球狂の詩」が最終回。結局1戦めのクライマックスを最後に描いて、いかにも水島新司らしい締めくくり。まあさすがにもう言葉を連ねるまでもなくムチャクチャなのだが、週刊2本+月2の「あぶさん」を同時にこなしてしまうパワフルさは凄い。板垣恵介「バキ」は最終回だが、続きがあることが分かってるので、淡々とした感じ。

【雑誌】LaLa 1月号 白泉社 B5平

 橘裕の新連載「桃子マニュアル」が開始。普段は平凡なめがねっ娘女子高生、でも魔力を抑えるめがねを外すとネコミミが生えてきて魔女化してしまう女の子が主人公のドタバタラブコメ。女の子が常にめがねかネコミミであるという巧み(?)な設定。ヒロインがけっこうかわいいし、ラブコメムードも濃厚でけっこう楽しかった。読切、津田雅美「ノスタルジア」は、元は兵器として開発されたアンドロイドと、彼を引き取った青年の心のつながりを描いたお話。楽しんで読めるが、最後の展開はちと唐突に思えた。読切、仲野えみこ「ひよこスクランブル」は、子供が苦手なヒロインの女の子が、妹のおむかえで幼稚園に通っているうちに、そこの保父で子供に人気のあるおにいちゃんに惹かれていくというほんわかラブコメ。ちと画面がごちゃごちゃしてるかなとは思うものの、絵柄はかわいくてわりと好印象。

【単行本】「おおきく振りかぶって」5巻 ひぐちアサ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 いよいよ高校野球選手権が始まり、西浦高校が公式戦デビュー。立ち上がりは強豪校に対してまずまずの手応えで、互角以上の戦いぶり。作戦や心理描写が非常に細やか。あと応援側の人たちが選手たちに託す気持ちとか、ディティールもつぶさに描き出している。ただ試合とかのシーンとかになるとちょっと気になるのが、グラウンドを広く見渡したシーンが少ないことかな。メンバーの誰がどのポジションを守っていて、今ボールがどこを動いているかがもう少し分かりやすいといいんだけど。

【単行本】「ヒストリエ」3巻 岩明均 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 それまでのお坊ちゃん生活から一転して奴隷まで落ちたエウメネスだが、買われていく最中での突発的事態により、その運命は激変。新たな土地にたどりつき、その地で成長していくことになるが……。というわけでこの巻は、エウメネスの生い立ちを追いかけていく回。当時のギリシャとかマケドニアとかその他の地方とかの、歴史的な背景とかを分かりやすく説明しながらお話が進んでいくので、地味な展開だが歴史好きの興味をかき立ててくれるものはある。着々と進んでいる感じで面白いです。

【単行本】「おかえりピアニカ」 衿沢世衣子 イースト・プレス B6 [bk1][Amzn]

 現在ではアックスでときどき読切を描いている、衿沢世衣子の初単行本。この人はコミック.Hのころからけっこう気になっていたが、スッキリとシャレた絵柄で、なかなか気持ちの良いお話を描く。青春モノ好きな人はけっこう気に入りそうなタイプ。よしもとよしともがそのセンスに目をつけて原作を提供した、「ファミリー・アフェア」も収録されている。そのほかの収録作品は「Deer and Giraffes」「鳥瞰少女」「夏坂」「体が育つ」「明日の空に」「サッカリン」。この中では、大人になったことでタケコプターみたいな道具で空を飛ぶことができなくなった少女の、ちょっと切ない気持ちを描いた「鳥瞰少女」が好きかな。あまり派手なタイプではないけど、自然体な絵柄や構図取りなどにセンスを感じる人です。

【単行本】「REAL」5巻 井上雄彦 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻も面白い。車椅子バスケのシーンは今回あんまりないけど、野宮、戸川、高橋と、挫折を経験した若者たちの青春がしっかり描かれていて良い。とくに今回は、自分が事故に遭わせてしまった少女を見舞い続ける、野宮の不器用ながらも人間くさい行動に惚れる。これまで戸川が幾度となく励まされてきたヤマの病が進行し、その人格までも歪めるようになってきている様子は思わず泣けてくる。作画はもちろんだけど、漫画の見せ方とかもさすがにうまい。

【単行本】「にらぎ鬼王丸」5巻 作:荒仁+画:坂本眞一 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。最高の刀を打つため、隕石によって宇宙からもたらされた「星の鉄」を集める旅に出た若き鍛冶職人・鬼王丸だが、その前に幕府からの刺客が次々と現れ、鬼王丸は激しい戦いの渦中にさらされていく……という物語。坂本眞一の精巧でかつ力強い作画、職人の意地や誇りを強く感じさせる物語など、色気はないが武骨で迫力のある作品だった。最後のほうは掲載誌がヤングジャンプ本誌から漫革に変わり、急ぎ気味の展開になってしまったのは残念。


11/22(火)……青汁

封印シール(青) ▼定期購読で届いたドルフィンを見たら、エロ雑誌用封印シールが青色の奴に変更されていた。しかも上下2箇所止めになってる。シールが青で2箇所止めになることはニュース(→ZAKZAK)で読んで知ってたけど、実物を見たのはこれが初めて。コンビニ売りのエロ雑誌に封印シールが貼られるようになってしばらく経ったが、店頭で中身を確認できないのは確かに不便なものの、自分の場合、雑誌はたいていのものが継続購入で、立ち読みはしないで買っちゃうほうなんで、今のところさほど不便に感じたことはない。店頭で読めないことよりは、テープの粘着力が強いと表紙もいっしょに剥がれちゃうことのほうがむしろ問題だった。新しい青シールについては、今までの無色透明シールよりも「貼ってある」ということが分かりやすいので、こっちのほうがいいかなという感じ。まあ理想をいえば貼ってないのがベストなんですけどね。

【雑誌】コミックハイ! 12月号 VOL.8 双葉社 B5平

 私屋カヲル「こどものじかん」は巻中カラー。小3女子・九重りんちゃんが先生にラブラブアタックをかけているのを、ジェラシーをもって見つめているりんちゃんの親友・黒ちゃんがメインのお話。ちっちゃい娘さんがかわいく、毎回賑やかで楽しい作品。単行本1巻は12月12日発売とのこと。かがみふみを「ちまちま」。ここまでだんだんと距離をちぢめてきた黒川くん千村さんの身長差カップルだが、今回はお互いを意識するあまりにぎこちなくなってしまっている。まあそんなすれ違い模様も微笑ましいです。純情っぷりが極まってて、二人ともかわいいなあ。

【雑誌】イブニング 12/13 No.24 講談社 B5中

 寺沢大介「喰いタン」がTVドラマ化だそうで。日テレ系の土曜ドラマ、新春スタートで主演は東山紀之とのこと。ドラマは全然見ないのでなんだが、高野のあの凄まじい大食いっぷりを実写でやったらけっこう楽しそう。あと今回は「ミスター味っ子II」もけっこう面白い。陽太と、音羽松也の対決がいちおう始まるが、早くも二人をぶつけるというシナリオを書いた味皇料理界の意向を無視しまくり。「喰いタン」は最近ネタ的に少し落ち気味な気もするけど、その分「味っ子II」がいい意味でなんでもありになってきてて、いい感じです。やっぱ「味っ子II」は、あの無重力調理の回でハジけたな。

【雑誌】ヤングチャンピオン 12/13 No.24 秋田書店 B5中

 山田可南「育子、イキまあす!!」が掲載。ヤングチャンピオンは初登場。自転車のサドルに座っただけでもイッてしまう、超敏感体質の女教師さんが主役のドタバタ学園コメディ。もちろん女教師さんはその体質については隠しているんだけど、そのせいで毎日タイヘン。けっこう面白かったが、読切というよりは連載向きのネタかな?

【雑誌】漫画サンデー 12/6 No.47 実業之日本社 B5中

 作:倉科遼+画:和気一作「女優」が連載100回記念ということで巻頭カラー。たいへん分かりやすいストーリーでぐいぐい読ます、力のある一作。ベタベタな部分も多いがずっと面白く読んでいる。ただ最近の瞳はだいぶいい人になっちゃって、昔のような計算高さが見られないのがちと残念な気も。

【雑誌】スーパージャンプ 12/14 No.24 集英社 B5中

 作:愛英史+画:里見桂「ゼロ」が今回も凄いなあ。今回の依頼者は、資産運用に独自の理論を導入して莫大な利益を挙げている業界注目のやり手ファンドマネージャー。このファンドマネージャーが、新しい市場予測ソフトを開発するため、時代の変化を的確に見通すといわれる「聖徳太子の予言書」の捜索をゼロに依頼するが……というお話。やり手ファンドマネージャーがそんなものに入れ込んでいるという時点でムチャだが、さらに予言書を見つけたらゼロに自分の会社の株半分(2000億相当)を与えるとかいいだしたりする。オチがかなりヘタレなのもいい味。たいへん下らなくて、うれしい気分になりました。こういうのがあるから「ゼロ」は見逃せない。

【雑誌】週刊少年サンデー 12/7 No.52 小学館 B5平

 藤木俊「こわしや我聞」が最終回。爽やかに終わったのではないかと。絵柄も好感が持てるしまとまりの良い作品で、こちらではあまり感想を書くことはなかったんですが、全般的には好印象。ただ突出した部分がなく、地味めに感じられてしまう作品でもあったので、今後の課題はそこらへんかなと。井上和郎「あいこら」は、美脚女教師のエピソード。4人娘の中ではこの人だけちと影が薄めだったので、ここでググッと盛り上げてほしいところ。

【雑誌】週刊少年マガジン 12/7 No.52 講談社 B5平

 西山佑太「ファッションリーダー今井正太郎」。カッコいいファッションの選び方みたいな実用テクも紹介してくのかと思ったら、今のところ全然そんな気配はなく、とにかく下らないギャグをやってる。妙なノリで個人的にはこういう漫画は好きなのだが、まず間違いなく一般受けはしてなさそう。画面がゴチャゴチャしててあんまり読みやすくもないしね。

【雑誌】COMIC LO Vol.22 茜新社 B5平

 やっぱりうさくんがいいなあ。今回の「ペンペン週間」は、教育的指導のため、おしりぺんぺんをする係を一人もうけ、生徒同士で過ちを認め合うというシステムを導入したクラスでのお話。そのぺんぺん係をやることになった少年と、彼におしりを叩いてもらいたくて、放課後毎日彼の元に通うようになった少女のラブラブ物語。これだけかわいいスパンキング漫画ってのもなかなか珍しいし、お話全体に漂うゆる〜いムードも読んでて楽しいです。青こくるね「魔女まっしぐら」は、見習い魔女の女の子が、好いた男子を誘惑するためその精子を手に入れようと頑張るが……というお話。女の子が天然気味でかわいらしいし、淡い独特のたっちもなかなかユニーク。けっこう気に入りました。このほかでは甚六「ほけんしつ」も、はじめてエッチの様子を初々しく描いててなかなか。あと次号からようやく独立創刊だそうです。

【雑誌】純愛果実 1月号 光彩書房 A5中 [定期購読:7andyicon

 つつみあかり「そっとSECRET」。偶然見たAVの出演女優が自分の姉そっくりだったので動揺した弟が、嫉妬のあまり暴走してしまう……というお話。いつもよりはレイプ色が強いものの、最終的にはきっちり甘ったるくまとめてきている。エロシーンもきっちりやってて毎度手堅いです。あと次号から表紙が現在のゼロの者からCuvieに変更するそうな。ゼロの者はそっちまで手が回らなくなってきちゃったかな?

【雑誌】ドルフィン 1月号 司書房 B5中 [定期購読:7andyicon/Fujisan

 くどうひさし「夏のゆらめき」が最終回。姉兄妹3人の、禁じられた切ない恋模様を描いていくという青春ラブストーリー。最後は切ないけど晴れ晴れと爽やかに終わった。最近のきょうだいモノにしてはアッサリしているけど、個人的には良い締めくくりだったんじゃないかと思う。


11/21(月)……映えるビート

▼23日二度目の更新は21日の日記から。ちょっと追いついてきた。

▼未読物
【雑誌】コミックハイ! 12月号 VOL.8 双葉社 B5平
【雑誌】イブニング 12/13 No.24 講談社 B5中
【雑誌】ヤングチャンピオン 12/13 No.24 秋田書店 B5中
【雑誌】漫画サンデー 12/6 No.47 実業之日本社 B5中
【雑誌】スーパージャンプ 12/14 No.24 集英社 B5中
【雑誌】週刊少年サンデー 12/7 No.52 小学館 B5平
【雑誌】週刊少年マガジン 12/7 No.52 講談社 B5平
【雑誌】COMIC LO Vol.22 茜新社 B5平
【雑誌】純愛果実 1月号 光彩書房 A5中 [定期購読:7andyicon
【雑誌】ドルフィン 1月号 司書房 B5中 [定期購読:7andyicon/Fujisan
【単行本】「おおきく振りかぶって」5巻 ひぐちアサ 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ヒストリエ」3巻 岩明均 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「おかえりピアニカ」 衿沢世衣子 イースト・プレス B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「亀の頭のスープ」 根本敬 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「喰いしん坊!」1〜4巻 土山しげる 日本文芸社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「はねむす」 ざちお 大都社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「REAL」5巻 井上雄彦 集英社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「にらぎ鬼王丸」5巻 作:荒仁+画:坂本眞一 集英社 B6 [bk1][Amzn]
▼25日売り
【雑誌】月刊IKKI 小学館 B5平 [定期購読:出版社/7andyicon
▼26日売り
【雑誌】少年エース 1月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社
【雑誌】ガンダムエース 1月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社

【雑誌】ヤングマガジン 12/5 No.51 講談社 B5中

 けっこう期待している若手、オジロマコトの4週連続集中連載「女王様が死んじゃった」がスタート。幼なじみの女の子が死んじゃって悲嘆に暮れる主人公……と思ったら、実はこの二人は昔っから女王様と奴隷の関係にあり、放課後となるとしょっちゅう変態プレイをしていた仲。理想の女王様である彼女を失った主人公は、今後どうするのか……といった感じでお話は進む。この人は作画が瑞々しくて非常に達者だし、意表を衝くダイナミックな展開もできてなかなか面白い才能。そんなわけでこの4回でどういうことを仕掛けてくるのか、たいへん楽しみにしております。集中連載が終わったら単行本も出してほしいなあ。

 作:イ・ヒョンソク+画:イ・ユジョンの新連載「軍バツ!」は、徴兵で軍隊に入ることになった韓国の青年が主人公の青春コメディ。韓国の徴兵制度を描いた漫画としては、コミックバンチで連載されたペ・ジュンゴル「ホテルココナッツ」が前例としてあるが、あちらは不完全燃焼のまま終わった。さすがに日本の読者には親近感を持ちづらいテーマだと思うけどどうなりますか。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 12/5 No.51 小学館 B5中

 スピリッツ創刊25周年読切の第2弾として、河合克敏「ノーウェアマン」が掲載。25年前のとある高校が舞台。YMOとかが好きでそういう音楽をやりたかった少年が軽音楽部に入部するも、クラブの主流はハードロックで、主人公は部から浮いてしまう。そんなわけで鬱々としていた主人公だが、放課後に誰もいない部室でギターを奏でていた先輩との出会いをきっかけに、充実した青春を送るようになっていく……といった感じのお話。後味がとても爽やかで、青春ストーリーとしてきれいにまとまっている。さすがにうまい。

 古泉智浩「転校生 オレのあそこがあいつのアレで」は最終回。高校生カップルの性器の部分だけが入れ替わってしまうという、男女入れ替わり青春コメディ。あまり濃い口ではないものの、こちらもスッキリとハッピー・エンド。途中、ちんこができてしまった彼女のほうが女生徒とやりまくったり、女性器のせいで彼氏が精神的に女っぽくなっていく様子は、わりと楽しかった。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 12/5 No.51 集英社 B5平

 大亜門「太臓もて王サーガ」。ジャンプネタはいろいろやってきた漫画だけど、今回はコレで来たか。このネタだったらいくらいじっても大丈夫ですな。まあ日付遅れの日記とはいえ、ネタバレするのもアレなんで詳しいことは書きませんが、相変わらず下らないネタ満載で良いです。

【雑誌】コミック電撃大王 1月号 メディアワークス/角川書店 B5平

 作:高橋弥七郎+画:笹倉綾人「灼眼のシャナ」。吉田さんの出番が増えてきて、ラブコメ色がずんずん高まって楽しくなってきた。シャナもけっこうラブコメ脳だし。けっこうそれまでにいろんな人に会ってきただろうに、こんなチョロくて良いものか……とか思わぬでもないですが、まあいいか。作:オーガスト+画:脳みそホエホエ「夜明け前より瑠璃色な」もラブコメとしていい感じ。脳みそホエホエの絵がかわいいこともあって楽しく読めます。そしてあずまきよひこ「よつばと!」は今回も申し分なし。

【単行本】「おれはキャプテン」9巻 コージィ城倉 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

 高校に入ったカズマサたちだが、蝦名、デレックと、素質に優れた選手が揃っていて、なおかつカズマサ発案のアイデアトレーニングをしたせいで、1年目から「こんなに勝てていいかしら」的快進撃。まあ鍛錬の過程とかについてはかなりアバウトなんだけど、ここらへんはあえてシンプルにして、その分カタルシスをアップさせる方向できているように思える。分かりやすい構図取りとかもあり、サクサク読んでいける。まあなんにせよ、今後の成績はカズマサしだいだと思うので、さらなるこずるさを発揮していってほしい。

【単行本】「シグルイ」5巻 作:南条範夫+画:山口貴由 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]

 伊良子による復讐劇は絶好調。じわじわ虎眼流を崩壊に追い込んでいく。まあそんなわけで虎眼流はずいぶん苦しくなってきてはいるんだけど、虎眼先生は相変わらずクレイジーで存在感抜群。娘の口に、まるで男根のごとき四足獣の肝を押し込み、「種」「種ェ」などとおっしゃられるシーンは、虎眼先生のぶっとさがいかんなく発揮されていて、感服つかまつった。ものすごく迷惑な人だが、オーラが迸っていてカッコイイ。

【単行本】「EVIL HEART」3巻 武富智 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。兄の暴力から家族を守るため合気道を始めた梅だが、続けていくうちに復讐や暴力だけでないものを、合気道から学んでいく。この巻では合気道少女の鶴ちゃんが登場して、画面が一気に華やいだものとなった。また合気道の技の話もだんだん多くなっていったし、梅がこれまでとは違った人との触れ合い方、外界との関わり方を知っていく様子には、ポジティブな手応えがあった。武富智の爽やかで美しい絵柄もイイし、鶴もカワイイ。だいぶ良くなっていただけに、もう少し長く読んでいたかったなあという気がする惜しい作品。


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